サステイナブルな暮らしの名手が大切にするもの パリのエシカルショップオーナーが選ぶ、お気に入りの愛用品。
Paris 2023.01.19
環境に優しい考え方が根付くパリ。セレクトショップのランドラインでは、伝統技術や職人の手仕事によって生み出されたエシカルな日用品を取り扱う。長く愛用できるもの選びの審美眼を持つオーナーに、暮らしを豊かにしてくれるお気に入りの愛用品を教えてもらった。
キャロライン・モリソン(ショップオーナー)
Caroline Morrison アメリカ・カリフォルニア州生まれ。15年間ファッション業界に携わった後、“General Supply Store”をコンセプトに、エシカルな日用品をセレクトするショップ、ランドラインをオープン。
アメリカ・カリフォルニア州生まれのキャロラインは、オーガニックとエコロジーな生活をおくる両親のもとで育ち、自然とエシカルな感覚を身につけた。
「使い捨てをせず、長く使える自然素材の良品を大切に使うこと。そんなライフスタイルを考えるきっかけになってくれたら」と、2021年にランドラインをオープン。伝統技術や品質が認められたフランスの「無形文化財企業」を中心に、キッチン用品からコスメ、文房具、ファッションまで、アイテムも価格帯も幅広く揃える。暮らしを豊かにしてくれる美しさもセレクトの基準だ。「エシカルな生活は決して難しくて高価なものではない」と語る。
また、ファッション業界で長く働いていたキャロラインが選ぶ洋服やアクセサリーは、その審美眼で時代を超えて愛用できるものが多い。たとえば、羊毛の捨てられていた部分を生かしたマヨルカ島のベスト、丈夫なガーンジー島のマリンセーターなどだ。「職人が生み出すものは機能的でロマンティック。彼らの作品をセレクトすることで、職人や伝統技術も応援していきたい」と考えている。
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フランス・オーヴェルニュ地方の女性が手がけるソープは8ユーロ。天然成分を生かすため加熱しない製法で作る。真っ白な山羊毛のブラシは35ユーロ。ドイツの老舗メーカー、レデッカー製で、黒い山羊毛のワンポイントがお気に入り。
エストニア産、頑丈なオリーブの木の調理用スプーンは7ユーロ。黒い木目が好まれるため、捨てられてしまう白い部分を使用。
一生ものの鉄のフライパン(φ24㎝)は50ユーロ。おすすめは1830年から続くデバイヤーのもの。
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フランス産リネンのキッチンタオルは22ユーロ。1866年創業、織物で有名なフランス北部のシャルべ・エディション製。
モヘアのひざ掛けは288ユーロ。1806年から8代続く南仏プロヴァンスのブラン・ドゥ・ヴィアン=ティランのもの。アザミの実で起毛しているので表面がふんわり柔らかい。
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ギリシャのブランド、アレクサンダー・ミル製の真鍮のペッパーミルは84ユーロ。インダストリアルなデザインも秀逸だ。
愛らしいドイツのオストハイマー製の木彫りのキリンは24.50ユーロ。型取りから着色まですべて手作り。
ラップ代わりに選びたいワビ・パリのコットンボウルカバーは38.50ユーロ。キュートなデザインがキッチンを明るくしてくれる。デザイン展開も豊富。
107, avenue Parmentier 75011
tel:01-43-55-83-61
M)PARMENTIER
営)11:00~19:00(火~土)
休)日、月
Instagram:@landlinegeneralstoreparis
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*「フィガロジャポン」2023年2月号より抜粋
●1ユーロ=143円(2022年12月現在)
photography: Mari Shimmura text: Chiaki Mitomi