いますぐ欲しい、いますぐ着たい！パトゥの最新コレクション。

Paris 2023.02.07

左: 会場となったサマリテーヌの最上階。　中: フィナーレ。　右: モデルたちに続き、ギョーム・アンリがぐるりと会場を走って、カメラマンにピースサイン！ photos：（左）Mariko Omura、（中・右）Imaxtree

1月末のパリ、オートクチュール・ウィークの賑わいが去った翌日の寒空の下、デパートのサマリテーヌ周辺が明るい雰囲気で包まれた。1月27日、パトゥのショーが開催されたのだ。開始前、アーティスティック・ディレクターのギョーム・アンリのおもてなし精神ゆえにデパート前の広場ではショーのゲストに飲み物とクッキーがサービスされ、また大勢のパトゥ・ガールズたちがカメラマンたちに囲まれて…… “Shopping Chronicles（ショッピング・クロニクルス）”と題されたショーへと気分を盛り上げていた。これまではセーヌ河に面した本社内で行われていたパトゥのショーが今回初めて外部で開催。選ばれたのはショッピングの聖地デパートだ。会場は庭で孔雀が遊ぶ光景が描かれたゴールドのフレスコ画に四方を囲まれたデパートの最上階。上へ上へと向かうエスカレーターの乗り換え地点にはサマリテーヌが販売するパトゥが展示され……これから発表される新しいコレクションへと気持ちをはやらせる趣向だった。

館内でもフォトコールがあったが、それ以前デパートの外でもパトゥ・ガールズたちがレンズに狙われていた。photos：Mariko Omura

サマリテーヌで現在取り扱う、前シーズンに発表されたコレクション。photos：Mariko Omura

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2023年冬のコレクションのファーストルックは鮮やかな赤のキルティング・ミニ・ドレスコート。ロゴ入りの同素材のボブをかぶり、同素材のバッグを持ち、さらに同素材のショッピング・キャディーを引いて。こうしてスタートしたショー。赤のルックが続き、黒、白、グレー……時々パトゥ・ピンク、アイスブルーやプリントが。モデルたち何人かのヘアには横長にリボンが飾られている。どうやらギョームのこのインスピレーション源は60年代のカトリーヌ・ドヌーヴのヘアスタイルのようだ。都会的シルエット、パリジェンヌの洗練されたシック……次々登場するモデルたちはパリの香りを跡に残して、足早にサマリテーヌの回廊を前進する。彼女たちの脚を覆うのは、前回もコラボレーションしたパリ・クリッシーで1904年に創業された「Maison Ernest」のブーツやニーハイブーツだ。またモデルたちがかけているサングラスは「Bollé（ボレ）」とのコラボレーションによる。ショッピング・キャディーは1928年にレイモン・ジョゼフが始めた「Caddie®（キャディー）」とのコラボレーションだ。アルザス地方のメゾンというから、東部出身のギョームにとってなじみ深いキャディーなのだろう。まさにショッピング・クロニクル！

photos：@monicafeudi

バッグの新型も登場し、ゴールドのジュエリーも輝いて……ギョームによるパトゥを特徴づけていたボリュームたっぷりのシルエットはモード感はそのままに今回は少し影をひそめたが、パトゥを着てみたいと願う誰もが袖を通しやすく、これまでパトゥをワードローブに取り入れることをためらった女性たち（男性も！）の心をとらえ、ファンの数をますます増やしそうなシックでプレイフルなコレクションだった。