CHICHI PARIS ~パリに住むエステティシャンのblog~

盛大に祝おう!フランソワの50歳の誕生日

先週はワイン屋で働く女の子の誕生日パーティーがあったけれど、その少し前にパートナーの親友フランソワの50歳の誕生日パーティーに招待されてアルザスに行ってきた。年齢に関係なくフランス人は誕生日にパーティーをする人が多く、特にキリの良い30、40、50、60歳・・の誕生日は普段よりも気合が入ったパーティーを開く。20歳や30歳は若いのでお金もそんなにないし大抵がホームパーティーだけど、40歳以上になると余裕が生まれるからレストランを貸し切ったり、ケータリングを利用したり出張料理人に来てもらって大規模なパーティーを開く人も。

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夜8時から始まったフランソワの誕生日パーティーの招待客は100人。玄関では招待客を管楽器の生演奏でお出迎え。赤い眼鏡をかけてホルンを吹いているのが、主役のフランソワ。

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玄関に続く隣のホールには彼の赤ちゃんの頃から今日までの写真が貼られたボードが置いてあり、シャンパンを飲みながらその写真を眺めつつ、ご家族や初対面の人に挨拶や談笑して小一時間ほど皆が到着するのを待つ。アルザスの人は男性も女性も体格のいい人が多い。フランソワも縦にも横にもかなりビックサイズだけど、べべから学生の頃までは痩せていたのね・・・。学生の頃の顔が彼の息子とそっくりだ。

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全員が到着したところでテーブルへ移動。「 お前は2番目の息子だ 」と、常々フランソワの両親から言われているパートナーは家族も同然の付き合いなので、私達と今夜出されるワインの生産者さん達はフランソワや奥さんのカトリーヌら家族のテーブルに配置されていた。フランスでは大抵カップルは離れて配置されるし、私はきっと知らない人ばっかりのテーブルに座るんだろうなと思っていたのでホッと安堵した。

フランソワの友人による " ジョワイユ ザニヴェルセール フランソワ( お誕生日おめでとう )〜♪" の歌から始まり、全員で合唱、その後はアルザス語に切り替えてのジョワイユ ザニヴェルセール〜♪ から食事スタート。そう、私達以外は生粋のアルザス人なので、普段の会話は皆んなアルザス語なのだ。更にペンライトが配られて、友人がロック調にアレンジしたアルザス語バージョンを朗々と歌い早々に大盛り上り。めちゃくちゃ歌が上手なのでびっくりしたら、お友達はプロの音楽家でした。

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フランソワがスピーチで、大好きな家族や友人に美味しいものを食べてもらうためのパーティーだと言ったけれど、言葉通り前菜はアルザスの野菜料理3皿から始まり、魚料理2皿( 軽くスモークしたウナギ、低温調理されたサンドルとアルバ産トリュフ )、肉料理2皿( アルザス牛の頬肉の煮込み、鳩とトリュフのパスティア風 )と、ウナギやアルザス産牛肉など地元の食材をふんだんに使った料理にアルザスワインを中心としたペアリングという、美味しそうなコース。フランソワのことだから量が多いと予想して、朝も昼もかなり控えめに食べておいたのでお腹ペコペコ!

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野菜料理の一品目は、ホワイトアスパラガスの外側を真っ黒に焼いてオランデーズソースを付けて食べるシンプルな料理。こんな食べ方があるなんて目から鱗が落ちる思いで感激。中がトロッとした熱々のホワイトアスパラガスの美味しいことったらない。

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軽くスモークされたウナギも、しっとりとしていてプチポワとよく合ってすごく美味しい。

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料理の合間に踊るフランソワとカトリーヌ。心優しく仲良しで、信頼し合っている素晴らしいカップルなのだ。前日の夜に夕食を食べながら、カトリーヌが息子達の前で「付き合い始めて直ぐにフランソワは運命の男性だと確信した」と言っていたけれど、彼らを前にすると誰もがそう感じるに違いない。

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食事のコースが長いからコンサート会場と化して、フランス国民全員が歌える国民的歌手のアズナブールからピアフ、ジョニー・アリディそしてアルザス語の歌まで、全員が肩を組んで熱唱 ♬ フランスの中では特殊な立ち位置でちょっと閉鎖的な土地柄のアルザスだけど、歌って肩を組めば、外国人の私も溶け込むことができて、まさに歌は国境を越えるなのだ。そして、その合間にも食べたり飲んだり忙しい。おまけに皆んな信じられないほどよく飲むので、フランソワの隣にいたアランは途中から船を漕いでいた Zzz... (笑)

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デセールの前のチーズには、もちろんアルザスのチーズのマンステールも。

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デセールにはロウソクを50本立てたバースデーケーキが出るものとばかり思っていたら、デセールはルバーブと苺のタルト風とキャラメリゼしたシュロー(ニワトコ)。甘酸っぱくて美味しい。後で聞いたら、パティシエの勉強を始めた息子が作ったケーキなら食べたいけれど、まだ一年目でそこまでは作れないので次回のお楽しみにとっておくことにしたんだとか。

デザートを食べ終わって食事が終了したのが午前2時。フランソワとカトリーヌの人柄をよく表した、楽しくて温かくて、笑って歌って、美味しいパーティーだった!皆んなが帰った後、フランソワの生まれ年の1973年のコニャックを飲みながらフランソワやカトリーヌ、お姉さん夫婦らと話し込んでいたらいつの間にか白々と夜が明けていた。

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chichi

立神詩帆 / Shiho Tatsugami
2002年渡仏。エコール・フランソワーズモリスで学び、エステティック・コスメティックCAP国家資格を取得。2011年からパリ7区でエステサロンCHICHI(シシィ)を自営。All About のフランス流美容ガイドとして、パリジェンヌから学ぶ美容情報やライフスタイルに関するコラムを掲載中。
好きなものは、フランスの食文化、1日の終わりのアペリティフ、アルゼンチンタンゴ、旅。

www.chichiparis.com
https://allabout.co.jp/gm/gp/1693/
Instagram: @chichi_paris7

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