ミシュランキーが旅を変える。旅の目的地は泊まりたいホテル!
Paris 2024.04.20
ミシュランガイドは4月8日、新しいホテルの評価基準となる"Michelin Key(ミシュランキー)"を得たフランスの189のホテルを発表した。レストランの評価が星で示されるように、ホテルについては鍵がその価値を示すのだ。星同様に表現するのであれば1ツ鍵、2ツ鍵、3ツ鍵といえばいいのだろうか? 数年がかりのプロジェクトだったそうで、今後アメリカ、スペイン、日本などのホテルについても発表されるというからなんともスリリング! 鍵付きホテルについては、ミシュランのサイトで予約ができる。
レストランLes Ombresにて、ミシュランガイドのインターナショナルディレクター、グウェンダル・プレネックがミシュランキーを得たフランス国内189軒のホテルと鍵マークを発表した。photos: Mariko Omura
格別な滞在ができるホテルとして、その評価は次の5つの基準に基づいている。
1. ホテル自体が旅の目的地であり、その土地ならではの体験ができる 。
2. 素晴らしい建築とインテリアデザイン 。
3. 施設の個性やユニークな特徴を反映した独自性がある。
4. サービスの質、快適性、メンテナンスが行き届いている。
5. 価格に見合った体験ができる。
フランス国内で1キーを得たホテルは127軒。そのうちパリの22軒は、いずれも1~10区の中心地に所在するホテルだ。そのなかには本誌のパリ特集でも紹介されているMaison Proust(メゾン・プルースト)、La Fantaisie(ラ・ファンタジー)も含まれている。2キーを得たのは38軒で、パリはクリヨン、ブルガリ ホテル パリ、シャングリ・ラ パリ、ル ロイヤル モンソーなど8ホテル。こうした高級ホテルが2ツ鍵なら、いったいパリの3ツ鍵ホテルはどこだろうと気になるのでは?
最上階のルーフトップ バー(写真左)、地下のスパHolidermie(写真右)、そしてホテルの奥に隠された大きな庭の楽しみが待つLa Fantaisie(ラ・ファンタジー/ 24, rue Cadet 75002 Paris)。photos: Mariko Omura
ラ・ファンタジーと同様にマーティン・ブロドニツキーがインテリアを手がけたLe Grand Mazarin(ル・グラン・マザラン/ 17, rue de la Verrière 75004 Paris)もミシュランキーを1つ得た。photos: Vincent Leroux
ミシュランキーを1つ得たパリの22軒の中のひとつ、スパ・ホテルのChâteau des Fleurs(シャトー・デ・フルール/19, rue Vernet 75008 Paris)。©️Mrtripper
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3キーホテルはフランス国内で24軒とぐっと少なくなるが、パリは1/3以上を占める9軒である。シュヴァル・ブラン・パリ、フォーシーズンズホテル・ジョルジュサンク、リッツ パリなど、1区と8区のホテルのなかに16区のセント ジェームス パリが混じっている。ここには1つ星レストランのBellefeuilleがあり、最近新しくグレゴリー・ガリンベイをシェフに、コリーヌ・ドゥサンをシェフ・パティシエールに迎えたという話題がある。ブーローニュの森に近い16区とパリの中心部から離れているホテルだが、素晴らしい広い敷地。かつての個人邸宅がホテルとなり、5000平米もある緑あふれる庭に立っている。シャクナゲやクレマチスなどが咲き誇る中を散歩!というパリらしからぬ、のどかな時間が過ごせる。まさにホテルそのものが旅の目的地となり、格別な滞在ができる。パリに行ったらセント ジェームス パリに泊まるというのではなく、セント ジェームス パリに泊まりたいからパリに行くというように、ミシュランキーは新しい旅の方法へと人々を導くのだ。
St.James Paris(セント ジェームス パリ/ 5, place du Chancelier Adenauer 75116 Paris)。客室の快適さはもちろん、レセプションの豪華さ、朝食の味覚などなにもかもがハイクオリティ。
セント ジェームス パリ。庭に面したペルゴラでティータイム?
パリからどこかフランス国内を旅したい、と思ったら、これからは土地名ではなく泊まりたいホテルで行き先を決めてみよう。3つに限らず、1つでも2つでもミシュランキーを得たホテルなら試す価値はある。たとえば1つ鍵ホテルの中のDomaine de Primard(ドメーヌ・ドゥ・プリマール)。ここはかつてカトリーヌ・ドヌーヴのカントリーハウスで、彼女が週末やオフタイムを過ごす場所だった。それゆえにパリから車で1時間30分、サン・ラザール駅から列車で約2時間とさほど遠くない。緑に囲まれた18世紀の瀟洒な建物でのんびりと過ごす姿を想像してみては? 2ツ鍵ホテルなら、海辺町のおいしいホテルであるChâteau Richeux-Les Maisons de Bricourt(シャトー・リシュー レ・メゾン・ドゥ・ブリクール)はどうだろうか。3つ鍵ホテルなら、プロヴァンス地方のワイン畑とコンテンポラリーアートに囲まれたVilla La Coste(ヴィラ・ラ・コスト)。これらのようにメディアが取り上げることの多いホテルを選ぶのもいいし、ミシュランキーを得たホテルのリストを眺め、サイトでチェックして発見するのも良い。泊まりたいホテルが見つかったら、さあ旅に出よう!!
Michelin
www.michelin.com
@michelinnews
editing: Mariko Omura