もうプーレ・フリと呼ばないで! カラアゲ店「ナカツ」が18区にオープン。
Paris 2023.05.10
「Ravioli Japonais(ラヴィオリ・ジャポネ)」が「ギョーザ」と日本語で、どのレストランでもメニューに載るようになったパリ。「Poulet Frit(プーレ・フリ)」もいまや「カラアゲ」で通用するようになった。この春、そのカラアゲの専門店がパリ18区にオープンしたのだが、その名も「中津」である。漢字の店名に興味を持って入ってくる日本人客もいるそうだが、オーナーは日本人ではなくマチュー・ドゥ・セニューランとシャルル・カニァックという“カラアゲ大好き”フランス人デュオ。カラアゲのメッカである中津市にオマージュを捧げての命名だという。
左: かつてはワインの仕事もしていたというマチュー(左)とレストラン経営者のシャルル。 右: イートイン&テイクアウトのナカツ。photos:(左)Maki Manoukian、(右)Mariko Omura
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メニューのメインはカラアゲ、カラアゲ・バーガー、カラアゲ丼である。それにサイドとしてポテトサラダや和風コールスロー、味付け卵が。どれもパリっ子たちにおなじみの味であるが、この店ならではのカラアゲを求めて彼らはここにやってくるのだ。というのも、試行錯誤で見つけたベストの下味、キューピーマヨネーズを使ったオリジナルソース3種のおいしさももちろんだが、彼らにはなんといってもベースとなる鶏肉へのこだわりがあるのだ。理想の鶏肉を求めたふたりが見つけたのはノルマンディーのペルシュ地方にて。飼育期間80日が通常のところ、彼らが選んだのは120日飼育の地鶏である。牛肉でたとえれば霜降りのように脂がのっていて、しまった肉が柔らかく味が凝縮されているのが特徴。ジューシーな肉をカリッとした衣が包むカラアゲで、バーガーや丼ではなく、これと白いご飯という組み合わせで味わう常連も。ふたりのこだわりは近郊栽培の野菜、近郊製造の飲み物……そしてホームメイドのデザート! ベジタリアンだってカラアゲを味わいたいという人のためには、大きな傘のキノコ“ポルトベロ”のバーガーと丼が用意されている。
左: カラアゲ・バーガー(11ユーロ)。軽いポテト・バンを使用。ソースは味噌タルタル、ジンジャーマヨネーズ、スイート七味マヨネーズの3種からチョイス。 中: カラアゲ(8ユーロ) 。 右: 焼き野菜なども添えられたカラアゲ丼(13.5ユーロ)。photos:Maki Manoukian
左: サイドは各3ユーロ。ポテトサラダ、味付け卵、和風コールスロー。 中: デザート。チーズケーキ(右上)には味噌が使われている。 右: 抹茶とホワイトチョコレートが良コンビネーションのクッキー(4ユーロ)。photos:(左)Mariko Omura、(中・右)Maki Manoukian
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夜は店内の照明も変わり、雰囲気が一転する。ブルゴーニュ生まれの日本酒、パリ産ビール、ナチュールワイン片手の食事を楽しむ人々でちょっとしたカラアゲ居酒屋風に。パリでカラアゲ?というなかれ。“中津詣”をサクレクール寺院やクリニャンクールの蚤の市方面にゆく時にコースに組み込んでみる?
左: カジュアル&モダンな内装の店内。 中、右: 夜はアルコールとカラアゲで。
25, rue Ramey
75018 Paris
営)12:00~14:30、19:00~22:30(火~土) 12:00〜15:30、19:00〜22:30(日)
休)月
www.nakatsu.fr
@nakatsu_paris
editing: Mariko Omura