
S.M.Sopra Milerva
ローマの教会は外観が質素で地味な感じでも中に入ると驚きの美術品コレクションだったりします。
こちらもそんな教会の一つ"S.M.Sopra Milerva"(サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会)
この教会は、パンテオンのすぐ近くに。
ちなみにこれがパンテオン。こちらも中は見どころ満載ですが今回は割愛。
で、このサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会の前の広場には、紀元前6世紀のオベリスクを
背負った「象」の像があるそうですが、残念ながら修復中でした
象は「強さ」、ミネルヴァ神は「知性、学術、戦いの女神」なので、そのオベリスクの土台には、
「確固たる強い精神には健全な知識が必要」と記されているそう。
長い名前のこの教会、「ソプラ」は「上に」という意味なので直訳は「ミネルヴァの上のサンタ・マリア教会」。
もともとは、このエリアにミネルヴァ神殿があったんだそうです
という訳で早速中に入ってみると、教会内の説明が・・・!
ざっくり見ただけでも、有名な芸術家の名前が並んでいるので、ココがまたまた美術館のような教会だと
わかります。
教会内部は、ローマで唯一の「ゴシック様式」なんだそう
パリではゴシック様式は珍しくないのですが(ノートル・ダム大聖堂とか)、同じゴシック様式でも何か違う
印象。
天井が青がとても綺麗で、入った途端「うわ~」な気分(どんな気分だ・・・)
蝋燭の灯りが優しく灯っていました。
私はクリスチャンではないけれど、教会に入るとやっぱりなんとも言えない神聖な気持ちにはなれます。
夏はひんやり涼しく、冬は少し暖かい教会は、いつでも、どんな人でも受け入れるみたいな感じ。
ゴシック様式と言えば!バラ窓。
「受胎告知の礼拝堂」には、ロマーノ作の「受胎告知」が。
そして「カラファの礼拝堂」は、大理石のアーチで囲まれ壁3面にフィリッピーノ・リッピのフレスコ画で
埋め尽くされてます。
このような重要作品は、普段は暗くてこんな状態。
これはこれで雰囲気があるけど、コインを入れるとライトアップされてより鮮明に見えます。
近くにいた男性がコインを入れてくれました
このフレスコ画は、聖トマス・アクィナスの逸話を描いているのだそう。
で、聖トマス・アクィナスって13世紀の哲学者・神学者だと知りました。
フィリッピーノ・リッピの絵は好き
紛らわしいけど、彼はフィリッポ・リッピの息子です。
という訳で、しばらく見惚れました。
主祭壇。
そにしても天井の青と金が本当に美しい天井
主祭壇の横にはミケランジェロ作の「あがないの主イエス・キリスト」
ちょっと腰に巻かれた布が不自然な気も・・・。
後から付け足されたんですかね?!
グラツィオーリ礼拝堂には、ペルジーノ作の「主イエス・キリスト」
ペルジーノという画家の名前はココで知ったのですが、このキリスト様の前から少し動けなくなったのは何故
だろう・・・。
天使だ!と思って近づいたこちらは、ベルニーニ作の「尊者マリア・ラッジの大理石祈念像」。
ローマで何回「ベルニーニ」って名前を聞いてるのか・・・と思うほど、あちこちにあるベルニーニ作品。
こちらは、ベノッツオ・ゴッツォリ作の「聖母子」。
ローマのすごいところは、すごいモノを普通に置いてあるところかも。
教会なら誰でも目にすることができるし、もともと芸術家達の作品もその教会の為に作ったものだし、
傑作だからと言って無理に美術館に集めていない
暗くて写真がうまく撮れなかったのですが、この教会にはフラ・アンジェリコのお墓もあります。
先月パリのMusee Jacquemart-Andre(ジャックマール・アンドレ美術館)で見た
"Fra Angelico et les Maitres de la lumiere"(フラ・アンジェリコと真の光を描いた巨匠たち)展
のお墓だ・・・と思うと、これまたちょっと感慨深い気持ちに。
今回も、この教会はたまたま歩いていて「入ってみる?」と気楽に入った結果。
ローマにはきっとまだまだそんな場所は沢山ある、と思うのと時間は限りなく足りない感じです
最後に無理矢理パリ話題。
リニューアルされたオルセー美術館、かなりモダンな雰囲気になったみたいです。

ARCHIVE
MONTHLY