パリジェンヌが愛する国。ギリシャ料理のレストランとエピスリーがパリ2区にオープン。

Paris 2025.04.15

パリ2区から3区に続くRéaumur(レオミュール)通りは19世紀が終わろうというときに貫通した通り。20世紀初頭の建築家たちが当時の新素材である鉄やコンクリートを用いて腕を振るう建築物が、通りに並ぶことになった。その82番地から96番地を占めていたのはA Réaumur(ア・レオミュール)という1961年まで営業をつづけていたデパートだ。

いまも残るこの建物の地上階に3月にオープンしたのは、Ypseli(イプセリ)というギリシャ料理のエピスリーとレストランだ。ギリシャ中を旅して2年がかりで準備をしたのはシメオン・カムシゾグルーとデルフィーヌ・ピックの2人組。彼らが目指したのはアテネでここのところブームの"ガストロタヴェルナ"である。パリジェンヌたちの夏のバカンスの人気の行き先の1つが、ギリシャ。日本からは遠い国だけれど、パリからアテネまでなら3時間半で着く。いい素材を用いたシンプルな料理や野菜主体のヘルシーなギリシャ料理は、彼女たちのお気に入りだ。パリにあまり数がないおいしいギリシャ料理のレストラン&エピスリーの誕生はうれしいかぎり。それも建築物としても歴史のある場所の中のモダンスタイルのおしゃれな空間なのだから。

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イプセリの入り口。Gobert-Martinというのは、かつてそこにあったデパートA Réaumurの創業者の名前だ。photography: @thesocialfood
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パリジェンヌがお土産に持ち帰る品々も含め、オーナーが厳選したギリシャの食材が並ぶエピスリー。レストランへのアクセスはこのエピスリー経由で。photography: 左 @thesocialfood、右 Mariko Omura
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レストランでも味わえるギリシャワイン、オリーブオイルを豊富に揃えている。photography: @thesocialfood

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シェフはシメオンの幼馴染のギリシャ人で創業者メンバーに加わった、フラギスコス・ダンドウラキス。クレタ島出身の彼はオリーブオイル、パン、野菜......なんでも自家製という環境で育っていて、この時に彼が覚えた食にまつわる感動をこのイプセリで客たちとシェアできる料理を作って自身の母、祖母にオマージュを捧げるのだ。夜のメニューを見ると、シェアして食べるメッツェにはタラマ、ファヴァ(黄色いエンドウ豆のピューレ)、ズッキーニ団子などおなじみのギリシャの味が並ぶ。前菜になる小皿料理はタコのグリルやセヴィーチェ......。メインはイカのグリル、カラマタのオリーブと野菜のロースト、牛の頬肉のコンフィなど5種だ。ランチタイム・メニューはその日のメインが19ユーロ、メッツェとメインあるいはメインとデザートで24ユーロ、メッツェとメインとデザートで28ユーロ。

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左:2008年に出会ったシメオン(左)とデルフィーヌ(右)。2人はイプセリの前はケータリング業を行なっていた。中央はシェフのフラギスコス。右:通り側のガラス窓から太陽が差し込みギリシャの明るい雰囲気が店内にもたらされる。photography: 左 @thesocialfood、右 Mariko Omura
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コンクリートの壁やむき出しのダクトのモダンな雰囲気の空間。photography: @thesocialfood
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ディナーメニューから。タラマとピタパン(左)、ナスのキャビア(右下)とタコのグリル。photography: Mariko Omura
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左:シメオンのママの得意料理でデルフィーヌのお気に入りというソーセージとフライドポテト。 右:ランチもディナーも野菜料理がメニューに見つかる。レストランが使うお皿はギリシャから。photography: @thesocialfood

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レストランはとても広く、テーブル席だけでなく食事が取れるカウンター席が2箇所ある。1つは鏡張りの天井の下の長いバーカウンター、もう1つはシェフが料理するキッチンの前に設けられた特等席カウンター。あまり馴染みのないギリシャ料理をレストランで味わって、エピスリーで厳選された食材をお買い物して......パリジェンヌが愛する国にお腹から親しんでみよう。

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エピスリーの惣菜コーナーでギリシャの味をテイクアウト! photography: 左 @thesocialfood、右 Mariko Omura

Ypseli
イプセリ
88, rue Réaumur
75002 Paris
営)レストラン12:00~14:00、19:00~23:00、エピスリー8:00~20:00
休)日、月
https://www.ypseli.com
@ypseli_family

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editing: Mariko Omura

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