
「ポツネン氏の奇妙で平凡な日々」パリ公演
ラーメンズの小林賢太郎氏の「ポツネン氏の奇妙で平凡な日々」パリ公演を観てきました。
・
・
ラーメンズは片桐仁と小林賢太郎のお笑いユニット。
マニアックで、内気で人の良さそうな感じが好きで、相方の片桐仁さんのラジオを長年聞き続けているのですが、失礼ながら小林賢太郎さんはよく知らなくて、最初はどうしようかなぁと迷っていた舞台。
話は変わりますが、学生時代の友人が賢太郎さんに雰囲気や姿がそっくりなんですね。ポスターの賢太郎氏を見ていると、その友人に逢いたいなぁ、この舞台好きそうだろうなぁと思えてきて、やっぱり観に行くことに。
・
ストーリーはそのまま「ポツネン氏の奇妙で平凡な日々」。
ポツネン氏の周辺で起こる平凡だけど、様々な小さな出来事。賢太郎さん本人と、ほんの少しの小道具と、スクリーンに映し出される自作のデッサンがすべての、とてもシンプルな舞台です。
ストーリーに起承転結はなくて、ところどころクスリと笑える要素が入っている、ちょっと不思議な世界が、淡々と進んでいきます。
唯一、スピード感があったのが賢太郎さんが描いたキノコの絵がスクリーンに映し出されて、その中をキノコの間をぬって進んでいく場面。線が細かいデッサンがすごく良くて、私にはスクリーンを使った場面が特に愉しかったです。
反対に、どちらかというと人形など小道具を使ったものは、いかにも笑うように作られている感じがして、あまのじゃくな性格が災いしてちょっと苦手だったかな・・・
でも全体的に嫌いじゃないです。わー!と来る面白さではなくて、後からじわじわと可笑しみが込み上がって来る面白さ。
そして、またもう一度観たくなる ^m^
・
・
会場がパリ日本文化会館だったので、日本人のお客さんが多いかと思っていたら、フランス人のお客さんほうが多いくらいでした。開演前にバーで日本酒片手にお寿司を食べて、ポツネン氏を観るフランス人達。きっとかなり日本通な方達なんでしょうけれど、彼らにはどう映ったんだろう?
・
素人意見ですが、シュールな日本的コメディーでもあり、ポエムのようなフランス的コメディーでもあり。日本&仏どちらの要素もあり、オリジナリティーやユーモアも大げさにならないように入っていて、きっとフランス人から観ても面白くて、気に入ったんじゃないかなと思います。
・
私の平凡な日常から、ポツネン氏の奇妙な世界へタイムスリップした束の間の時間。
その余韻が抜けなくて、フワフワした気持ちで帰路に就きました。
・
・
・
〈 info 〉
ARCHIVE
MONTHLY