いらっしゃいの地下1階、仏人好みの和食をビーワンで。
Paris 2024.05.29
昨年、ラ・ブルス・ドゥ・コメルスのすぐ近くにオープンした日本食材店のiRASSHAi(いらっしゃい)。1階には軽食のShokudo(食堂)、カフェのKissaten(喫茶店)、バーのSAKABA(酒場)がある。そして最近、Biwan(ビーワン)が幸前光紀シェフを迎えて本格的に和食ビストロノミーレストランとして営業を開始した。日本通のフランス人客なら、このレストランの名前に足は自然とB1(地下1階)へと向かうことだろう。地下は上のフロアより洗練された雰囲気でまとめられている。広いキッチンを前にしたカウンター席、テーブル席、そして個室は座敷スタイル。ここは座卓の下に足が伸ばせるよう、一段高い場所に設けられているのでフランス人にも問題なし。
いらっしゃいの地下1階のレストラン、ビーワン。ここは本当にパリ? photo: @clémencesahuc
左: 掘りごたつスタイルの個室。右: 幸前シェフは、16区の和食レストランKURAからビーワンへ。photo: @clémencesahuc
現在はディナー営業で、5段階のデュギュスタシオンメニュー(55ユーロ〜)のみ。幸前シェフは長年培った懐石料理の腕前を活用しつつ、フランス人が好む日本の家庭料理もメニューに取り入れた。繊細な仕事が隠された料理にフランス人は見て、味わって、喜んで! デザートはフランス人パティシエが和の味をフランスの伝統的なデザートに取り入れていて、これも魅力的。飲み物は柚子や梅酒などのアペリティフが種類豊富で、これらはいらっしゃいでも販売している。また日本酒はクラシックなタイプだけでなく、"モダンな酒"というカテゴリーがあって、ここには「淡雪スパークリング」、「奇跡のお酒」などがメニューに並ぶ。もちろんワインリストも充実している。パリでは居酒屋的和食レストランは増え続けていても、正当派日本料理を求めると昔からのあまりモダンではないレストランに行くしかないので、ビーワンはおしゃれなパリっ子にとって貴重な存在だ。
左: メニューに含まれていないアミューズ3品からスタート。黒米と鴨肉の組み合わせ、卵焼きの上の綺麗なバジリコジュレ、ハイビスカスの花のエンジ色......シェフの腕前に食事客の目と舌が目覚める。右: メニューの1品目は胡麻豆腐。とてもクリーミー! ソースは香ばしい醤油味だ。photos: (左)Mariko Omura (右)@clémencesahuc
左: お任せメニューの2品目はアスパラ黄身酢かけ。添えられる人参と青海苔のカステラは、微かな甘みで絶品だ。右: 刺身の盛り合わせ(5種13ピース)はオプションでプラス20ユーロ。photos:(左)Mariko Omura (右)@clémencesahuc
メインは3品からチョイス。牛肉の炭火焼(写真左はフランス牛。和牛は20ユーロプラス)か銀ダラの西京焼き、または天ぷらの盛り合わせ。photo: @clémencesahuc
左: 次は焼きお握り茶づけ(後方)か讃岐うどんのチョイス。天ぷらをメインに選び、このうどんに乗せてせてみるのもいいかも......。右: デザートは抹茶アイスクリームパフェ(写真右)、味噌シュークリーム、ミルフィーユ仕立ての3品からのチョイスだ。
BIWAN/ iRASSHAi
40, rue du Louvre 75001 Parris
営)19:00~21:45L.O.
休)日、月
https://irasshai.co/pages/biwan-la-table
editing: Mariko Omura