オーガニックな子育て

べべとママンのナチュラル産後ケア

双子は産まれてくるまで、母親のお腹の中で一人分の部屋を二人で分け合うのですから、部屋のスペースはかなりキッツキツです。
そこで、お腹の中で継続的に圧迫が続いた影響から、子供たちの腰の骨格に問題がないかどうかを調べる検査というのが必須になっています。3カ月までであれば超音波で、それ以降の場合はレントゲン検査です。
問題が見つかってからの治療……、ということまで考えると、すべて未然に治療できたらいいなぁと思い、私が日頃からお世話になっているオステオパシー(骨格調整メソッド)のMichaël先生が、かつて病院の小児科でも施術されていたことを思い出し、すぐにお願いすると、快く我が家に出向いてくれました。

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フランスでは、新生児がオステオパシーを受けることはあまり珍しくありません。産まれた子が双子でなくても、産道を通ってくる際に受ける強烈なストレッチの負荷がかかるため、身体を調整するのです。
オステオパシーにはいろいろテクニックがあるようですが、Michaël先生の手技はとてもソフトで、また新生児なのでなおさらです。ぐりぐらは、なんとも言えない気持ち良さそうな顔で、先生に身を任せていました。
そして先生から「異常なし」判定をもらえれば、もう腰の検査も絶対大丈夫だとお墨付きをもらったようなものです!

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さて、私はといえば出産日が近づいてきたところで、2週ごとに通っていた鍼のNadia Volf先生から、産後は、体の回復のために出産後なるべくすぐに赤ちゃんを連れて来るように、と出産前から予約を取っていたので、退院した翌々日に子供たちを連れて鍼の先生の診療所へ行きました。

先生は、私への施術の前に、子供たちの消化の様子などを私に質問すると、ペンタイプの赤外線を発するライトを経絡に当てていきました。
赤ちゃんには、鍼を使わず、この赤外線ライトを使うのだそうです。
特に消化のトラブル(前回の話にも書きましたが)や、またお腹にガスがたまりやすいので、その辺りを中心に治療をしてもらいました。

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そして次はママンのケアです。妊娠中は、体の解毒機能(肝、腎)に大きく負担がかかるので、酷いむくみやかゆみや不眠、場合によっては妊娠中の糖尿など様々な不快な症状が出るもの。私も例に違わず、いろんな症状が出ていたので、少しでも体のサポートになればと出産前からNadia先生の鍼に通っていたのです。そして出産した後も、この疲労困憊している肝腎の回復のため、引き続き鍼治療を受けることになりました。

さらに産後の疲労は体内だけではありません。

肌からも、今にも「はぁ、疲れた」と聞こえてきそうなくらいで、双子が入ってぱっつぱつに張っていた肌は、今やビョヨーンと伸びきっていました。
この肌をなんとかしてくれるのは、Martine de Richeville先生しかいない!と産後1ヶ月くらいに先生との予約を取りました。
Martineのサロンは、パリで有名人が通う痩身マッサージサロンとしてとても有名です。彼女のオリジナルのテクニックは、皮膚組織の血流を良くして、組織に酸素を送り込み、どんどん肌が引き締まっていきます。またMartineと私はよく一緒に雑誌の取材を受けたりしていましたし、私の長年のクライアントでもあるので信頼感もあり、迷いなく彼女のサロンへ行きました。

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Martine de Richeville

Martineのテクニックは、むくんでいたり、流れが悪かったりする時には、体がよじれるほどの痛みを伴うことがあります。なので、行く時には意を決して行くんですが(笑)、今回は、むむむ、それほど痛くない!Martineは、産後の肌にしては、むくみが少ないわね!と驚いていました。
お腹に差し掛かると、彼女は帝王切開の傷が閉じたところを真上からおもむろにつまんで行きました。
「ぐひゃー」
もはや言葉にならない痛さ。
傷口の周りは肌の内側の粘膜が癒着していて、内側からつれている感じがあって、それが少しずつ緩和していくのを感じます。少し硬くなった傷口の周りの粘膜に血液が通って、ほぐれていくのを感じました。
全身が終わると、体全体の皮膚膜が猛烈な勢いで呼吸をし始めたように感じ、肌がどんどん再生していくのを毎秒ごとに感じたほどです。
Martineから、お腹の傷口部分は毎日オイルをつけてやるようにと言われました。
痛いけど、いびつになったお腹の形がちょっとでも戻るならやろう!とやる気になって、それからセルフマッサージで傷口周りのケアを毎日続けています。おかげで皮膚の内側の固さはほとんど取れました。

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出産して1カ月半が経った頃、腕の痛みで診察を受けていたホメオパシーの先生から、「そろそろ落ち着いてきたでしょ、今のあなたの体にはヨウ素が必要だね。海へ行くといいよ。」と言われました。そのあと間もなくぐりとぐらのおじいちゃん、おばあちゃんの海辺の家に行くことになっていたので、私たち三人は一路大西洋側にある海の家へと出発しました。

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滞在していた3週間の間、毎日毎日海辺を散歩して海風をいっぱい、いっぱい吸いこみました。赤ちゃんは海の風を吸うと元気になると言われています。毎日たっぷりのとれたてのフレッシュな美味しいムール貝を食べてママンの体も回復に向かい、疲労がなかなか消えなかった顔も、やっと見覚えのある自分の顔になりました。

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出産て、産む人も、生まれた人も、本当に大仕事だなぁと改めて思います。
10カ月かけて生み、10カ月かけて戻すとは本当によく言ったものです。

次回は、フランスの赤ちゃんの”おしり”にまつわる話を書いてみたいと思います。

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