Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

"Bigarrade"~しばしのお別れ~

年末、日本を発つ直前、個人的にはちょっとショックな知らせが・・・。
大好きなパリ17区のレストラン"Bigarrade"(ビガラード)
2月いっぱいで閉店かもしれない、と。

4年半前にオープンし、すぐにミシュラン1つ星、翌年に2つ星
あっという間にパリで評判のレストランになり、連日満席の人気店に。
それなのに、なぜ

という訳で真相を確かめるべく、ディネにお邪魔してきました

スーシェフのジュリアーノが11月末に突然辞めちゃったそうで、
シェフのペレさん以下キッチンは大忙し。

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まずは、いつもの一口フォカッチャとオリーブオイル
ローズマリーが香り、ちょうどいい塩加減が食欲をそそるスタート。

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ホントにこのお店は終わってしまうのか?
と色々聞きたいけど、とりあえず喉が乾きました。

オススメのシャンパンがあるということで、それ1本で通すことに
"Jacquesson 2002" 梨を感じるようなとても美味しいシャンパンでした。

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そしてソフトシェルクラブの揚げたてを、アツッと言いながら
いつものように手でつまむ。うまっ!
焼きライムを添えて。

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やっとお腹も気持ちも一息

いつも通り満席の店内は和やかな雰囲気。

そろそろソムリエのジュリアンに聞いてみよう。

「2月でお店が締まるって聞いたけどホント?」

「うーーん、レストランとしては残るかもれないけど、シェフのクリストフは去ると思う。」

「じゃ、ジュリアンはどうするの?」

「うーん、まだ未定。わからないな」と、笑顔。

時々思うのが、仕事を失ったりで先行きが不安な時でもフランス人は
時々とても笑顔。
それは苦笑いとかでもなく、ま、それはしかたない(セ・ラ・ヴィ!) 
残念だけど、他にもっとイイことあるかも?
ぐらいな感じでとてもポジティブなエネルギーが見え隠れする


さて、次は立派な生牡蠣。
カリカリの蕎麦の実がアクセント
今はホントに牡蠣が美味しい季節ですね~。


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フォアグラ。海苔、そしてその下には甘塩の梅干しが・・・!
日本の食材を駆使するシェフだけど、日本には行ったことが無い。
故にとても斬新というか、驚きの一皿になることが多い

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と、食べながらもついつい気になる。シェフ辞めちゃうんだ・・・と。
新しいレストランでも始めるのかな?

それにしても今がこんなに順調なのに、それを手放してもしたいことなのか??

私があれこれ考えても仕方ない
ただ、もし自分が彼の立場だったり、彼の奥さんだったら?と
思うと今の成功に執着してしまいそう・・・。


肉厚の帆立の表面を少し焼いて。
揚げたネギを花のように。
そして届いたばかりの黒トリュフをスライス。緑色は抹茶

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そういえば昔、「何があってもついてきてくれるか?」と、
夫に聞かれたことがあったなぁ

「無理無理」 と即答した私を見て、夫は
「俺はこれまでの人生で最大なミスを犯したのでは・・・」と感じたらしい

ルジェ(ひめじ)には、ブルターニュの花を散らして
この花の名前は忘れてしまったのですが、この時期は普段はないものが
今年は暖冬で咲いちゃったそうです。

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昼も夜もほぼ満席。
予約は2ヶ月先まで一杯。
評判を維持しながら更に新しい料理を考える毎日。
そんな毎日にシェフは疲れたんじゃないかな、と夫がつぶやいた。

しばらく旅行したり、全く違う世界で勉強するとか、そういう人生の時間の
使い方はアリでしょ、と


緑の葉の下には、アワビ
柔らかいのに強い弾力。
この食感にする為に数日前から仕込みを行い、優しくマッサージして
休ませると繰り返すそう。

アワビの味なのに、アワビじゃない、と思わせるくらいの柔らい初体験の食感。

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続いてしっかり締まったアンコウ。
どれも小さいポーションで一口で終わり。
でも一皿ごとの食材の仕込み時間などは想像以上のようです。

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肉料理は野鳩でした。上に乗ったキューブはベトラーヴ(ビーツ)。
グラスの赤ワインをいただきした。(memeという名前のビオワイン

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グラニテは、クレマンティーヌ(みかん)。真ん中に厚切り黒トリュフを

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そしてチーズは2種類、シェーブルと薄い赤褐色のブリー・ド・ムランでした。

その後始まるデセールの時間。
いつもように少しずつ種類豊富
左からマンゴー&マンゴークリーム?、レモンのババロア?、パイナップルの・・・
なんだろ?!

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美味しいバニラのアイスクリーム。下にはピスタチオムース?
上にはキノコのチップス。(何キノコ?)

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このあとマッシュルームを使ったデセールは、ティースプーンサイズで一口で終わり。
写真も取り忘れ

そして最後は、チョコレートケーキ。
層になったチョコレートケーキは、甘過ぎない心地よい苦味があって、
もっと食べたい

お皿の中は、ライチを浮かべた液状チョコレート。酸味が美味しい。

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こんな風に1回のメニューで、少しずつだけど、かなりの皿数。
どれも焼いただけ、茹でただけのような単純なものはなく、
丁寧な下ごしらえと想像もつかない隠し味が添えられている
クリストフ・ペレさんのお料理。

世界中を旅をしているみたいな気分になる

夫が言うように引き出しから出してばかりの毎日が続いたら、
逆に新しいことを取り入れる時間が欲しくなるんだろうな~とは思う。

最後のカフェとダックワーズを食べ終わる頃、キッチンも落ちついたようなので
シェフとお話。

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「ここ辞めるってホントですか?」

「う~ん、たぶん。」

「じゃ、辞めた後は?」

「まだわからないな~。でも決まったら連絡します。」

「日本に来ませんか?」

「いいね、日本!とても興味はあるよ!」

「アメリカでもイタリアでも、どこでもシェフのお店には行きます!」

「メルシー。しばしお別れのビズゥを

本当はもう次のプランはあるのかもしれないし、しばらくは休みたいのかもしれないし。
どっちでもいいけど、またいつかペレさんの作る料理が食べれますよ~に


最後に一緒に働くSさんが言っていた
「シェフは人生楽しんでますから。」
という言葉が心に残りました

高いクオリティと評判を維持するのは大変。
それを辞めて新しいチャレンジも大変。

どちらも大変なことだと思うけど、シェフのスタンスは常に自分の人生を
楽しむことなのかも?と。

それに伴うリスクは背負うけど、それでも自分らしくいこうとする姿は
カッコイイ


「キミさ、俺にはついてくるの無理だって言ったくせに、
ペレさんにはついてくわけ?」

「心をつかむより胃袋つかめ、美味しいゴハン作る人から
離れらないって言うでしょ~

「それって男が女性に感じることだよ。料理上手の奥さんが一番てこと

「・・・・。」
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<INFO>
La Bigarrade(ラ・ビガラード)
106, rue nollet 75017 PARIS
01.42.26.01.02
http://bigarrade.fr/
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KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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