
人気復活のフランス古典料理パテ・オン・クルート
前回のブログで、料理人をはじめとする食に関するMOF(Meilleur Ouvrier de France / 国家最優秀職人賞)の称号を持つ技術者がいかにすごいかを書きましたが、私がよく行くMOFの店が、私が働くサロンがある7区のブルドネ通りにあるレストラン&ブティック「アルノー・ニコラ(Arnaud Nicolas)」です。
アルノー・ニコラ氏はシャルキュトリーのMOFの称号を持つ料理人。シャルキュトリーとはハムやソーセージ、パテ、テリーヌなどの食肉加工品の総称で、フランス人の食卓にはシャルキュトリーが欠かせません。アペリティフや前菜によく食します。
ショーケースにまるで宝石のように陳列しているパテやテリーヌ。私はレストランに行くよりも、買って帰って食べることが多いです。アルノー・ニコラのは全て美味しいけれど、なかでもイチオシがパテ・オン・クルート!
パテ・オン・クルートとは、テリーヌの周りをパート(パイ生地)で包んで焼いたフランスの古典料理ですが、作るのに手間が掛かる、カロリーが高い、お腹にもたれる、パイ生地がパサパサして食感が苦手などの理由で苦手なフランス人が多く、どこのお肉屋さんや惣菜屋でも売っていますがお世辞にも美味しいものではありません。ところがここ数年、才能あるシェフのおかげで人気が盛り返していて、レストランや専門店で美味しいパテ・オン・クルートが手に入るようになりました。
この日は友人達が来ていて、食事前のアペリティフにいただきました。手前が私が一番好きなウズラとフォアグラのパテ・オン・クルート。奥がブルゴーニュの伝統料理のハムとパセリのゼリー寄せ、ジャンボン・ペルシェ。皆んな絶賛。
そして今か今かと待ちわびているのが、ノエルの時期だけ作られるトリュフのブーダン。昨年買ったとき、作りたてなので軽く温めるだけで十分ですよと言われてその通りにしたら、ナイフを入れた途端に中からトリュフが香る中身がトロトロと流れ出しきて、ブーダンの味を想像して食べたら全く別物。超絶した美味しさに大感激しました。
ブティックでアルノー・ニコラ氏の著書も購入。驚いたことに、彼は若干24歳でシャルキュトリーのMOFを獲得しています。
本を参考にしてジビエのキジとフォアグラのテリーヌを作りましたが、ちょっと硬かった。ちゃんと調理用温度計を刺して温度を確認したんですが火入れの調整に失敗したようです。工程が多くて作るのが大変なので、やっぱり買うほうがいいな・・(^^;;
ところで、12月2日リヨンで開催されたパテ・オン・クルートの世界選手権で日本人の塚本治氏が優勝しました。ニュースになっていて、フランス人の料理人の友人達の間でも話題になっています。世界で活躍されることは素晴らしいことだと思います。おめでとうございます!!!
Arnaud Nicolas Restaurant / Boutique
46 Avenue de la Bourdonnais, 75007 Paris
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