7区の美食地、知る人ぞ知るル・コントワール・デ・ファーブル。
Paris 2023.06.21
エッフェル塔、グラン・パレ・エフェメール、エコール・ミリテール、ケ・ブランリー美術館などに近いパリ7区の高級住宅地の一角、グロ・カイユゥ。裕福な住民、観光客が行き来する活気あふれるこの地にはレストランが多数並ぶ。そのひとつ、「Le Comptoire des Fables(ル・コントワール・デ・ファーブル)」に行ってみよう。ちゃんとした食事にもいいし、夜はカクテルも充実していてタパス・バー的に呑んべえも楽しめる店である。日曜日も営業しているというのもありがたい。
左: レストランが軒を連ねるサン・ドミニク通りの112番地。ボスケ大通りとラップ大通りの間にある。 右: シェフのギヨーム・ドゥエック。photos:(左)Mariko Omura、(右)Le Comptoir des Fables
オーナーのダヴィッド・ボトローはかつてクリスチャン・コンスタンのレストランだったヴィオロン・ダングルのシェフを務め、その後魚介専門のファーブル・ドゥ・ラ・フォンテーヌを開いてミシュラン1ツ星を獲得している。その彼がビストロノミーの店として開いたのが、このル・コントワール・デ・ファーブルで、料理はガストロノミー経由の若きシェフのギヨーム・ドゥエックに任された。
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ギヨームは味わいも素材も調理法も国境なしの料理を提案する。メニューを開くと、少々戸惑うかもしれない。前菜にズッキーニのアクラ、アボカドトースト、メインにはヴィッテロ・トンナート、グリルラムのピタパンサンド、車海老の天ぷら……。ル・コントワール・デ・ファーブルの食事はこのメニューに驚き、おもしろがるところから始まるのだ。シェフはいろいろな国の料理からインスピレーションを得ていて、その中にはもちろん日本も含まれている。たとえば、前菜のサーモンの炙り。添えのインゲンはゴマ和えだ。タラの味噌焼きもあれば、その付け合わせにはモヤシとそばのサラダというように。個性的な料理はどれも厳選された素材で火加減はパーフェクト。デザートもなかなか凝っていて、チョコレートクランブルと黒ごまのアイスクリームにキンカンのコンフィが隠れていたりする。
レストランはL字型の空間で、サン・ドミニク通りから入った最初の空間を占めるのは、大きなカウンター。カクテル自慢のバー・レストランといった雰囲気だ。セディヨ通り側にはテラス席もあり、ここは夏の宵のおすすめだ。なおランチタイムのセットは2皿19ユーロ、3皿29ユーロ。ディナーは3皿39ユーロ。料理はアラカルトの一部から選ぶ。
左: 手前はハラペーニョがピリッと辛みを添える鯛のセヴィーチェ。さっぱり味とクルトンの食感が印象的だ。奥はサーモンの炙り。パンはプジョランから。 右: メインから。タラの味噌焼き。photos:Mariko Omura
左: アプリコットの酸味が隠し味のポワ・グルモンのリゾット。 右: 食卓で焼き上げるタコの半身のグリル。赤ピーマンのソースとともに。これはシェフのおすすめの一品だ。photos:Mariko Omura
ワインは100種近いセレクションを揃え、また19時から23時まで、ミクロソーグのロマン・カルヴォがクリエイトしたカクテルを味わえる。photos:Le Comtoir des Fables
112, rue Saint Dominique
75007 Paris
営)12:00~14:15、19:00~22:15
無休
https://menuonline.fr/comptoirdesfables
editing: Mariko Omura