
外出制限中は、にわかジョガーが急増
4月といえばフランスにはこんなことわざがあります。
「En avril, ne te découvre pas d'un fil.(4月には糸一本でも脱ぐな)」
4月は暖かくなったと思っても寒さがぶり返すことも多く気温が安定しないから薄着しないよう気をつけなさいよ、という意味ですが、皮肉なもので今年はずっと暖かく青天の日が続いています。
天気が良いこともあって外出制限中に多くの人がジョギングを始めたそうですが、私もその中のひとりです。外出制限が始まってしばらくの間は、家で動画やDVDを見ながらストレッチやヨガをしていたけれど、じっと家にいると食べることだけが楽しみになるし、お菓子を作る時間はたっぷりあるしでだんだん太ってきた。おまけに毎日COVID-19のニュースを見ていると不安とストレスが溜まって来る。そこで朝食前、早朝の人が少ない時間帯に運動することにしたのです。
始めたときは1日1回1時間以内、家から2Km以内の距離の個人運動が許可されていたのが、数日後には可動範囲が1Km以内に短縮されてしまったため最近は景色の良い川沿いを進んで橋でUターンするコースに落ち着きました。
休業中のバトームッシューやバトーバスが停泊しています。
セーヌ川の河川敷はバリケードが置かれて降りれないようになっています。
いつもジョギングやウォーキングしている人がチラホラいるのですが、この日は誰もいなくて独り占め!
橋を渡ってUターン。パリで一番美しいと言われているアレクサンドル3世橋です。
以前なら橋で結婚式の記念撮影や雑誌の撮影をしているのをよく見かけたものです。エッフェル塔の手前にある尖った屋根は、海外挙式にも人気のアメリカン・チャーチ。日本から来てくださるエステのお客さまも、アメリカン・チャーチで挙式後、この橋やセーヌ川河川敷で写真撮影をすることが多いので、COVID-19のために海外挙式を延期やキャンセルされた方は本当にお気の毒ですが、教会もこの周辺も本当に美しいのでパンデミックが終焉したらぜひ来ていただきたいなと思います。
橋の向こう側のアンヴァリッド広場へ続く交差点が静まり返っていたので思わず写真を撮りました。
青々とした空が広がっていて、春の陽気を楽しむ人々で賑わう人々が広場で寛いでいる筈なのに誰もいないことを不思議な気持ちで眺めました。ひと月前までの呑気な生活から一変した今日を想うと、まさに青天の霹靂としか言いようがありません。本来なら復活祭のバカンスを過ごしているこの時期に(パリは4月4日〜20日の期間がバカンス期間です)外出が禁止というのはフランス人には相当なストレスでしょう。知り合いのマダムが「戦争中のことを思い出せば大したことはない」と言いましたが、今は皆んなで協力し合って乗り越えて、いつか「あのCOVID-19の日々を思えば大したことはない」と言える日を待つしかありません。
ジョギングといっても初心者なので疲れたら歩いてまたゆっくり走るスロージョギングですが、爽やかな空気の中で運動すると気分が良く、心地よい疲れでよく眠れるので夜更かしもしなくなりました。規則正しい生活が送ることは平常心を保つためにも繋がって一石二鳥。
本日8日から運動のための外出は10時〜19時の間は禁止になります。人との距離に気をつけながら続けたいと思います。
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