アルダンの炭火焼きで、肉や魚介の旨味をとことん味わおう。
Paris 2023.09.16
この1年くらい前からパリに登場し始めた炭火焼き専門レストラン。その中で手頃な価格で美味しく味わえるのは10区リシェ通りの「Ardent(アルダン)」だろう。レストランや食関連の店が立ち並ぶリシェ通りには若いグループに人気のレストランが2軒ある。1軒はアルチュール・ルコントによる47番地の肉料理の「Bien Elevé(ビアン・エルヴェ)」、もう1軒はシャルル・ニキティによる3番地のビストロノミー・レストランの「L’Office(ロフィス)」で、このふたりのオーナーが一緒にオープンしたのが40番地のアルダンなのだ。
アルゼンチンの炭がキッチンで燃える! 平日のランチタイムは前菜+メイン+デザートで25ユーロとお値打ちだ。photo:Geraldine Martens
リシェ通りとソールニエ通りのコーナーを占めるアルダン。photo:Geraldine Martens
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炭火焼きのスペースが大きく占めるキッチンがガラス越しに店内の食事客から見える……という予定で窓が設けられたのだけれど、ガラスの模様が邪魔して見えないのがちょっと残念。でも、調理現場が見えなくても、肝心なのはテーブルに運ばれる料理だろう。メニューの肉(チキン、ポーク、ビーフ、羊)、魚介、野菜、さらにデザートの果物までもアルダンでは炭火焼きである。したがって素材の良さがおおいにモノを言う。たとえば肉でいえば、ノルマンディーからもあればパリ近郊からもというようにベストを厳選しているのだ。
今年の5月、L’Officeで5年シェフを務めたシャルレ・ブルヴァールがアルダンのシェフに。彼は過去にさまざまなタイプのレストランの厨房経験があり、このアルダンでも前菜やメインでクリエイティブな料理をメニューに加え、またシンプルな炭火焼きの肉や魚にもしても、シェフならではの腕を振るった季節の野菜を添えている。ベジタリアンもこの調理法を味わえるようにと、前菜にもメインにも野菜料理が。直火焼きだけでなく、スモークにも炭火を活用するシェフ。一度では味わきれない魅惑のメニューだ。アルダンには何度も通わなくては!
トマト・タラマとピタパン。photo:Mariko Omura
前菜からレンズ豆とウナギのサラダにスモーク・サバイヨンソース。photo:Mathieu Pellerin
ベジタリアンを喜ばせるメインは、きのこのピッツェッタ。ベジアリアンでなくてももちろんオーダー可能だ。photo:Mathieu Pellerin
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ナントのウナギ。photo:Mathieu Pellerin
仔牛、豚(写真)、スズキ、ロブスターといった素材から選ぶメインは、ひとりではなくふたり以上で。たとえば骨つき豚肉はふたりで500グラムから(100グラム10ユーロ)。添え野菜をのせた取り皿(写真下)が各人に配られる。photos:Mariko Omura
アルダンでは飲み物リストも要チェック。ワインリストにはソムリエのオリヴィエ・ドプクが選んだイタリアを含む150のワインが。ビールではグラン・パリで醸造されるトーストしたパンとスモークモルトの香りのビール“smoke on the water”が気になる味だ。
ひとり客からグループ客まで対応できるテーブルと椅子の配置だ。レストラン内は炭火焼きの煙が残らない素材が用いられている。photo:Geraldine Martens
40, rue Richer
75009 Paris
営)12:00~14:30、19:00~22:30
休)日
www.restaurant-ardentparis.com
@ardent_paris
editing: Mariko Omura