エスカルゴもオニオン・グラタンも。定番仏料理のル・ミネ・ガラン。
Paris 2023.12.26
まるでフランス映画のワンシーンに飛び込んだみたい! そんな気にさせるのは2区のネオビストロ、「Le Minet Galant(ル・ミネ・ガラン)」だ。客たちのおしゃべりがわいわいがやがやと響き、テーブルとテーブルの合間を縫ってお皿を両手に抱えたボーイたちがサービスし......。ジェローム・ジュスランとアドリアン・ブリオという共同オーナーに代わってはや3年だが、この雰囲気は相変わらずだ。
丸いランプが昔のビストロの雰囲気を作り上げるル・ミネ・ガランは2フロアからなるレストラン。前菜9.50ユーロ〜、メイン18.50ユーロ〜、デサート11ユーロ〜。©️rochdebache
ル・ミネ・ガランのメニューを開くと、ベーコンチーズバーガーはさておいて、前菜にはエスカルゴ、ウフ・マヨ、ラルドン入りサラダ、フリゼのサラダ、オニオングラタンスープ、そしてメインはビーフのタルタル、鴨のコンフィ、ブランケット・ドゥ・ヴォー、デザートはイル・フロタント、リ・オ・レというようにフレンチクラシックのパレードである。
オーナーのおじいさんのレシピによるテリーヌ・ドゥ・カンパーニュは11ユーロ。photo:Mariko Omura
コルベール風スズキのグリビッシュ・ソース、インゲン添え(31ユーロ)。中骨を外した魚にパン粉をつけてフライに。photo:Mariko Omura
シーズンによってはフランスの伝統料理のひとつ、カエルのもも肉も。photo:Rochdebache
寒い季節のフランス料理の定番、ブランケット・ドゥ・ヴォーはジロルがたっぷり。30ユーロ。photo:Mariko Omura
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オーナーのジェローム・ジュスランは、パパが7区にシャルキュトリー&ケータリングの店を経営していたことからホームメイドにおおいなるこだわりを持っている。というわけで、ル・ミネ・ガランでもデザートにいたるまでホームメイドだ。ちなみに前菜の"パパ・ジュスランの緑胡椒のテリーヌ・ドゥ・カンパーニュ"(11ユーロ)はジェロームのおじいさんのレシピでいまも作られているそうで、フォワ・ド・ヴォーのバランスがよく臭みを感じさせないのでテリーヌファンでなくてもおいしくいただける。フランスの伝統料理を食べるなら、やはりお供はワインだろう。ワインリストに並ぶのはフランス産の小さな生産者からの厳選だ。グラスワイン(8ユーロ~)のセレクションがとても豊富なのがうれしい。パリ滞在の初日の食事はル・ミネ・ガランで? フランスの雰囲気にあっと言う間に浸ることができそうだ。
エスカルゴ(6個/13ユーロ、9個/19ユーロ、12個/25ユーロ)にグラスワイン。パリ1日目の食事にぴったりでは?
共同経営者のジェローム・ジュスラン(左)とアドリアン・ブリオ。©️rochebache
レストランは劇場のThéatre des Bouffes Parisiensの近くにあり、かつてはLe Petit Colbertという店名だったのをジェロームはル・ミネ・ガランに変更した。これはボードヴィル作家ジョルジュ・フェドーの1907年の作品『耳に蚤』に由来する。夫がホテル・ミネ・ガランで浮気をしている!と妻が思い込むという作品の中に出てくる架空のホテル名で、"la puces à l'oreille(耳に蚤)"というのは、何かを疑うという意味だ。ちなみに喉が詰まったり声がしゃがれた時には"chat dans lagorge(喉に猫)"、足がしびれた時は"fourmis dans les jambes(脚に蟻)"!
8, rue Montsigny 75002 Paris
営)12:00~14:30、18:30~22:30
休)土ランチ、日、月
www.leminetgalant.com
editing: Mariko Omura