いま再び熱い、 ヴィンテージショップに行こう パリのインフルエンサーのセレクトにおしゃれ好きが注目!
Paris 2023.05.05
古きよきものを愛でる文化に加え、環境問題に対する意識の高まりも相まって、ヴィンテージものの選択肢が増えているパリ。モデルなどのインフルエンサーが自ら立ち上げたオンラインのヴィンテージショップや実店舗に、おしゃれ好きが大注目しています。
審美眼と経験を武器に、デザイナーとしても才能を発揮。
Studio5
ストゥディオ・ファイブ
店舗奥に構えるアトリエで、布地にドライヤーをかけて収縮させたり、テクスチャーを変えたり、実験的に創作を行う。
毒々しいロマンティシズムとパンキッシュスタイルを得意とするマリアは、2016年からインフルエンサーとして注目され、パリコレでカメラマンたちから熱視線を送られるスナップの常連。「フォロワーからどこで服を購入しているか質問されるうち、私の世界観を共有したいとオンラインショップを開設したのがすべての始まり。母と祖母と一緒に服の再利用プロジェクトもスタートし、家族のことも誇りに思います」
取り扱うのはマリアが旅先で出合ったヴィンテージピース。ジョン ガリアーノ、ヴェルサーチェ、ディオールから、ノーブランドまで幅広いラインナップ。
自身のブランド、レ・フルールでは、友人のデザイナーから譲り受けた廃棄布のみを使用。「ファッションは好きだけれど環境に優しくありたい。その両方を叶えるブランドを目指しています」
アート作品の展示販売もしている。
左:レ・フルールのコットンブラウス。「胸元に刺繍とレースをあしらった、フェミニンなアイテム。私だったらバギーパンツと合わせて60年代風にしたり、パンキッシュなレザースカートと合わせて甘辛ミックスで着用したい」。150ユーロ 右:パジャマ風のカジュアルなコットンリネンのケンゾーのボトムス 150ユーロ
左:「メンズライクな着こなしを楽しんでほしい」と言うミュウミュウのレザージャケット 450ユーロ 右:メゾン マルジェラのレザーのフィッシュネットバッグ 400ユーロ
左:透ける素材を使ったクレージュのタートルネックトップ。あえてシアーな素材をレイヤードするのがマリアのおすすめコーディネート。140ユーロ 右:グッチのミドル丈レザースカート。「縁のレーザーカットの装飾が美しい。膝丈のスカートにロングブーツを合わせると今っぽいスタイルに仕上がる」とマリア。190ユーロ
マリア・ベルナード
スペイン東海岸出身。デザインとアートを学び、2017年にスタートさせたオンラインヴィンテージショップ、レ・フルールで廃棄布を使ったサステナブルな自身のブランドを展開。2022年12月、パリ5区にストゥディオ・ファイブをオープン。@maria_bernad
Studio5
5, rue Dante 75005
tel: 非公開
ⓂMAUBERT MUTUALITÉ
営)11:00〜19:00
休) 月〜水
@5tudio5
---fadeinpager---
旅で集めた宝物を詰め込んだ、小さなブロカント。
Meimeilapres
メイメイラプレ
古布を使って手縫いでハットを作るのに夢中という彼女。モデルの仕事はペースダウンさせ、プロジェクト発足のために準備中だ。
雑誌のカバーや広告塔を務め、モデルとして世界を飛び回ってきたマエ。「コロナ禍に入り、仕事も旅行も全部ストップ。念願だったヴィンテージショップを立ち上げるにはいましかない!」と一念発起。その後すぐにテナントを見つけられたという。「ここにあるのは、世界各国で発掘した私の宝物たち。それがほかの人のワードローブの一部になり、自分らしさを表現するアイテムになることが喜びです」
ウィメンズとメンズの洋服、バッグ、シューズ、雑貨を取り扱う。
アイウエアのセレクトも豊富。
80年代風の幾何学模様のドレス 85ユーロ
左:ネックレス 20ユーロ 右:ネックレス 35ユーロ
左:ノーブランドのミュール 70ユーロ 右:モロッコで見つけたオリエンタルなバッグ 60ユーロ
マエ・ラプレ
1992年、パリ生まれ。カナダ人の父と中国人の母を持つ。ルイ・ヴィトンやミュウミュウなどの広告で活躍し、独特のヴィンテージスタイルはストリートスナップでも人気。2021年1月に、小さなブロカントをクリニャンクールのヴェルネゾン地区にオープン。@meimei-lapres
Meimeilapres
allée 7, 122 bis, Marché Vernaison 93400Saint-Ouen
tel: 非公開
ⓂPORTE DE CLIGNANCOURT
営)10:00〜19:00
休)火〜金
@meimei_vintage
---fadeinpager---
新世代に支持される70〜80年代ポップの世界観。
Relique Paris
ルリック・パリ
店内の装飾は70年代のホテルをイメージ。
デジタルネイティブ世代のクララは、幼少期からオンラインでヴィンテージアイテムを探索するのが日常だった。「循環型ファッションを意識し、20歳の頃から新品の洋服は購入していない」と言う。念願だった実店舗は2020年にオープン。「NGO団体から古着を買い付け、地下のアトリエでリメイクしてます。多くの人にヴィンテージを楽しんでもらうため、リーズナブルな価格帯を意識しています」
クララのポップな世界観とマッチする、北欧で買い付けたアンティークのティーセットも販売中。55ユーロ〜
ヴィンテージジュエリーは15〜40ユーロ
非売品のイタリア製のミュール。
左:胸元にレースと小ぶりな花柄の刺繍が施されたコットンドレス 79.90ユーロ 右:ジッパーフライとボタンがレトロなデザインのワイドジーンズ 79.90ユーロ
クララ・ヴィクトリア
ポルトガル系フランス人の26歳。12歳の時にヴィンテージ服を販売するECサイトを立ち上げた。マーケティングを独学で学びながら、24歳にしてルリック・パリをスタートさせ若き実業家に。InstagramとYouTubeを通してヴィンテージ愛を発信中。@claravictorya
Relique Paris
1, rue Notre Dame de Nazareth 75003
tel: 非公開
ⓂTEMPLE
営)11:00〜13:00、14:00〜19:00(木、金) 11:00〜19:00(土)12:00〜18:00(日)
休)月〜水
@relique.paris
●1ユーロ=147円(2023年5月現在)
●日本から電話をかける場合、フランスの国番号33の後、市外局番の最初の0を取ります。フランス国内では掲載表記どおりかけてください。
●各紹介アドレスのデータ部分のⓂは地下鉄の駅、Ⓣはトラムの駅を示しています。
●掲載店の営業時間、定休日、商品・料理・サービスの価格、掲載施設の開館時間や開催時期などは、取材時から変更になる可能性もあります。ご了承ください。
*「フィガロジャポン」2023年5月号より抜粋
photography: Mana Kikuta, Yusuke Kinaka editing: Elie Inoue