CHICHI PARIS ~パリに住むエステティシャンのblog~

新年の食事とエピファニーのガレット・デ・ロワ

前回のブログに引き続き、年明けの食事会の様子です。大晦日はパリに戻ってきた上階に住む夫婦のお宅へお呼ばれしたので、夜の外出制限時間を気にすることなくゆっくり食事をして、日付が変わる12時に「Bonne année!(あけましておめでとう)」と言い合ってお祝いました。友人・知人らと大勢で賑やかにパーティーをしてカウントダウンをするのがフランス人の大晦日ですが、こんなふうに気が合う人達と少人数で静かにお祝いする方がずっと楽しいと思いました。

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さて、新年は1月3日に再び我が家で親しい友人夫妻2組と昼食会をしました。秋以降は仕事以外で人に会うことが殆どなかったので、久しぶりの再会です。

フランスではクリスマスツリーやデコレーションはノエルだけのものでなく冬の季節モノなので1月半ばまで使えます。25日を過ぎたらお正月の準備に入ることもなく、年末年始のご馳走も変わらないので楽ちん♪ノエルのときのまんまのテーブルセッティングで、ナプキンの折り方だけ変えてみました。

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今年のラッキーカラーはラヴェンダー色だそうで、友人がラヴェンダーカラーのヒヤシンスや野生のミモザ、色のグラデーションが美しいダリアが入った美しいブーケを持ってきてくれました。

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アペリティフのメニューもノエルのときと同じです。そしてジラルドの牡蠣が美味しいと喜ばれたのも同じく。シャンパンは、天使のイラストは描かれているけれどもキュヴェ・アムールのようにダイヤモンドを握った天使の蓋は付いていないウィリアム・ドゥーツで。

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その後はノエルと同様にフォアグラ、そしてサーモンの燻製で食事をスタート。これらはもう年末年始の定番中の定番の食べ物ですね。

さすがにその後は変化をつけました(^_^)ノエルはブルターニュ産のオマールにソースをかけたメインだったのをオマールのビスクへと変更。オマールのソースをフュメ・ド・ポワソン(魚の出汁)でのばして生クリームを加えます。オマールのソースとフュメ・ド・ポワソンを作るのにすごい手間がかかったというだけあり濃厚で美味。

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そして新年のメイン料理はお肉へ。ブレス産の地鶏とモリーユ茸のクリーム煮、付け合わせはレッドアンディーブのブレゼ。

モリーユ茸から良い味が出て鶏肉はシットリと柔らかく火が通っていました。アンディーブもほろ苦くて美味しい。火を通したときに色が美味しそうに出るので赤いアンディーブを使ってみたら、キャラメリゼされた色がきれい。

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冷蔵庫事情も変わりました。ノエルは留守中の上階の家の冷蔵庫を使わせてもらっていたから、廊下を走って駆け上がったり降りたりバタバタしたけれども、今度は数歩で行ける隣の家の冷蔵庫を拝借(^m^) 前日に作って預かってもらっていた地鶏とモリーユ茸の煮込みと、アンディーブ のブレゼが入ったそれぞれの鍋はちゃんと忘れずにアペリティフが終わって皆んながテーブルへ移動したときに取りに行って、お皿も鍋もタイミングを計って温めておいたからサッとテーブルへ出すことができました。

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そしてデザートは友人達が持ってきてくれたセバスチャン・ゴダールのガレット・デ・ロワ!

1月6日のエピファニー(公現祭)に食べるお菓子ですが、どのお菓子屋さんでも1月2日から店頭に並び始めて1月中ずっと売っています。切り分けてフェーブが当たった人が王様になる大勢で食べた方が楽しいお菓子で、大抵1月の最初の週末または2つ目の週末に皆んなで集まってワイワイと食べることが多いです。

パイの表面に描かれたアイヴィー模様が美しく、王冠もアイヴィーで、ジュエリーデザイナーが作ったという葉っぱの形をしたフェーブが入っていました。前日にもフェーヴが当たって王様になったというミッシェルに再びフェーブが当たって、幸先の良い年になりそうだと喜んでいました(^o^) ガレット・デ・ロワはやっぱりクラシックなアーモンドが一番好き。

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今回食後のエスプレッソはなし。親しき中にも礼儀あり?同い歳の上階の夫婦への気安さとは違い、お隣の夫婦は年齢が一回り上で、すでに鍋を2個預かってもらったうえにネスプレッソマシンも貸してとは頼みづらくて、デザートの後は皆んなに希望を訊かずにハーブティーを淹れました。

***

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ブルターニュのジラルドという種類の牡蠣について沢山質問をいただきました。お祝い事が多い年末年始はマルシェや魚屋でよく見かけます。レーザーで殻にⒼが刻印されているのがジラルドの証で、愉快なイラストが描かれた木箱で売られていました。肉厚で濃厚でそれ自体の味がとても良いので、レモンやヴィネガーをかけないでそのまま食べたほうが美味しいと思います。先日もうすぐ日本へ本帰国する友人が来たときにも出したら彼女が呟いていました。「フランスを離れる直前にジラルドの牡蠣の存在を知るなんて・・・!」フランス滞在の間に美味しい物を沢山食べたのに、ジラルドの牡蠣は食べたことがなかったと悔しがっていました。

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chichi

立神詩帆 / Shiho Tatsugami
2002年渡仏。エコール・フランソワーズモリスで学び、エステティック・コスメティックCAP国家資格を取得。2011年からパリ7区でエステサロンCHICHI(シシィ)を自営。All About のフランス流美容ガイドとして、パリジェンヌから学ぶ美容情報やライフスタイルに関するコラムを掲載中。
好きなものは、フランスの食文化、1日の終わりのアペリティフ、アルゼンチンタンゴ、旅。

www.chichiparis.com
https://allabout.co.jp/gm/gp/1693/
Instagram: @chichi_paris7

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