オステリア・ブリュット、NYのリトル・イタリー気分をパリ5区で。
Paris 2023.03.14
左: モンジュ広場の近くにできたオステリア・ブリュット。 右: 店内から広場やファーマシーが見える。
聞き慣れない通り名だと不便な場所かと敬遠しがちだけれど、「Osteria Brutto(オステリア・ブリュット)」がオープンしたのは市場の立つモンジュ広場のすぐ近く。観光バスで買い物客が来るので有名なファーマシーの裏手である。
オステリアとあるように、ここは気軽なイタリアンレストランだ。通り名が“優雅な”を意味することに対して、あえて“Brutto(優雅ではない)”と言葉遊びを楽しんだのはレストランを経営する3名の従兄弟たち。彼らが目指したのは、20世紀半ば、ニューヨークのリトル・イタリーで伊移民たちが集うような気取りのないカジュアルなタイプの店だ。
ランチタイムにもちょっと一杯!が似合いそうな雰囲気のオステリア・ブリュット。
気の合う仲間たちが囲む食卓に並ぶのは、イタリアのマンマが作るようにシンプルでおいしくて、そしてボリュームもたっぷりの料理だ。シーザーサラダ、ミートボール、ミラノ風仔牛のカツレツ……それらとセレクション豊富な中から選ぶイタリアの自然派ワインで。メニューに並ぶ料理の数は少ないけれど、食材のクオリティにこだわり、季節の素材で調理されている。なおランチタイムは前菜、その日のパスタ、デザートのセットが24ユーロ。
前菜をいろいろとってシェアしてワインバー的にも。左: スモール・シーザーサラダ(9ユーロ) 右: ブラータ&生ハム(16ユーロ)
スカモルツァを詰めたピーマンのフライ(13ユーロ)やミートボール(12ユーロ)、ボンゴレのグラタン(15ユーロ)など豊富なアンティパスタ。
フィレンツェ風のウォッカでフランベしたトマトクリームソースのリガトーニ(18ユーロ)。
左: 黒トリュフのタリオリーニ(32ユーロ)。メインには魚料理と肉料理の2種が。 右: デザート。巨大なティラミス、チーズケーキ、それにアフォガート(写真)など。
インテリアはコンクリートむき出しのラフなスタイル。奥にはイニシャルBが赤いネオンで描かれている。かつてフランス料理店だったという店内の壁を工事に際して剥がしたら、下から壁画が現れたそうだ。ワイン倉に降りてゆくピエロの姿があり、周囲にブドウの葉やつるが描かれて……気のせいか、なんとなくアルコールが似合う雰囲気が店内に満ちている。水曜あるいは金曜の午前中、モンジュ広場の市場を冷やかした後、ここでグラスワインとパスタのランチはどうだろうか?
左: このようにインテリアがおしゃれなレストランが5区に増えつつある。 右: 壁の下から現れたフレスコ画。
15, rue Gracieuse
75005 Paris
営)12:00~14:30、19:00~22:30
休)日、月
https://www.osteria-brutto.com/menu
@osteria.brutto
editing: Mariko Omura