Hot from PARIS いまパリで起きているコト パリジェンヌのエスプリ光る、自転車アイテムが人気急上昇。

Paris 2023.02.14

パリでいま注目の出来事を、パリ支局長の髙田昌枝がリポート。環境意識の高まりやパンデミックなどの要因が重なり自転車ユーザーの増えたパリでは、おしゃれな自転車グッズの選択肢も増加中!


今年、久しぶりにパリを訪れた人が驚くとしたら、街を走る大量の自転車の姿ではないだろうか。手軽なママチャリが行き来する日本と違って、パリの自転車は丈夫なかわりに重く、盗難が多いため駐輪に気を使い、車道通行ゆえに安全対策が必須とあって手軽な移動手段とはいえないものだった。自転車が街の移動手段になったきっかけは、15年前に誕生したレンタル自転車ヴェリブ。ヴェリブに電動自転車が加わり、返却場所を選ばないシェアリングがスタート。度重なる交通スト、環境問題への意識、さらにパンデミックによるメトロ離れがぐっと背中を押す形になって、いまや自転車はパリの風景の一部になった。

行政のバックアップも大きい。電動自転車購入の際にはパリ市や首都圏であるイル=ド=フランス地域圏から500ユーロの補助金が支給される。電動自転車の長期レンタルが提案され、企業は自転車通勤する社員のために、自転車置き場の設置義務もある。また、パリ市とそれに隣接する自治体では、自転車レーンの整備が急速に進んだ。象徴的なのは、東西を貫くリヴォリ通りから乗用車が締め出されたこと。朝には東パリのボボが一斉にパリの中心へとペダルを踏む姿が見られる。

パンデミックで急増した自転車ユーザー。スカートとヒール、バッグを斜めがけにして危なっかしい感じのパリジェンヌもいるとはいえ、ほとんどの人はジーンズにスニーカー、リュックサック、蛍光カラーのベストにサイクリング用ヘルメットという実用スタイルだった。そんな中、「自転車でも自分らしいスタイルを」と美しいパニエを作ったのは、自転車ユーザー歴15年のパリジェンヌ。色が選べる革製の持ち手を付けたシックなメタル製パニエは、取り外してそのままマルシェでお買い物できるパリらしいデザインだ。

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ハイブランドの美容部門に勤めていたマリー=ロール・ギニエが立ち上げたブランドは、プティット・レーヌ。フランス語で自転車を意味する。photography: Petites Reines 
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彼女がブランド最初のアイテムとして提案したのは、クオリティが高く、エレガントな自転車カゴ「Laura」(全3色、持ち手付きで各195ユーロ)と、持ち手「Maya」(全7色、各55ユーロ)。photography: Petites Reines 

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また、リヴォリ通りの真ん中には、都会の自転車乗りのための小物を集めたコンセプトストアが登場。色とりどりのおしゃれなヘルメットやレインケープはもちろん、雨用オーバースカートやテイクアウトしたコーヒーを装着できるゴブレットホルダーなど、街乗りのためのアイテムを揃えている。自転車グッズにパリらしいセレクトとクリエイションが現れたこと。それは、自転車がパリの暮らしに定着し、アール・ドゥ・ヴィーヴルになったことの証なのだろう。

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リヴォリ通り26番地に登場したジュ・シュイ・ザ・ヴェロは、街乗り自転車ユーザーのための店。photography: Je Suis à Vélo
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リュックにもなるサイドバッグ、リフレクター付きブルゾンもスタイリッシュ。photography: Je Suis à Vélo
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革製のワインボトルホルダー(44.90ユーロ)も人気。photography: Je Suis à Vélo
Je Suis à Vélo
https://jesuisavelo.com/fr

*「フィガロジャポン」2023年3月号より抜粋

text: Masae Takata (Paris Office)

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