CHICHI PARIS ~パリに住むエステティシャンのblog~

クリスチャン・ラクロワの衣装が華やか!初笑いはオペラ「パリの生活」

1月2日の日曜日はオペラを鑑賞しました。チケットを取るときに、オペラ・バスティーユのバレエ「ドンキーホーテ」とシャンゼリゼ劇場のオペラ「ラ・ヴィ・パリジャン(パリの生活)」の間で迷って、まだ観たことがない「ラ・ヴィ・パリジャン」を選んだら、その後に爆発的に増加した感染者の影響で室内において2千人以上の集まりは禁止になったために「ドンキーホーテ」は公演中止になり、幸い規模が2千人以下のシャンゼリゼ劇場は通常通り公演されました。その影響で観客が流れ込んだのかどうかは分からないけれど、3階席までびっしり満席でした。

「ラ・ヴィ・パリジャン」はジャック・オッフェンバックが作曲したオペレッタで、19世紀のパリを舞台にスウェーデンからパリ旅行にやって来たお金持ちの男爵夫妻と、その夫婦を騙していい思いをしようと企むパリジャン達が繰り広げる喜劇。衣装をクリスチャン・ラクロワが手掛けており、髪型や衣装やメイクが色鮮やか!動きや踊りもコミックな要素がふんだんに散りばめられていて、歌は素晴らしく登場人物を見ているだけでも楽しくて、お正月の初笑いにぴったりです。

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幕開けから舞台の魅力に引き込まれたのですが、どうしても気になって仕方ないのが隣の席の60歳位のマダム。高らかに笑い転げている。まあ、それはいいけれど、曲が終わるごとに大声でブラボーと絶叫する。フランスには声を出さずに静かに観劇するというルールはないの? 他の観客は声を出さずに声を出す代わりに盛大な拍手を贈っているのに、拍手に負けじと彼女の声が響く。ふとマダムの方を見て「ええ!?」と一瞬目が点になりました。このマダム、わざわざマスクを顎までずり下げて叫んでいるではないですか!

叫び終わるとまたマスクを上げている。よりはっきりした声を出すため?なぜ一緒に来ている友達は注意しないんだろう?係員に伝えて注意してもらってよとパートナーに囁いても、聞こえないかのように舞台に見入っているフリをされた。しかし注意したところで無駄なような気がするし、フランス人はキレる大人が多いから(街で怒鳴っている大人をよく見かける。)マスクを外してこちらに怒鳴ってくるかもしれない。ああ、ffp2マスクを着けていてよかった〜。バルコニー席は椅子が固定されていないので、椅子を出来る限りマダムから引き離して、彼女が叫ぶときには背を向けて防御することにしました。

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マダムのことを頭から追い払おうと歌に集中して字幕を目で追っているうちに、うっかり第二幕の半分位をウトウトと寝てしまったらしく・・・。目が覚めたのは幕間直前のフレンチカンカンの最中でした。 ルーマニアでオペラを観てからオペラが大の苦手になって、今回も直前まで行くのを渋っていたパートナーに「こんなに面白いのに寝ちゃったの?信じられないな」と言われてムカッ。「3泊と聞かされていたあなたのお母さんが1週間も長居するし、元旦はあなたの友人達が急に訪ねて来るし、非常識なマダムに注意してくれないから、疲れが溜まってんのよ!」と逆ギレ。ああ、新年早々にイライラが止まらない〜。

幕間に気分を取り直して、マダムが視界に入らないように注意しながら、第3幕・4幕は最後まで寝ることなく観ることができました。最後はマダム満身のブラボー絶叫が出演者の耳にまで届いたのか、アンコールではもう一度皆んなが勢ぞろいしての大合唱のおまけ付きで大盛り上がりしました。

***

夕方5時開演だったので、オペラがはねたのが8時半。シャンゼリゼ劇場の隣のプラザアテネ・ホテルでアペリティフをしてから帰ろうと思ったら、元旦最初の日曜日なのでバーは満席でした。残念。プラザアテネのクリスマスツリーを横目にすごすごと外へ。

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劇場に隣接する建物の最上階にエッフェル塔を見渡せるレストランがあったのが、いつの間にかgigi(ジジ)というイタリンレストランに代わっていたので、ではそこのバーで思ったらやはり満席だという。どうせこの時間はどこもいっぱいだから家で飲めばいいとパートナーに促されて、真っ直ぐに家に帰ったけれど、なかなか思い通りにはいかないものです。

まだ元旦の翌日なのに、既に初苛つきと初怒りをすませてしまった・・。今年の目標は平常心にしよう。穏やかな気持ちで過ごせますようにと、シャンパンを飲みながら願いました。

chichi

立神詩帆 / Shiho Tatsugami
2002年渡仏。エコール・フランソワーズモリスで学び、エステティック・コスメティックCAP国家資格を取得。2011年からパリ7区でエステサロンCHICHI(シシィ)を自営。All About のフランス流美容ガイドとして、パリジェンヌから学ぶ美容情報やライフスタイルに関するコラムを掲載中。
好きなものは、フランスの食文化、1日の終わりのアペリティフ、アルゼンチンタンゴ、旅。

www.chichiparis.com
https://allabout.co.jp/gm/gp/1693/
Instagram: @chichi_paris7

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