
パリは引っ越しと異動の季節
バカンス直前、異動や学期終了の時期の6月から7月にかけてパリでお馴染みの風景。
梯子のついたトラックでの引越しです。
引越し業者が、消防車のような梯子のついたトラックで手際よく荷物や家具を運び入れているのを、多い日だと3〜4回も遭遇します。古いアパルトマンはエレベーターが狭かったり階段しかない建物も多く、廊下や入口の共有フロアを使用したり長時間エレベーターをブロックすると他の住民に迷惑がかかる。何よりも運ぶ人も大変。そこで、梯子を使って荷物や家具を一気に上げ下ろしするのです。
金曜日の夜、パリ勤務から異動になるパートナーの親友Jが晩ごはんを食べにやって来ました。彼は自宅から1時間半もかけてパリまで通勤しているので、新しい部署は通勤時間が20分と短くなって子供達の学校の送り迎えもできるようになると嬉しそう。
パートナーが仔羊の肩肉のオーブン焼きとJの好物のフラジョレという薄緑色の豆の煮込みを作ってくれました。乾燥した豆を水で戻すことからする時間がないので、瓶詰のフラジョレを使用。瓶の煮汁を捨てて豆を水で洗い、前もって作っておいた仔羊の首肉でとったブイヨンやワインを加えて煮直していました。もちろん瓶詰のままでも食べれるけれど、ひと手間加えるとずっと美味しくなります。
その日はもともと仔羊を食べるつもりで、昼間にたまたま「今夜ごはんに来ない?」という話になってやって来たJは、開口一番「パスタはやめてくれよ〜」。彼は父親がイタリア人で母親がイタリア系フランス人で、フランス人が作る不味いパスタには耐えられないといつも言っている。
猛暑の日に、ニューカレドニアから来た夫婦にお寿司を作ろうと思って魚を沢山買ったのに夜中に停電になり、結局買って来たクスクスを出したら予想外に喜んだ話をしたら、家の前の海でいくらでも魚が取れるニューカレドニアの人に寿司を出すのは、例えるならばイタリア人にパスタを出すようなもの、更にアルザスの人にシュークルートを出すようなもの、マルセイユの人にブイヤベースを出すようなものと笑われた。悔しいけれど、当たっているので言い返せない…。
ニューカレドニアでは魚とフルーツが高価だそうですが、それは魚は海で、フルーツは庭でいくらでも採れるのでわざわざお金を出して買う人がいないからだそうです。
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