Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

女の子の"嫉妬"

「子供の頃、好きだった絵本は何?」
と、聞かれれば私は「ブレーメンの音楽隊」と即答です

寝る前に母に「もう1回、もう1回」と毎晩おねだりしていたことを
今でもよく覚えている。
同じ本を何度も読まされた母は相当うんざりだったと思うけど・・・。

意外にも?私も夫も絵本好きで、それぞれ少しずつ
コレクション中です

先月のパリ滞在中に私が買ったのは、この絵本
"Le Sauvetage de MADELEINE"

日本でも「マドレーヌといぬ」で有名な一冊。

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こちらをフランス語で読みたかったので買いました

お話がパリが舞台だったので、恥ずかしながら作者は、
ずっとフランス人だと思っていましたが、
作家Ludwing Bemelmans(ルドウィッヒ・ベーメルマンス)は、
オーストリア生まれで16歳で渡米し、アメリカで絵本を描き始めたと
知りました

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主人公のマドレーヌはパリの寄宿舎に暮らす
アメリカ生まれの女の子。

そこに暮らす12人の女の子の中では一番小さいけれど、
元気でお転婆で勇敢なマドレーヌ。
そんな彼女と女の子たち、先生がヨーロッパをあちこち冒険する
シリーズ化された物語

この本は、見覚えのあるパリの風景が所々に出てくるところも
ちょっと嬉しく、笑顔になれる絵本。

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絵本は短い言葉の中にリズムがあって、それは言語ごとに
違った風にも感じられる。

フランス語で読むと、小さなパリジェンヌ・マドレーヌの
可愛さがよりリアルに感じました。


そして、私が大人になってから買った絵本の一つが
マドンナ原作、江国香織訳の
 The English Roses 「イングリッシュ ローズィズ」

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いつも一緒で仲良しの女の子グループは
「イングリッシュ ローズィズ」と呼ばれる4人組み。

何でも4人で楽しむのに、近くに暮らすビーナとは仲良くしない4人。

その理由は、「嫉妬」と「妬み」

ビーナは、非の打ちどころのない美人な上に性格もよく、
勉強もできるし、スポーツ万能。
そんな彼女は周りからは綺麗だ、ステキだ、いい子だと褒めらてばかり。

ビーナの存在はイングリッシュローズィズには、面白くない。
だから仲良くしない。できない。

そして、ビーナも自分からイングリッシュローズィズの仲間に入れて、
とは言えない。

お互い意識はしてるのに仲良くなれない5人。

ママの言葉や妖精の出現でイングリッシュローズィズ達は、
自分達がしていることがどういうことか知り、反省もし、
最後に5人は仲良くなり、それぞれがステキな女の子になるというお話。

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そんな子供向けのお話と思いきや、私自身は一年に1回、
数年ぶりに1回でも読むと、その都度その都度思うことがあり、
それまでの自分を内省するきっかけをくれる本です。

自分と全く同じ人間などいないのだから、人が人を羨ましく
感じたりすることは、生きていればあると思う。

とかく、自分が持ってないものを持ってる人や、いとも簡単に
手に入れたように見える時、
たとえ子供でも、誰かを妬ましく、羨ましく感じてしまうと思う。

私自身は何事もみんな平等で同じと思って疑わないような
呑気な子供時代だったけれど、
だんだんと、世の中は平等に不平等かも、と感じるようになり、
生き様について色々考えることも。

誰かや何かに嫉妬したり、妬んだ結果を言葉や行動に表した時、
それは自分が思う以上に醜いものなのだと思う。

自分の姿が客観的に見えないだけに、自分が気づく前に、
目の前の人や側にいる人にはわかってしまう。

この絵本を読んでいると、他人の芝生が青く見えることは
時にしかたないけれど、実際にその人の置かれた立場や
生きてきた人生を簡単に知ることはできないし、
相手を理解できてない中で、一方的に表面的な部分を見て
人を妬むことの愚かさを知ります。

また自分と同じ人間などいない、という基本的なことを思い出すことで、
これまでの自分や今の自分が他の誰にとって変わることもできない
唯一のものだと知ることで、自分を大切にした方がよいと思うよう
にもなったり。

女性に限らず、男性も嫉妬はする生き物だと思うけれど、
女の子は自分の中の嫉妬や妬む気持ちと上手くつき合って、
自分を大切にできたら、自分だけのキラキラを発するステキな女性になれる、
そんなことを教えてくれる絵本。

読んでもさほど何も感じない時もあれば、時に一文がグッサリ
胸に刺さることもあるイングリッシュローズィズ。

今回読んだ時は、ちょっと刺さりました


たかが絵本だけど、短時間でサっと読むことができ、その中で
見失いかけてるものを気づかせてくれるものがあるとしたら、
そんな絵本はこれからもずっと大切に付き合っていきたいと思うのです。

そんなことをちょっと思った2月最後の週末でした。


おまけのパリ
映画にもなった"Azur et Asmar"

アニメなのに、その中で使われる色が今まで見たことない、
息を飲む鮮やかで綺麗な色

その目眩い色彩に感激して、絵本、さらにはDVDまで購入。

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一際「青」&「緑」が美しい絵本を開いては、ちょっと目の保養

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イスラム文化は、私にとってはなかなか縁の無いものですが、
それでも、パリでは、自宅から歩いていける距離に
La Grande Mosquee de Paris という大きなモスクがあり
雰囲気のあるお庭を見に立ち寄ったり、

セーヌ川沿いにそびえる「アラブ世界研究所」では、
面白い文化・芸術の展覧会やコンサートも開催されるので、
それなりに身近にイスラム文化に接することができます

こちらがそのグランド・モスクの塔。

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モスクの一角には、レストランやサロン・ド・テ、ハマム(サウナ)
&エステもあります

こちらの雰囲気のあるレストランのクスクスはなかなか美味しいので、
来月久しぶりに食べに行ってみようと思いま~す。

KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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