パリでTinderを使って、オリンピック選手とマッチング!?
Paris 2024.08.12
筋肉隆々で腹筋が割れているスポーツ選手とデートできるチャンスが目の前に降ってきたら、あなたはどうする?いずれにせよ、Tinderなどのマッチング・アプリの一部ユーザーは、そうした出会いを期待して、費用をかけてでも選手村周辺に自分の位置情報を置く。
「その人とは突然、マッチングした」と語るのはアメリカ人インフルエンサーのソフィア・エリザベスだ。パリに滞在する自国オリンピック選手とのいきさつを話す彼女の動画は1,600万回以上再生された。選手の名前も種目も明かされていないが、試合前夜にふたりは交流し、選手は翌日の試合に勝ったそうだ。「自分の未来の子どもたちのためにそうすべきだと思ったの。未来のオリンピック選手は突然降って湧くわけでではないもの」とソフィアは冗談混じりに語った。
@sofiaelizabethsbackup Heyyyy #olympics @Hunter Armstrong @Hinge original sound - Sofia Elizabeth
マッチング・アプリの一部ユーザーはソフィア同様、パリ北近郊のサンドニに仮想ロケーションを置き、気晴らしを求めるスポーツ選手とのマッチングを狙っている。ソフィア・エリザべエスは後に、この機能を無料で提供しているHingeアプリを使用したと明かした。一方、TinderやBumbleといったアプリはこの機能を有料会員に限定している。
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妄想が暴走
アメリカのユーザーに課金を促そうと、Tinderは世界中好きな場所に自分の位置情報を置ける"Passport(パスポート)"機能をPRしている。アメリカのニュースサイト「マッシャブル」によれば、Tinderはスポーツ選手の写真を使ってプロ選手とのマッチングを匂わせているそうだ。こうしてSNSでは妄想が暴走する。とりわけスポーツ選手の見事な体格に誰もが感嘆するオリンピック開催時期に、選手との一夜や結婚を夢見る人が続出しても不思議ではない。
「選手村でTinderを使って夫を見つけ、アメリカから引っ越したい」とX(旧ツイッター)に書き込んだ女性ユーザーもいた。TikTokには上気した顔のセルフィー動画が延々と並ぶ。選手側にも、やや期待はあるようだ。ブラジルの水泳選手、ニコラス・アルビエロはセルフィー動画を撮りながら歩き回り、「選手村にはなぜ、誰もがことごとくかっこいいんだろう。っていうのは冗談だけど、目がキョロキョロしちゃうのは止めようもない」と投稿した。
@nickalbiero this is a joke. but i cant help if my eyes are wanderin #olympics #paris #paris2024 son original
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現実は違う
7月初めからマッチング・アプリがオリンピックで盛り上がっていることは数字でも明らかだ。Bumbleの広報担当は米「ピープル」誌に対し、位置情報をパリにする人やプロフィールにオリンピックのワードを入れる人が増えたことを認めた。同様にTinderでも、ここ数週間でスワイプ数が20%増加し、パスポート機能の利用が3%増加、さらにパリに位置するユーザーのプロフィールで職業として「オリンピック選手」または「アスリート」と記載する数が、それぞれ52%と43%、急増した。
ただ、人々の期待とは裏腹に、現実はそう甘くないようだ。多くのユーザーがTinderやBumble、Hingeに表示されるアスリートがほとんどいないことに気づいて失望したと語っている。「パリの選手村近くに位置情報を置いてみたけれど、表示されるのはフランス人ばかり。優勝選手なんて出てこない」とある女性ユーザーはXでつぶやき、別なユーザーも「オリンピック選手を見つけたい人ばかりが出てくる」とがっかりしていた。
@happydelly Olympic Village Tinder #olympics #olympicvillage #Paris2024 #tinder original sound - Delly
ボート競技選手のエミリー・デルマンは何年かぶりにTinderを再インストールしてみたものの、パリ滞在を情熱的に過ごす期待はすぐに消えた。「これまでオリンピック選手とマッチングしたのは2人だけ。でも誤解しないで。パリの男性はとてもかっこいいわ。どんな水を飲んだらあんなふうになれるのかしら」と冗談混じりに語るとこう続けた。「もっと娯楽が必要だと思うのよね。だから私もTikTokをやっているわけ」
text : Sofiane Zaizoune (madame.lefigaro.fr)