ヴィンテージコレクションも気になる。クリストフルの伝統と革新。

Paris 2025.01.31

パリの装飾美術館で4月20日まで『Christofle Une Brillante Histoire(クリストフル、華麗なる物語)』展が開催されている。創業を1830年に遡るフランスを代表するシルバースミスであるクリストフル。展覧会については別の機会に語ることにして、ここではマチアス・キスによる新作とヴィンテージコレクションを紹介しよう。

時代を超えて輝くヴィンテージコレクション

200年の歴史を持つクリストフルに"コレクション・ヴィンテージ・クリストフル"が2年半前に誕生した。蚤の市やブロカントなどでクリストフルのヴィンテージと称して販売されている品を掘り出すのも楽しみだけれど、それ以上に希少なクリストフルの品がこのコレクションによって入手できるようになったのである。"メゾンが愛をもって厳選し、情熱を込めて修復"とうたうコレクションである。古い品を現代に蘇らせることはメゾンの品の素晴らしいクオリティと時代の超越の証明であり、卓越の品を永続させることになり、また循環型で責任ある経済モデルへの取り組みの表明ともなることだ。

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カトラリーはもちろん、クリストフルのヴィンテージコレクションのアイテムはとても豊富だ。詳細は公式サイトにて。https://www.christofle.com/eu_fr/vintage-christofle

メゾンの品を愛する人々が所有する過去の品からヴィンテージコレクションに選ばれるのは、現在生産されていないデザインに限られている。熟練のサヴォワールフェールを誇るアトリエが修復を施すことで、職人の手に託された品々は歴史を保ちつつも見事な輝きを取り戻すのだ。どんなクリストフルの名品がこのヴィンテージコレクションに見つけられるだろうか。いまでは入手不可能の、たとえばアールヌーヴォー期の典型的なコレクション「Delafosse」だったり、ノルマンディー号のような豪華客船で用いられたコレクション「Atlas」だったり......。アイテムはナイフレスト、シャンパンバケツ、エッグスタンド。何に出合えるかは、ほぼ一点ものゆえタイミングに掛かっている。運が良ければ、装飾美術館の展覧会で展示されている野菜の花器のひとつ"トウモロコシ"も! 販売はパリのロワイヤル通り本店、サントノーレ店、そしてクリストフルのオフィシャルサイトにて(オンラインでの販売はヨーロッパ圏内のみ対応)。どの品もヴィンテージコレクション用の特製グリーンボックスに納められて販売される。

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ナイフレスト「Marie-Antoinette」は6点セットで325ユーロ。動物シリーズは猫やウサギなどさまざまだ。商品は入れ替わりがあるのでこまめにヴィンテージコレクションの内容チェックをhttps://www.christofle.com/eu_fr/vintage.htmlにて。

マティアス・キスによる革新的新作

過去にジオ・ポンティ、アンドレ・プットマンなど世界的に名声を得ているデザイナーとコラボレーションを行っているクリストフル。新年早々に発表された新しいコレクションはアーティスト&デザイナーのマティアス・キスによる「Perspectives(ペルスペクティヴ)」だ。彼の仕事の特徴のひとつである額縁の断片のように見えるフリーズを組み合わせたキャンドルスタンドや燭台などコンテンポラリーな6点のコレクション。素材は意外にもシルバーではなくアルミニウムなのだが、それがクリストフルのサヴォワールフェールによって、銀の風格と重厚感を醸し出している。

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コレクション「ペルスペクティヴ」より。最もシンプルなキャンドルスタンド。高さは4.5cm。
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6点のコレクションの内容は、上記のキャンドルスタンド、Cを描くシンメトリーな2つのキャンドルスタンド(高さ10.5cm)、2本のキャンドルが立てられる蛇腹状フリーズ(高さ18cm)、キャンドル3本用の燭台(高さ28.5cm)、アルミ台に置かれた面取りガラスの花瓶(高さ28.5cm)、50点限定のキャンドル5本用の燭台。

Christofle Paris Royale
9, rue Royale
75008 Paris
営)10:30〜19:00(月、水〜土) 10:30〜18:00(火) 11:00〜19:00(日)
無休
https://www.christofle.com/eu_en/ (欧州内から利用の場合)
https://www.christofle.com/ja_jp/ (日本から利用の場合)

editing: Mariko Omura

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