パリらしさをぎっしり詰めたオテル・パダムとレストラン。

Paris 2024.07.23

パリ16区にフランスの有名な劇作家ジャン・ジロドゥの名を付けた通りがある。モンソー大通りからちょっと入ったところで、イヴ・サンローラン美術館やジョルジュV通りから遠くない。高級住宅地らしく美しい建築物が並ぶその静かな通りに34室のこぢんまりした4ツ星ブティックホテルのHôtel Padam(オテル・パダム)がある。レンガの外壁がパリらしくなくユニークな建物だ。地上階にはビストロ風レストランEdith(エディット)があり、ホテルなので日曜も営業している便利な存在。ここは一度宿泊すると、自分だけの秘密の宿にしておきたくなる素敵なホテルだ。客室内はパリのホテルには珍しくフローリング。カーペットを敷いた床が苦手な客たちにとっては、要マークのホテルでは?

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かつては住宅だったというパリには珍しいレンガの建物がオテル・パダム。初夏から初秋は地上階のレストランEdithのテラス席がホテル前に設けられる。photography: Christophe Bielsa

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エントランス。レストランEdithは右へ、ホテルのフロントは左へ。photography: Christoph Bielsa

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ゆったりとした肘掛け椅子が優雅な寛ぎを演出するホテルのロビーフロア。photography: Christophe Bielsa

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最上階から丸い乳白ガラスのランプが下がる吹き抜け。グラフィックなカーペット、鉄の手すり、2脚置かれた白い椅子がリズムを成している。photography: Mariko Omura

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レストラン名のエディットの由来はエディット・ピアフだと想像がつきやすいが、さてパダムとは? これは彼女が"パダム、パダム、パダム......♪"と歌ったヒット曲『Padam Padam』からだ。ピアフが晩年10年を暮らしたのが16区であり、また歌手としてのデビューも実は16区のキャバレーだった。彼女にオマージュを捧げるホテルで、レトロタッチとエレガンスが漂っている。アール・デコ風に全体をまとめ、クリニャンクールなどの蚤の市で掘り出した椅子やランプなどがアクセントに。部屋ごとに異なるモチーフのベッドのヘッドボードはどれもとてもチャーミングだ。小さいホテルながら3階にはハマムがあり、2階にはフィットネスルームが。ここにはボクシングのサンドバッグが備えられて、希望すればコーチを予約できるそうだ。この機会にチャレンジしてみるのもおもしろいだろう。

環境を尊重するホテルとして、ゼロプラスチックを実践。水など飲み物はすべてガラスのボトル入りだ。そしてタオル交換を含めて部屋の清掃を希望しない客の数だけ、ホテルのパートナーである協会Hotels for treesを介して植林がなされる。ホテルの開設以来、すでに9万本が植林されたという。

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スイートルーム3つを含む合計34室のホテル。料金(2024年オフシーズン)は250ユーロ〜。photography: Christophe Bielsa

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ベッドのカラフルなヘッドボードはピエール・フレイ社のファブリック。photography: Christophe Bielsa

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大理石が印象的なバスルーム。ホテルにはバスタブ付きの部屋もある。アメニティはAnne Semonin。イチジクの香りのルームフレグランスはBycaだ。どちらも自然素材を用いるフランスブランドである。photography: Christophe Bielsa

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左はフィットネスルーム、右はハマム。あたためる時間が必要なので予約は1時間前に。photography: Christophe Bielsa

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レストランは16区の高級住宅地の住民やオフィスで働く人々が食事に来る。若い世代が集まるマレやバスチーユといった地区の客とは異なり、カジュアルだけど落ち着いた雰囲気だ。ホテルのレストランなので朝食も取れ、また日曜も営業しているので覚えておくと良さそうだ。ビュッフェスタイルの朝食(25ユーロ)は通常のパンやマフィンなどに加えて、自分で作るアボカドトーストやバナナブレッドなど内容もなかなか豊か。近隣の生産者たちから取り寄せる季節の食材から生まれるランチメニューは選択肢は少ないけれど、どれもおいしくいただける。たとえばイヴ・サンローラン美術館からそう遠くないので、展覧会の後に寄ってみるのもいいだろう。15時から18時はティータイム。これはレストランではなく、ゆったりとしたホテルのロビーにて。17時から20時はハッピーアワー! なお8月11日まではディナーと週末のランチの営業はなく、8月12日から25日はランチタイムもクローズとなる。8月26日からはランチもディナーも通常営業に戻る。

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レストランのEdith。

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ビュッフェ朝食。自分で組み合わせるアボカドトーストが人気だ。

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前菜のトマト料理。ランチは前菜+メインまたはメイン+デザートで32ユーロ。前菜+メイン+デザートで39ユーロ。

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メインは季節の魚、羊のロースト、ビーフ・タルタル、ビーツのタルタルなど。

Hôtel Padam
9, rue Jean Giraudoux Paris 16e

Restaurant Edith
営)7:00~10:00(週末は7:00〜10:30) 12:00~14:30 19:00〜22:30
休)なし  ※2024年8月12日〜8月25日は夏季休暇
https://en.padam-hotel.com/
@padamehotel
@edithrestaurant

editing: Mariko Omura

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