フランス人のウイルス感染予防事情
日本から予約されているお客さまから「コロナウイルスの影響でアジア人差別があると話題になっていますが大丈夫ですか」とお問い合わせをいただきました。日本でそういう風な報道があると心配になってしまいますよね。でも、毎日フランス人といても私自身は差別を感じたことはありません。フランスの田舎など外国人が少ない地域は違うかもしれませんが、外国人が多いパリでは特に変わった目で見られることはないと思います。ですのでフランスへの旅行を計画されている方はその点はあまり気にしなくてもよいのではないかと思います。
フランスで気をつけなければいけないのはむしろマスクの着用の方かもしれません。フランスでも毎日ニュースでコロナウイルスやクルーズ船について報道されていますが、フランス人にとって「マスクをしている=感染している」のイメージがあるようです。普段からマスクを着用する習慣がないので、マスクをしている人を見ると怖くなったり、思わず避けてしまったりするわけですが、フランス人は遠慮がないので露骨な態度を取られたという話を何度か聞きました。
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美術館のトイレにこんなポスターが貼ってありました。子供のときから手洗い・うがいが励行され、風邪の予防や他人にうつさないたまにマスクの着用の習慣のある日本に比べて、風邪をひいたらビズはしない、咳は自分の腕や肩にする、ハンカチやティッシュで鼻をちーんとかんだら再びそれをポケットに戻して何度も使うのがフランス。以前フランス人の前でうがいをしたら「何それ!?」とものすごくびっくりされたことがあります。生まれて初めてうがいを見たそうです(^^;
なのでこのポスターは画期的!
「ウイルスは接触・くしゃみ・咳・唾液・手から感染します」
「リスクを減らすために ①石鹸で30秒間手を洗う ②鼻をかんだり咳をするときは、紙のティッシュを使用して使用後は捨てる ③病気のときは衛生マスクで鼻まで覆う」
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日本でツーリストのマスク買い占めが問題になっていましたが、先週パリの美容用品の問屋で中国人の若い女性2人と通訳ガイドらしき方がマスクを大量に買おうとしているのを見かけました。美容用マスクと言っても、フランスで売られているものは施術の際に使用する使い捨てのもので金魚すくいの紙のように薄いペラペラの紙のマスクなのです。問屋なので店の登録が必要だととそっけなく店員に断られると、急に「この二人は中国の病院から来た」と言い出し、ひとりは「1万枚」もうひとりは「5千枚」購入、しかも現金で払うとガイドの方が粘っていました。金魚すくいのような紙マスクを購入して高く転売でもする気でしょうか・・・?
ところで、ラジオで「マスクの品格」の著者の大西一成氏のインタビューを聴いていたら、殆どの人が間違えた方法でマスクの着用しているというお話をされていました。コンビニや薬局で売っている衛生マクスは、予防ではなく他人にウイルスをうつさないために使用するもので、髪の毛1本の隙間があってもそこから感染してしまうんだそうです。じゃあどうしたらよいかというと、感染予防には自分の顔に合った防塵マスクを使い捨てで使用するべきとのこと。うーん、でも薬局で手に入るものではないし高価だし、結局はこまめに手洗いやうがいをして予防に努めるしかないのですね。
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