パリ3区☆リニューアルした「狩猟自然博物館」
約2年の改修工事を経て、更に広く充実した『Musée de la Chasse et de la Nature 』(狩猟自然博物館)。
只今開催中の特別展『Dents! Crocs! Griffes!』(歯! 牙! 爪!展)鑑賞後に常設展へ。
(関連記事→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/museedelachasseet-de-la-naturedents-crocs-griffes.html)
初訪問の十数年前の記憶は断片的なのですが、その時は想像以上に広い館内、お屋敷ぶりにちょっと迷った気がしますが、今回訪れてみると案内矢印などがさり気ないけれどよく目に入り、とても回りやすく観やすくなったように感じました。
なので、その指示に従って進むと広い館内をグルっとでき、気がつけば最後にスタート地点に戻ってこれます。
方向音痴でも安心♬
館内はあちこち狩猟、自然をモチーフにしたアートを感じる装飾が施され、なんだかテーマパークに来たみたい。
家一軒丸ごと統一したテーマで整えることに憧れます。
さて、パリの『狩猟自然博物館』は、名前のままに伝統的な狩猟にまつわる美術品を集めた博物館なのですが、私自身はパリに暮らす以前は「狩猟」というものに全く馴染みもありませんでした。
こういうのが自宅にあったとして、夜中起きて目が合ったら怖いよ…。
躍動的な様子は、生きながらにして突如命を奪われたようで可愛そう…などと思ってました。
初めはそんな風に感じていましたが、ヨーロッパにおける歴史や文化を知る中で時代や地域における動物の位置づけ、信仰なども様々で、古くから人間と動物が共にあったことを知るほどに「剥製=怖い」な気持ちは薄れたように思います。
そもそも狩猟は重要な食料源で、すべての階級で行われていたもの。
少し狩猟を身近に感じるようになったのは、美味しくいただくジビエ料理がきっかけでした。
親しくなった何人かのシェフは、食材への興味から狩猟のライセンスを得たり、マタギの方と一緒に山に分け入ったサバイバルな経験談を窺う中で、狩猟行為そのものの是非とは別に動物と自然は大昔から人間にとって身近で、なくてはならない存在であることを文化という点から感じるようにもなりました。
(まるで自宅にいるように寛いでいたカップル↓)
ヨーロッパでは中世盛期以降、狩猟が貴族階級の余暇を象徴するものとなってからは、芸術と密接になっていったことは、絵画作品などからも窺えます。
久しぶりに訪れたこの博物館は、次々にガラリと雰囲気が変わって展開する展示室は見応え十分で飽きず、進むほどにテンションがアップしてきました。
暗がりの中に等身大?なサイズで佇む男性に近づき、その顔を見上げると、
鼻筋の綺麗なグッドルッキングガイ?!
Janine Janetというアーティストの「Le Dieu de la Forêt」(森の神)という作品でした。
あのブランドのブレスレットを彷彿なリアルなCollier de Chien(犬の首輪)。
狩猟用の山小屋を再現。
中を覗いてみると、こんな感じ。
飲みかけのワインなどもあって、本当にここに人がいそう、リアリティーを感じる。
こちらは?
グラデショーンの美しい書籍がずらり。
本も並べ方でアートになる。
数多の剥製の中で、その美しさにしばし見惚れ鑑賞したのが2頭のレオパード。
このガラスケースの周りをグルグルと何周もしてしまいました。
後頭部から背中のしなやかで強靭なライン。
尻尾もムチのように長く、エレガント。
この可愛い腕から鋭い爪がシャキ〜ンと出たところも見てみたい…。
自称レオパ柄ラバーとしては、これまでたくさんのレオパものをコレクションしてきましたが、この本物の滑らかツヤ感は別物なのだと目の当たり。
ファッションとして人が身に付けたくなるのもわかる。
猫派、犬派といった身近なところから人それぞれ好きな動物があると思うのですが、そういえばYさんはフクロウ好きだったよね、とか
Bさんは熊好きでグッズをコレクション。
親戚のGくん(6歳)は只今絶賛「危険動物」に夢中で図鑑を読み漁っているとか?!
そういえば亡くなった祖母はイノシシ年でしたが、自他共に認める猪突猛進タイプ…。
誰かを連想させるもの、人それぞれ惹かれ好きになる動物も違っていて面白く感じます。
私はというと、観賞という視点では鹿が一番♡
美しい角(そのカタチ、バランス、なんとも神々しい)、黒目がちな瞳、そして駆ける姿は軽快。
座り心地云々は別に部屋のアクセント、オブジェになる角椅子。
天井に角がいっぱい!
剥製はじめ芸術作品としてユニークなものに溢れた『Musée de la Chasse et de la Nature 』(狩猟自然博物館)は比較的いつも空いてるようなので、パリの喧騒から離れたい時など静かな動物と自然の世界にひたれる場所です。
フランスの国民的人気キャラクター「プチ・ニコラ」のイラストを手がけるサンペ(Jean-Jacques Sempé)の絵が大好き♡
あちこち街中にあったそのイラストを前に気持ち良く2023年が始まったのでした。
改めて今年が良い1年になりますように♡
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