パリで食べたいオーセンティックが全部見つかるカフェ・コンコルド。
Paris 2023.05.24
「カフェ・コンコルド」という名前だけれど、カフェではなくてブラッスリー。つまりランチが12時に始まると閉店時まで、何時でも食事ができる場所である。これで、すでに高ポイントを獲得しているが、パリのブラッスリーに期待するトラッドな料理をオーダーできるということで、さらにポイントアップだ!
エスカルゴもオニオングラタンスープもメニューに見つけられる食事処はパリにはあちこちにあるだろうと期待するかもしれないけれど、意外にも簡単には見つからない。カフェ・コンコルドは地下鉄最寄駅が12番線のAssemblée Nationale(国民議会)で、駅から地上に出ると目の前にあるという立地で、パリに詳しくない人にも見つけやすいという点もうれしい。
左: 朝8時から営業が始まるカフェ・コンコルド。12時から24時までノンストップで食事ができる。 右: 晴天の日は断然テラス席だけれど、雨降りの日はガラス張りの2階席もおすすめだ。photos:(左)Anoushka Raab、(右)Mariko Omura
最近はスパイス、ハーブを巧みに操り、調理法にもこだわったクリエイティブな料理を提案するレストランが増えているパリなので、シンプルでわかりやすい味のトラッドな料理がときに新鮮に思えたりもする。また、カフェ・コンコルドにはピザもあれば、ハンバーガー、タイ風サラダ、フィッシュ&チップス、そしてベジタリアン料理もあって、世界中からパリに集まる観光客が何かしら自分の気に入る料理が選べるというメニューだ。
ブラッスリー料理の王道を前菜からデザートまで堪能できる。photos:Anoushka Raab
左: 前菜から。アーティチョークの花形フライはギリシャ風にヨーグルトソースで(14ユーロ)。 中: 本日の魚料理といってもご覧のように野菜もたっぷり。 右: フランスの家庭料理でおなじみのロワイヤン・ラビオリのクリームグラタン(20ユーロ)。photos:Mariko Omura
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界隈の住民、場所がら下院の議員たちも集う店で、夕方にはアペリティフタイムも楽しめる。イカフライ、モッツァレラチーズのフライ、ヤギのチーズの春巻き、シャルキュトリーの盛り合わせなどを分け合って、ビール、シャンパン、ワインにカクテル! とりわけこれから来る太陽に恵まれるシーズン、赤いテントの下のテラス席でのアペリティフは快適時間だ。
カクテルとともに、モッツァレラチーズのフライ(12ユーロ)やヤギのチーズの春巻き(12ユーロ)などでアペリティフ。あるいは軽めの夕食というのでも。photos:(左)Anoushka Raab、(右)Mariko Omura
朝8時から開店していて、クロワッサン、タルティーヌ、ビオの卵料理の朝食がとれる。オルセー美術館にゆく朝、ホテルで目覚めた時に窓の外に太陽が輝いていたら、ホテルを抜け出してカフェ・コンコルドでまず朝食を。サンジェルマン大通りに面しているとはいえ、あまり騒音も気にならないので良い一日のスタートができるだろう。
左: 脇道にもテラス席が設けられている。 中: 12時までビオの卵料理を。 右: デザートの豊富なチョイスがあるので、午後のティータイムにも知っておきたい店だ。photos:(左・右)Mariko Omura、(中)Anoushka Raab
なお、カフェ・コンコルドから徒歩1分もしないリル通り121番地に、「Fondation Custodia」というこぢんまりとしたアートスペースがある。18世紀の美しい個人邸宅内、主にオランダのデッサンや版画といった所蔵品を元にアメリカの個人美術館にインスパイアされて生まれた財団だ。ハーグのマウリッツハイス美術館でも展覧会が開催されたが、この財団でも6月17日から「ヤコブス・フレル、フェルメールの謎の先人」と題して、フレルの作品を展示する。カフェ・コンコルドの後、ちょっと寄り道してみては?
editing: Mariko Omura