マレの画廊でギエムやヌレエフ......ダンサーたちの珍しい写真展。
Paris 2024.04.15
バレエファンにおすすめの写真展『Corps et Ame(身体と心)』がLa Galerie d'Instant(ラ・ギャラリー・ダンスタン)で7月3日まで開催されている。ギャラリーなので、気に入った写真があれば購入も可能。価格帯は広く、なかには一点ものの貴重なヴィンテージプリントも。期間中、パリに来る機会があればぜひギャラリーに足を向けてみよう。
オープニングパーティのインビテーションカード。時計回りにシルヴィ・ギエムのセルフポートレート(1999年)、脚/シルヴィ・ギエムのセルフポートレート(1999年)、ルドルフ・ヌレエフ (1962年、Cecil Beaton撮影)、チュチュにアイロンをかけるテッサ・ボーモン(1969年、François Gragnon撮影)、シルヴィ・ギエムの足(1989年、GillesTapie撮影)。
オープニングパーティに集まったユーゴ・マルシャン、シルヴィ・ギエム、テッサ・ボーモン、ジル・タピ。©️La Galerie de l'Instant
展示されている約50点の写真のなかでも、多く展示されているダンサーはシルヴィ・ギエム。写真家で夫のジル・タピだからこそ捉えられた瞬間、表情の写真がこうして集められているのは珍しいのではないだろうか。なお彼女の写真については、裸で飛び上がる有名なセルフポートレートも展示されている。4月4日に行われたオープニングパーティにはシルヴィ・ギエムやジル・タピも出席。さらにパリ・オペラ座からは『ドン・キホーテ』のリハーサルを終えて、ユーゴ・マルシャンがギャラリーに姿を現した。彼の写真もここに展示されていて、これはオペラ座のプログラム写真でもおなじみのアン・レイによる作品である。
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写真展を企画したのはギャラリー創設者であるジュリア・グラニョン。ダンサーだったテッサ・ボーモンを母に持つ彼女は、ママのお腹にいる時から舞台を経験し、子ども時代をバレエスタジオや舞台裏を過ごして、とダンスの世界で育っている。展示のなかには、雑誌パリ・マッチのカメラマンだった父フランソワ・グラニョンが撮影したテッサの写真も。自然と培われた身体、動き、表現......ダンスの美しさに対する研ぎ澄まされた感覚をもとにジュリアが会場に集めた写真の数々。ギエムに次いで多く見られるのはルドルフ・ヌレエフだ。
アラン・ドロンと腕を組むオフショットもあれば、ドミニク・カルフーニとの『バラの精』やマーゴ・フォンテインとの『白鳥の湖』のステージ写真、ジジ・ジャンメールとイヴ・サンローランとともに『牧神の午後』のコスチュームを着て......などさまざまな彼の表情が楽しめる。ステージ、リハーサル、舞台裏などの写真がメインだが、たとえばアニー・リーボヴィッツが1990年に撮影したミカエル・バリシニコフのように構図を決めて撮影されたものも含まれていている。ジョセフィン・ベーカー、マーサ・グレアムといった懐かしい顔もあれば、ドロテ・ジルベールやニコラ・ル・リッシュといった最近のダンサーの写真もあり、バレエファンはギャラリーで豊かな時間を過ごせるだろう。
左: ロンドンのSadler's Wellsの楽屋のシルヴィ・ギエム。Gilles Tapie, 1998年/ La Galerie de l'Instant。右: ブエノスアイレスにて。『眠れる森の美女』のシルヴィ・ギエム。Gilles Tqpie、1995年/ La Galerie d'Instant
来日公演の楽屋にて、シルヴィ・ギエム。Gilles Tapie, 1991年/ La Galerie d'Instant
左は『ボレロ』を踊るジョルジュ・ドン、右は『白鳥の湖』のルドルフ・ヌレエフとシルヴィ・ギエム。/ La Galerie de l'Instant
「corps et âme」展
開催中~7月3日
La Galerie de l'instant 46, rue de Poitou 75003 Paris
開)11:00〜19:00(火~土)、14:30〜18:30(日)
休)月
www.lagaleriedelinstant.com
editing: Mariko Omura