エトワールのユーゴ・マルシャン、メレリオのアンバサダーに就任。

Paris 2023.03.09

2月21日、オペラ・ガルニエで開催されたパトリック・デュポンにオマージュを捧げるガラ公演の終了後、新芸術監督ジョセ・マルティネスを囲んでエトワールダンサーたちの集合写真が撮影された。アルマーニの黒いスーツ姿で写真に収まるユーゴ・マルシャン。白いシャツのちょっと開いた襟元に、透明な輝きが。これはラペ通りのジュエラーである「Mellerio(メレリオ)」のネックレス「Pierrerie(ピエールリィ)」だそうだ。

現在パリ・オペラ座バレエ団には5名の男性エトワールがいるが、中でもさまざまなハイブランドから熱い眼差しを送られているユーゴ。今年1月、メレリオ初のアンバサダーに就任した。彼のパーフェクションを追求する姿勢、高い芸術性にメゾンのプレジデントでありアーティスティックディレクターのロール=イザベル・メレリオの心が捉えられたのである。メレリオには男性用とうたうコレクションは特にはないが、男性も女性と変わらずジュエリーを装いに気軽に取り入れるようになっている時代でもある。それに実はメレリオとパリ・オペラ座の間にはちょっとした繋がりがある。創業を1613年に遡るメレリオはフランス最古の宝石商で、マリー・アントワネットの宝石商でもあった。パリ・オペラ座は1661年にルイ14世の時代が創立した王立舞踏アカデミーにその起源を遡る。つまりメレリオとパリ・オペラ座はともに17世紀に生まれ、どちらもフランス王室との結びつきを持ち、フランスのエクセレンスとエレガンスを4世紀に渡って実践し続けているふたつのメゾンなのだ。また、パリ・オペラ座のダンサーであったセルジュ・リファールは彼のオペラ座での25年のキャリアに対して1955年にダンスのオスカーともいえるバレエシューズを象ったゴールドの「Chausson d’Or(ショソン・ドール)」を受け取っている。それを製作したジュエラーがメレリオだったという。

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ユーゴ・マルシャンの耳と胸元に、ホワイトゴールドに組み合わせたメレリオ・カットのダイヤモンドが輝く。指輪のブラック・クイーンはブラックダイヤモンドとプラチナのハイジュエリーだ。

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ジュエラーにとって初のアンバサダー就任のマスコミ披露は、ユーゴを迎えてメゾンの地下の会場にて1月末に行われた。ここはメゾンのアーカイブの一部を所蔵するフロアで、マリー・アントワネットがつけたメレリオのブレスレットや、創業以来の顧客台帳といった貴重な品であふれている。この晩、ユーゴの耳に輝いていたのはメレリオ・カットのダイヤのイヤリング。ぽってりとした洋梨のようなフォルムは、フランスで宝石商としてメレリオを認可したアンリ4世妃マリー・ド・メディシスがつけていた宝飾史に名前を刻む34.98カラットのダイヤモンド“ボー・サンシー”のフォルムにオマージュを捧げるものだ。またこの晩、指輪のブラッククイーンがユーゴの指をスタイリッシュに飾っていた。これから、ユーゴがアンバサダーとしてどのような活動をするのか見守ってゆこう。

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アンバサダー発表時、談笑するユーゴ・マルシャンとロール=イザベル・メレリオ。

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左: ジュエラーの地下を占めるアーカイブ・フロアのサロン。 中: 王妃マリー・アントワネットのためにメレリオが、古いカメオを用いて18世紀にクリエイトしたブレスレット。現在はメレリオの所蔵品だ。 右: ブティックを構える以前、顧客のもとに出向く際に宝石や道具を詰めた背負い箱「マルモット」がいまも地下で保存されている。

editing: Mariko Omura

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