王妃気分でBrie☆
おお神よ なんと貴き 命の糧
世にも希なる その美しきもの
我は幻想と引きかえに
聖アンブロワーズの加護を祈る
ああ酒神バッカスの甘きマルメロのデザート
チーズよ そなたは千金にも値しよう
ああ君を想わば 重なる杯は永遠に限りなし
(中略)
ブリの誉め称(たと)われてあれ!
(中略)
ポン・レヴェック、控えよ
オーヴェルニュの ミラノのチーズよ下がれ!
ブリ、ただ1つ神に認められしもの
今、厳かに輝かしき栄光を金文字で記される時
そなたもまた黄金に輝く…。
いやはや、すごい賞賛の詩にびっくりだ。
先日読んでいた本の中にあった17世紀のフランスの詩人Marc-Antoine Girard de Saint-Amant(マルク・アントワンヌ・ジラール・ド・サン=タマン)が“Goinfre”の中で褒めちぎったのは、チーズの“Brie”(ブリ)。
この上ない賛歌としてチーズをこんな風に表現できるなんて、さすが詩人、さすがフランス人!
おかげですっかり私もモチモチな“Brie”(ブリ)が食べたくなってしまいました。
でもマルク・アントワンヌが褒め称えたようなBrie de Meaux(ブリ・ド・モー)は手に入りませんので、ご近所スーパーで調達。
このブログでも度々アップしている白カビチーズの代表選手Brie(ブリ)。
比較的クセがなく、クリーミーでコクまろ、香りも上品で白く美しいチーズ。
黒胡椒が合いますが、初日はまずはナツメグパウダーをかけてみました。
チーズの味わいとしてはまだ青い、青年級。
「王のチーズ」と呼ばれるブリは、王侯貴族の歴史と関わりが深いチーズとしても有名です。
シャルルマーニュ1世、アンリ4世の大好物だったことはじめ、あのルイ16世にも逸話あり。
ルイ16世は逃亡途中にヴァレンヌで馬車を止めさせたことで革命派に捕まってしまったわけですが、その理由がブリを求めようとした説や連行後もブリを所望したなどと伝わっています。
それにしても命からがらで逃げてる時にそんなリクエストとは…。
国王として亡命は本意ではないとしても客観的に自分が置かれてる立場、今そこにある危機を理解してないと取り返しの使いことになるよね…とは思う。
ブリ食べた〜い!なんて言わなければ、なんとか逃げおおせて歴史は変わっていたのかも?!などと思いながら2日目は、ハニーアーモンド添えてパクッと。
クセがないのでわりと何にでも合いやすいチーズ。
塩分が控えめなことからハムやサラミとの相性もよし。
今回食べたものは、パリのフロマジュリーなどで買えるものと比べるとやはりかなり淡白。
なので愛用中のスペインオリーブオイルORO BAILEN(オロバイレン)を少しかけると、グッとまろやか度が増しました。
4日目ぐらいで熟成が進んできたところでカシューナッツ、クルミとマヌカハニーを添えて。
(撮り忘れましたがメイプルシロップでも美味しくいただけました)
残り少なくなってきたところで、シャインマスカットとマンゴーのコンフィ添え♡
フルーツとの相性も良いブリは連日食べても飽きず、最初は青年のような味(?)でしたが、最後はルックス的には若々しい熟年男子になった感じ?!
ちょっといいワイン(ポムロル)も開けて王妃気分で楽しだブリでした。
****************
パリの1枚。
HUGO&VICTOR(ユーゴ&ヴィクトール)のカラフルな椅子がカワイイと思った朝。
ARCHIVE
MONTHLY