
ワシントン・ナショナル・ギャラリー展
六本木にある国立新美術館へ行ってきました。
お目当てはアメリカ・ワシントンD.C.にあるナショナル・ギャラリーが所有する印象派とポスト印象派
の企画展です。
印象派と言えば、パリではオルセー美術館にその多くは集まっています。
で、ワシントンにはどんなものがあるのかな?と、興味が涌いたので行ってきました。
何度かこのブログで書いていますが、パリには本当に美術館が多いです
そして毎年色々な特別展も開催され、毎月第一日曜日は無料開放される美術館も多々。
なので美術館がとても身近で、絵が全く描けない私も美術鑑賞がとても楽しく好きなりました
そうすると、かなりざっくりですが自然と「西洋美術史の流れ」みたいなものが頭に入ってきます。
この「印象派」と呼ばれるのは1860~1890年くらいですが、それ以前の19世紀半ばは「写実主義」。
「写実主義」では現実のツライ部分、暗い部分を見つめて描き、労働者などが多く描かれてます
その後にやってきた「印象派」は、「写実主義」とは逆に明るく、楽しい雰囲気とオシャレピープルが
沢山登場となります。
当時のパリの洗練された人達がカフェ、キャバレー、競馬場、行楽地などでオシャレな生活を
エンジョイします。 そんな風俗を描いた印象派の画家達。
更に、チューブ入り絵具が開発されたことで、戸外で油絵を描くことが可能がなったというのは画期的で
大きな転機
自然を観察し、時間とともに変わる光の変化で、建物、空気、水、全ての見え方が変わる、と。
その光の一瞬を描いた絵。それが「印象派」、という感じですかね。
こちらは、有名なモネが描いた「日傘の女性~マネ夫人と息子~」
こちらは、マネの「オペラ座の仮面舞踏会」
火事で焼失する前の旧オペラ座。全体的に黒い中で、左端のピエロのような道化師が印象的。
右端奥のお髭の男性がマネ本人だそう。
マネが描く「黒」は、カッコいいなぁと思います。今のパリジェンヌが全身黒ファッションをオシャレに
着こなすことに通じるものを感じるのですが。
こちらは、ゴッホが自殺する少し前に書いた「薔薇」。
これが描かれた当時は、赤色が鮮明で緑と赤のコントラストが美しかったそうですが、今では赤色が
抜け落ちてしまったそう。
鮮明な赤色、見てみたかった!
ところで、この展示はそろそろ終わりだというのに(9月5日までです!)見ごたえあるだけあって、
とても混み合っていました。
お土産コーナーでも、なかなか見たい物に手が届きません。
なんとか記念に買ったのは、このブックマーカー。
たぶん、マネの「オペラ座の仮面舞踏会」の道化がモチーフ
と、思ったら夫はキャンバス地に複製されたルノワールの「アンリオ夫人」を買っていた
以前、アメリカに暮らしていた彼は、この絵と久しぶりの再会をしたようで感激。
そして「この人、好きなんだよね~」と、うっとりしてる
確かに透明感のある女性で、作りこんだ、盛った女性という感じは全くしない。
派手なメイク映えする女性も好きなくせに、こういう女性も好きなのかぁ、守備範囲広いな、と
改めて思った次第
ところで、このワシントン・ナショナル・ギャラリーは、イギリス大使も歴任した事業家で大富豪の
アンドリュー・メロンが、「ロンドンにナショナル・ギャラリーがあるように、我が国にも首都に
ふさわしいミュージアムをつくりたい」と、その夢を実現すべく、自らのアートコレクションと美術館設立
のための資金を、「美術館には自分の名前ではなく、国家の名前をつけるように」という条件付きで
連邦政府に寄贈したのだそう。
こういうアートコレクションを個人で持っていたこと自体かなり驚きでですし、それをポーンっと国家に
寄贈してしまうところが、やっぱり凡人には出来ないな・・・と、そんなことにも感心しながら帰宅しました。
最後にパリの一枚を。
これ、ある日ヴォージュ広場のわきの公園に出現したモグラのアート。
なかなか可愛い芸術
結構な大きさでした。
こんな風に芸術の都・パリは、色々なアートが出現するのですが、以前は公園の噴水の中に
人間が頭から突き刺さって水面から足だけ出ているアートが
それは、私には横溝正史の「犬神家の一族」にしか見えなかった
近くにいた初老のムッシューに
「これ、どう思う?ヘンだよね。撤去して欲しいよね。」と、話しかけれました。
そんな風に、ちょっとした街中の芸術を通じてアレコレ見知らぬ人と話せるのもパリの魅力
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<INFO>
国立新美術館:東京都港区六本木7-22-2
「ワシントン・ナショナル・ギャラリー」は9月5日迄
http://www.ntv.co.jp/washington/index.html
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