Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

Tannhäuser ~画家のタンホイザー~

オペラ鑑賞にパリ・オペラ座バスティーユへ行ってきました。
今シーズンどうしても鑑賞したかった1本がリヒャルト・ワーグナーの"Tannhauser"(タンホイザー)

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何度かブログにも書いてるオペラ・バスティーユは、ガルニエ宮に比べると新しくモダンな建物。
長く座っていてもお尻が痛くならない

入ってすぐ右手に本やDVDなどを売ってるショップがあるものの、ガルニエ宮に比べると狭く、
雰囲気もあまりないかな。

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装飾もミニマリズムなので、休憩時間や開演前にブラブラする楽しみはあまり無いんですよね~。
なので早々に席へ

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さて、今回のオペラ"Tannhauser"(タンホイザー)は3時間ちょっと。休憩を入れたら4時間以上。
でも、ストーリーは比較的わかりやすいので、眠くならずに鑑賞できるオペラ


<主な登場人物>

タンホイザー・・・ヴァルトブルク城の騎士で吟遊詩人。エリザベートと愛し合ったいた
ヴォルフラム・・・同じくヴァルトブルク城の騎士、吟遊詩人。
          タンホイザーの友人で、彼もエリザベートを密かに愛していた
ヘルマン・・・チューリンゲンの領主
エリザベート・・・ヘルマンの姪
ヴェーヌス・・・ヴェーヌスベルグに住む快楽の女神。ビーナスのこと。

こちらが今回のキャスト。

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本来のストーリーは、
時は13世紀の初め、場所はドイツ・チューリンゲンのヴァルトブルク
中世の時代のドイツでは、騎士が「吟遊詩人」として歌う習慣がありました。

戦地で活躍するだけでなく、インテリジェンスも必要ってことかな?

単に"Tannhauser"(タンホイザー)と呼ぶこのオペラも正しくは、
"Tannhauser und der Sangerkrieg auf Wartburg"(タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦)

なので、騎士達が歌を詠み合って競う歌合戦のお話
そこで主人公タンホイザーが聴衆に非難されるような歌を詠んでしまったことで、大ブーイング。

反省するも、領主に追放され、その赦しを得る為にローマ教皇の元へ行くが、結局赦してもらえず
悲観して自堕落になりそうなところを、タンホイザーを一途に思うエリザベートが自分の命と引き換えに
神に許しを乞う。
最終的にはローマ教皇の特赦を得ることができる。が、結局タンホイザーも死んじゃう
そんなお話。

でもパリ・オペラ座でのオペラはモダンな演出が多く、原作とはちょっと違った感じになることが多いので
それが斬新で好きな人と、ちょっと苦手な人と分かれることも

今回も、時は現代。タンホイザーは画家。エリザベートは画商の姪。
という設定で、歌合戦ではなく、絵のコンクールという設定に
(プログラムから引用の舞台写真とカーテンコールの写真を入れがらお話を。)

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ヴェーヌス(ヌード・モデル)と快楽の日々を送っいるタンホイザー
でも、ある時昔を思い出し、急に懐かしくなる。
そしてヴェーヌスとの別れを決意。
ヴェーヌスは彼を引き止めたが、タンホイザーは拒絶し、ヴェーヌスと別れる。

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最初の場面、ヴェーヌスがフルヌードで登場してびっくり
しばらくしてから、写真のようにシーツをドレスのようにまといます。

オペラ歌手は、歌唱力、演技力はもちろん、時にはこんなふうにヌードになるとは大変です。
こちらがそのヴェーヌス役のSophie Koch。 綺麗でした

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ヴェーヌスとの快楽にふける毎日から脱出したタンホイザーは気がつくと、
画家仲間の親友ヴォルフラム達と再会。みんなタンホイザーの帰還を喜ぶ

官能の世界に溺れた罪の重さからタンホイザーは、みんなの元へ戻ることを最初は拒否するものの、
エリザベートが彼の帰りをずっと待っていると知り、帰ることに

今回も出演者が多く、合唱団の人数もスゴイ。
声に声が重なる合唱、主役の二人の掛け合い、迫力満点のオペラ。
そして聞き慣れた(CMなどにも使われてる)旋律が繰り返され、飽きない音楽。

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タンホイザーはエリザベートと再会

そして、ちょうど絵のコンクールが開かれる日だった。課題は「愛の本質について」。

こちらが大喝采を浴びたエリザベート役のNina Stemme。

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ヴォルフラムや他の画家が女性に対する奉仕的な愛を表現するの対し、
タンホイザーは自由な愛を主張し観衆の反感を買い、更に快楽の女神ヴェーヌスを讃える歌を歌いだす

我に返ったタンホイザーは自分のしたことを悔やむが、時すでに遅し。
画商はタンホイザーを画壇から追放処分とし、ローマに巡礼に行き教皇の赦し得られれば戻ってきてよい
と告げる。

こちらがタンホイザー役のChristopher Ventris。

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タンホイザーが旅立ってしばらくした頃、エリザベートは、タンホイザーが赦しを得て戻ってくるようにと
毎日マリア像に祈り続けている。
ついにエリザベートは自らの命を捧げてタンホイザーの赦しを得ようと決意

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密かにエリザベートを愛していたヴォルフラムは、彼女を説得するが失敗。

ここが切ない
ヴォルフラムに強引さはないんですよぉ。
「あんな男より、俺の方が絶対幸せにできる」とは言わない・・・。
あくまでエリザベートの気持ちを尊重する。
ヴォルフラムの届かない気持ちにジーーンときます
エリザベートよ、ヴォルフラムの気持ちを受け入れろ~。

ヴォルフラム役は、こちらのStephane Degout。
イイ人だけど、イイ人は、どうでもイイ人になってしまいがち・・・。

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傷心のヴォルフラムの前に、ぼろぼろの風体のタンホイザーが現れる

タンホイザーはなんとかローマに到着し、教皇に赦しを乞ったのだという。
しかし教皇は「罪はあまりにも重い」として彼を赦さず、
「私の杖が二度と緑に芽吹くことがないのと同じく、お前は永遠に救済されない」と破門宣告

絶望したタンホイザーは、再びヴェーヌスの元へ戻ろうとしてさまよう途中ヴォルフラムに再会したのだった。


タンホイザーの呼びかけにヴェーヌスが現れ手招き
ヴェーヌスへ引き寄せられていくタンホイザー・・・。

そこへエリザベートの霊が現れる
エリザベートとヴェーヌスが重なり、一体化したよう

エリザベートが自分の命と引き換えにタンホイザーの赦しを神に乞うたことを知るタンホイザー。
そしてタンホイザーは、快楽と献身的な愛が一体化した素晴らしい絵を描く。
彼は画家として大成功を収める <FIN>

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なんだかな~この男!という感じ。
どうにも誘惑に弱く、現実逃避で中途半端な芸術家肌のダメな男
最後は成功するものの、どんな時もエリザベートが彼をかばい、誠心誠意を尽くしてくれたから。
こんな男に命まで賭けちゃダメダメ、と第三者は思うけど、自分も当事者になったらどうなのか

それに昔も今もダメな男ほど、しっかした女性にモテちゃったりするから不思議

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私ならタンホイザーより、地味でもヴォルフラムの方が全然好きになりそうだけど、
好きになってもらったからと言って、その人を好きになれるものんでもないしね~。
難しいな、男と女

やっぱりオペラは、日常のありがちな一場面や一感情を、ちょっとデフォルメして見せてくれる人生劇場?
面白いよね~と思いながら帰宅
パリはますます寒くなってきました。
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Info
Opera national de Paris
http://www.operadeparis.fr/cns11/live/onp/
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