
アントワーヌ・クルック "BUY BUY BABY"
パリ11区のAtelier Basfroiで開催された、友人のアントワーヌの個展のヴェルニサージュ(オープニングパーティー)へ行ってきました。
フランス在住の方なら、フランス版マダム・フォガロの紙面でアントワーヌのイラストを目にしたことがあるはず。アントワーヌは、フィガロのイラストレーターのほか、ティエリー・ミュグレーやルイ・ヴィトンなど有名メゾンのデザイナー及びクレイジーホースの衣装デザイナーとして活躍するアーティストです。近年では日本の宝塚歌劇団やオペラの衣装デザインを手掛け、その多彩な才能を日本でも発揮しています。
今にも動き出しそうな躍動感に溢れる女性のイラスト。彼の描く女性達は皆んな、センシュアルで、洗練され、美しく、強く、都会的。
ヴェルニサージュにはバーも併設されており、皆んなカクテルグラスを片手に鑑賞したり談笑したり。同じ絵を見ていて何気なくお喋りしていたムッシューがクレイジーホースのディレクターだったり、有名スタイリストだったり、出版社のディレクターだったりと、なんだかとっても華やかな世界に紛れ込んでしまった気分。皆んなアントワーヌの描く世界、才能、そしてアントワーヌのことが大好きなんだって!
いつ会っても肌がむきたて卵のように美しく、エレガントで、王子さまのような雰囲気を纏うアントワーヌ。繊細で心優しく、(フランス人に珍しく?)気配りができる、インテリジェンスで、非常に魅力的な人です(^-^)
個展のタイトル"Buy Buy Baby"について、彼が話してくれました。
「作品の女性達は、皆んな服を纏わずにヒールの高いハイヒールを履き、空っぽのまたは重そうなショッピンバックを手にしているんだ。現代はファッション、宝石、ビューティー、ときには人間関係ですら、この個展のテーマでもある"BUY"のように、お金があれば何でも手に入る。お金がある人は有名メゾンの高い服を買うことができる。一方、お金がそんなにない人も、同じように安い服を買っている。現代人はお金を払い消費することに夢中になっている。けれども、彼女達は本当に幸せなのかな?消費することの価値は?誰のために、何のために買うの?作品を通して、華やかな魅力と儚さの裸の真実を問いかけているんだ。」
先日カフェでお喋りしたとき、変化がめまぐるしいモードの世界に身を置く一方、絵や執筆、コスチュームデザインの分野にも挑戦していきたいんだと話していたアントワーヌ。彼のキラキラと光り輝く才能に触れて、とても感銘を受けました!
ANTOINE KRUK
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