Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

西太后の食卓 ~厲家菜~

先月パリを離れる前は、ちょうど苺の季節でマルシェに沢山並んでレストランでも苺デセールが
充実していた時期でした。
戻ってみると、苺はちょっと少なくなっていて今は桃やサクランボがてんこ盛り状態

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果物好きなので、こうして季節を感じる果物は見てるだけで楽しい

でも、やっぱり見てるだけでは我慢ならず、フランス南西部のMoissacという町の
サクランボを買いました。
アメリカンチェリーというより、日本の山形県のサクランボみたい。

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話は遡りますが、
日本を発つ前の最後の晩餐は毎回悩みます。
冷蔵庫に食べ物を残せないので外食になりがち。
で、今回お邪魔したのは、六本木にある「厲家菜」(レイカサイ)

完全個室で3室のみというレストラン。(真っ白い磁器が綺麗)

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こちらは中国は清王朝時代の西太后の宮廷料理人の責任者だった方を祖父に持つ女性が
オーナーで現在、北京本店、上海店、東京店を持つ厲家の方が経営する宮廷料理レストラン
門外不出のレシピは厲家のみが管理しているそう。

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お料理は美食家で人一倍健康や美容に気を配っていた西太后が日々食べていた「家庭料理」(家常菜)。

<前菜・一皿目>
一口サイズで5種ずつ3皿提供されました。

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・蓮根の挟み揚げ
・鱈の揚げ物 スパイス醤油
・人参とセロリ、白胡麻の炒め物
・麻豆腐(緑豆を発酵させたもの。北京で発酵して空輸だそう。ねっとりしてて美味しい!)
・北京ダックの皮と細切り竹の子の炒め

「宮廷料理」という言葉からイメージする料理はとにかく豪華でボリューム満点なもの。
でも、こちらは少量で油切りもしっかりしてるので、油っこさがない。

どのお皿にも余計な調味料は一切使わず、素材の持ち味を最大限に活かす感じ。


<前菜・2皿目>

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・白菜と空豆の漬け物の炒め(こちらも白菜を北京で発酵)
・海老の錦糸卵揚げ
・青菜と干し海老(小さな干し海老ですが、全て丁寧に背ワタ処理されてます)
・北京ダックと海老のすり身の揚げ物(3層になっていて下から北京ダック、海老すり身、胡麻です)
・羊肉の炒め物

こちらのレストランでは北京から派遣された3名の料理人が腕をふるっています。
なんと、その3人は7年前に来日して以来、お店以外で食事をしたことがないとのこと
原則、お店以外での飲食は禁止。なぜなら他の味を口に入れると味覚がブレてしまうから、と。

<前菜・3皿目>

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・白アスパラ炒め(2本あったのですが、写真前に1本食べちゃいました
・翡翠豆腐(こちらも発酵豆腐)
・骨付き豚肉の甘酢味(仕込みに2週間かかるそう)
・北京ダックの巻物
・北京風豚ばら肉の炒め
(写真の前に食べてしまいました上品な燻製ハムでした。)

西太后は常時150種類もの料理を1回の食事で用意させていたそうで、専属料理人は128名。
中国、やっぱり国土も広いけど、やることもデカイ!って感じですね。

<主菜その1>
フカヒレと家鴨の煮込み

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フカヒレの繊維が太いです。もやし並み?

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お店の方のお話を聞いていると
料理は新しいことを追及するだけじゃなく、古い伝統を守り続けることの大変さと美味しさも
あるんだなぁ思いました。

<主菜その2>
金目鯛の煮物。スープ仕立て。
魚沼産コシヒカリごはん。

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とても繊細で薄味ですが、特製ソースをかけると味が締まります。
上の揚げたネギが香ばしくて美味しい。


白飯は「ご飯が食べたい」という日本のお客様の要望により、日本だけで出しているそうです。
スープの出汁は老鶏から。
卵を産まなくなった「老鶏」は、栄養が良く美味しいのだそうです。

<スープ>
イカの卵巣と冬虫夏草

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卵巣か・・・なんとなく同性と思うと気持ちは複雑
でも食べてみると、くせはなく食べやすい。程良い歯ごたえ。

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これこれ、冬虫夏草。虫・・・
でも美肌の為なら食べたるっ!(ミニサイズで良かった)

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以前、TVでカエルの卵巣がものすごく美容に良いと言ってるのを思い出し、
そのことをお店の人に尋ねると、そのカエルは「ハスモ」と言って特別で、なんと雪の中で冬眠する
という寒さに強い生命力豊かなカエルだそう。次回チャレンジしてみようかな

<デザート>
三不粘(サンプツァン)

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とうもろしの粉、卵黄、油、少々の砂糖をフライパンで700回くらいかき回すとこうなるそう。
技あり職人の一皿 ほんのり甘く、温かくて美味しい
お皿につかず、箸につかず、歯につかずで三不粘というネーミング。

すっかり夫も気に入って、「これ、作ってくれ!」と。
無理だから、秘伝のレシピだから、700回も中華鍋で掻き混ぜてたらケンショウ炎だから


とにかく全体を通して優しい味で、体にいいと感じる料理ばかりでした。
で、翌朝体重を測ると、なんと体重1キロ減
食べて痩せるなんて、にわかに信じがたく胡散臭いですが、ホントにホント

ここ数年、帰国すると体質改善に鍼灸治療を受けているのですが、先生のお話で
食べ物一つ一つにも陰と陽があって、自分の体質との相性があると知りました。

私のような体質では、痩せようとして生野菜サラダなんかを多量に採ると益々体を冷やして代謝が落ち、
痩せない上に体調も崩す、と。
今回いただいた「厲家菜」の食事は、体質に合っていたんだと思います。
食後にじんわりと体が温まりお風呂でも汗が普段より多く出て代謝が上がり、
翌日からの体調も良い感じです。

なんて色々思ったのですが、
も、もしかして痩せたのは先日から飲んでいた「ケニアティー」のお陰
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<Info>
厲家菜
東京都港区六本木6-12-2 六本木ヒルズけやき坂通り 3F
03-5413-9561
http://reikasai.happy-dine.jp/
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KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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