雑貨にヴィンテージに小物。パリジェンヌのお気に入りショップを巡る。
Paris 2025.05.04
いまをときめくパリ在住クリエイターのお気に入りアドレスとは? クリエイティブ&ファッションディレクターのロリータ・ジャコブに、おすすめの8店と注目ポイントを教えてもらいました。
愛用の自転車で、颯爽とショップに現れたロリータ。
ロリータ・ジャコブ Lolita Jacobs
クリエイティブ&ファッションディレクター
クリエイティブエージェンシー、Jacobs + Talbourdet-Napoleone共同設立者。雑誌「Mマガジン」や「レチケット・ファム」、数々の広告のクリエイティブディレクターも務める。自転車でパリの街を観察するのが好き。@lolitajacobs
「この街で浴びる太陽の日差しも、建築物のディテールも、パリジャンが着ている洋服ももちろん好きだけど、すぐ怒ったり、神経質な人々の性格も結構好き」とパリの魅力を話すのは、生まれも育ちも住む街もずっとパリだという生粋のパリジェンヌ、ロリータ。ファッション業界に精通している彼女の行きつけのアドレスは、キッチュなインテリア雑貨店から、オーダーメイドメガネの老舗まで幅広い。
「パリはファッションの中心地。古きよきものも残りながら、新しいブランドがどんどんスタートしていて、とてもクリエイティブな街だと思います。おいしいものだってすぐに見つかるし! パリの最新を探すなら、パリジェンヌと仲良くなるのがいちばんですよ」
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Shopu
ショップ[ サンジェルマン ]
審美眼のある店主が選ぶ、ジャパニーズ雑貨。
日本人も知らないものがずらり。
かつて雑誌「ロフィシェル」のデベロップに携わっていた長年の友人、ナタリー・アゲマツが2024年4月にオープンしたショップです。彼女は日仏のハーフで、出身地の長野県をはじめ日本全国で買い付けた民芸品や日用品を扱っているの。セレクトのセンスが抜群で、私の事務所も近所だからほぼ毎日来ているわ(笑)。自分の買い物のほか、友だちにプレゼントを買う時は迷わずここ!
ロリータが愛用するのは農業用の網を素材にした「みかん網の手提」
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Librairie Epsilon
リブレリー・エプシロン[ モンパルナス ]
本の宝の山からとっておきの表紙を見つけて。
青の日除けが目印。
私が本を選ぶ時に重要視するのは、美しい表紙。この古書店を知ったきっかけも、店の前を通りがかって、ショーウィンドウに素敵な表紙の本を見つけて買ったことから。ギリシャの哲学書を中心に、可愛いデザインブックまでジャンルも幅広く、約4,000冊の本で埋め尽くされたバスルームくらいの小さな店内で宝探しが楽しめます。私がここで最近購入したのは、フランスの哲学者シモーヌ・ド・ボーヴォワールの書籍です。
左から、イギリスのロマン小説『Puck et la Joyeuse équipée』20ユーロ、物語集『Les jeux dans LʼEneide』25ユーロ、絵本『Travaux en Papier』20ユーロ
リブレリー・エプシロン〈6区|モンパルナス〉
33, rue de Vaugirard 75006
01-45-44-53-00
ⓂRENNES
営)12:00~19:00
休)日、月
@librairie.epsilon
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Morisse
モリス[ クリニャンクール ]
モード業界人から愛される、蚤の市内のヴィンテージ店。
デニムの品揃えが豊富。
以前、Le Vifというショップを16区で営んでいた友人のアルチュール・マンギーが今年開業した、クリニャンクールの蚤の市内にあるアメリカンヴィンテージショップ。テキサスから仕入れた1960~70年代のアイテムやメイドインヨーロッパのデッドストックなどセレクトが秀逸。古着店にしては珍しく、どの服もいい香りがするところもお気に入りのポイント。彼の店を訪れてからポール・ベール地区の家具ブースに移動するのが私のおすすめの蚤の市ルートです。
ボーイスカウトTシャツ100ユーロ、バンダナ20ユーロ
パリのファッション業界人たちからそのセレクト力が評価されるアルチュール。
モリス〈クリニャンクール〉
Saint Ouen Marché Dauphine Stand 192
132-140, rue des Rosiers 93400
ⓂPORTE DE CLIGNANCOURT
営)10:00~18:00
休)火~金
@morisse_paris
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La Veste
ラ・ベスト[ サンジェルマン ]
個性的でレトロなデザインが、シンプルな装いを昇華。
カラフルな世界観にうっとり。
ちょっぴり懐かしくてハッピーな色使いが楽しいコレクションが並ぶこちらは、友人でスペイン人のスタイリスト、ブランカ・ミロとデザイナーのマリア・デ・ラ・オルデンが手がけるブティック。商品はもちろん、独創的でカラフルな内装、蚤の市で探してきたという什器も見ているだけで気分が上がります。コーディネートがシンプルすぎると感じた日は、ここで買ったストライプのパンツや赤いコートで彩りをプラスしてスタイリングを完成させています。
商品はすべてハンドメイドのスペイン製。
パステルカラーのコーデュロイパンツ220ユーロ
ラ・ベスト〈6区|サンジェルマン〉
4, rue de Tournon 75006
ⓂMABILLION、ODÉON
営)11:00~19:00
休)日
https://lavestelaveste.com/
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Modernariato Antiquités Design
モダナリアト・アンティキテ・デザイン[ ジュール・ジョ・フラン ]
家がユニークなデザイン空間に!? キッチュなオブジェはいかが。
窓から見えるランプの数々。
パリのオークションハウス、オテル・ドゥルオー出身のオーナーが選び抜いた1970~80年代のランプやオブジェ、食器などが集まるインテリア雑貨ショップ。アイテムはデザイナーの有名無名に縛られることもなく、価格もピンキリなので、蚤の市で掘り出し物を探すように買い物が楽しめます。私も雑誌の撮影の仕事で出合ったのですが、やはりセットデザイナーやカメラマンら業界人が撮影に使うオブジェを探すのにもよく訪れているそう。
タバコと灰皿のオブジェ30ユーロ
世界中をリサーチするオーナーの情熱がこもったセレクション。
モダナリアト・アンティキテ・デザイン〈18区|ジュール・ジョ・フラン〉
1, rue Montcalm 75018
06-14-50-93-89
ⓂLAMARCK-CAULAINCOURT
営)14:00~16:00(月)、14:30~19:00(火~金)、11:00~19:00(土)
休)日
https://modernariato.fr/
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Maison Bonnet
メゾン・ボネ[ パレ・ロワイヤル ]
自分のためだけに作る、世界にひとつのメガネ。
ショップ内には職人たちの作業場も。
毎日メガネをかけている私にとってメガネは身体の一部。だからこそこだわって選びたいんです。ここはオーダーメイドで自分に合ったメガネが作れる店で、本当にパーフェクトに仕上げてくれる。というのも、1930年代にメガネの産地で有名なフランス・ジュラ地方でアルフレッド・ボネが開業し、50年代に息子のロベールがパリに拠点を移したという歴史ある老舗だからできること。イヴ・サンローランやル・コルビュジエなど、有名な顧客も多かったそう。
ジャクリーン・ケネディとアリストテレス・オナシス夫妻など、顧客の写真のあるエントランスとメガネのディスプレイ。
メゾン・ボネ〈1区|パレ・ロワイヤル〉
5, rue des Petits Champs 75001
01-42-96-46-35
ⓂBOURSE、PYRAMIDES
営)10:00~19:00
休)日
https://www.maisonbonnet.com/
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Kerstin Adolphson
カースティン・アドルフソン[ サンジェルマン ]
北欧の職人たちによる、キュートなサボ。
プレゼントにもぴったりな素朴で愛らしいデザイン。
スカンジナビアのサボや衣類を販売するショップ。50年以上前からあるパリ店が世界1号店なのですが、いま95歳になるオーナーがストックホルムでも3店舗展開しているというから驚き! 昔からサボは家族揃ってこの店で買うのがお決まり。冬は室内履きのスリッパ、夏はサボを夫や子ども、親、友だちによく買っていて。全色持っていると言っても過言ではないほど大好きです。この冬は、キャメルウールの手袋と息子用のスリーパーを買いました。
上奥から、羊のセーター98ユーロ、サボ79ユーロ
カースティン・アドルフソン〈6区|サンジェルマン〉
157, boulevard Saint-Germain 75006
01-45-48-00-14
ⓂST GERMAIN DES PRÉS
営)11:00~19:00
休)日、月
@kerstinadolphson
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Rue de Verneuil
リュ・ドゥ・ヴェルヌイユ[ パレ・ロワイヤル ]
ミニマルで実用的! シックなキャンバスバッグ。
入口もディスプレイもエレガント。
2014年にインテリアや建築の経歴を持つヴァンサン・リバが設立したバッグブランドで、パレ・ロワイヤルにショップができて今年で5年目。カジュアルなキャンバスバッグなのに、ここのアイテムは彫刻的なシルエットとエレガントな色使いで特に気に入っています。以前、チョコレートブラウンの総柄フェルトのバッグを買ったのですが、どんな服装にも合うし、週末のお出かけによく使っています。しかも厚手で質が良い! 万能なミニサイズがおすすめです。
大人のためのモダンなキャンバスバッグ340ユーロ
リュ・ドゥ・ヴェルヌイユ〈1区|パレ・ロワイヤル〉
65, Galerie de Montpensier 75001
01-71-21-90-04
ⓂPALAIS ROYAL-MUSÉE DU LOUVRE、PYRAMIDES
営)11:00~14:00、15:00~19:00
休)日、月
https://www.ruedeverneuil.com/
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パリに移住して25年。現在はスタイリスト、コーディネーターとして活躍。ヴィンテージ花器に目がなく、専用インスタグラムアカウントまで持つ。
@masaetakanakaparis @cabin.e.dream
*「フィガロジャポン」2025年5月号より抜粋
●1ユーロ=約162円(2025年5月現在)
●日本から電話をかける場合、フランスの国番号33の後、市外局番の最初の0を取ります。フランス国内では掲載表記どおりかけてください。
●各紹介アドレスのデータ部分のⓂは地下鉄の駅を示しています。
●掲載店の営業時間、定休日、商品・料理・サービスの価格、掲載施設の開館時間やイベントの開催時期などは、取材時から変更になる可能性もあります。ご了承ください。
photography: Mari Shimmura coordination: Masaé Takanaka