Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

パリでフジタに出逢ってしまった!

パリ暮らしがきっかけで好きになった美術館巡り
あれこれ観に行くうちにパリで活躍した日本人画家にも少し興味が湧きました。
その一人が藤田嗣治(レオナール・フジタ)

最近私が読んでいる本の一つが、その藤田嗣治の生涯を書いた「藤田嗣治 異邦人の生涯」
(近藤史人 著)。

「猫」と「女性」を得意題材としていた彼が帰国後どうして「戦争画のスター」になったのか?
そして戦後フランスに帰化し、二度と日本に帰らなかった理由は?
そのあたりをもう少し詳しく知りたくて読んでいる1冊です。

0227 (2)

「エコール・ド・パリ」と呼ばれる1920年代に活躍した彼の絵はパリでは、ポンピドゥセンターや
パリ市立近代美術館などに作品があります。

0227 (4)

特に私は、この"Cafe"という作品が好きで、ポストカードを額に入れて、今では東京の鏡台の上に
飾ってます。

0227 (7)

なんとなく、この女性を見ながらお化粧をすると、ちょっとだけ「ちゃんとしよう」な気持ちになれたり、
こんな雰囲気の女性に憧れていたり、着ている黒い洋服も好きで

そして、パリに遊びに来てくれる友人知人との観光も兼ねて何度か訪れているのがReims(ランス)にある
藤田チャペル。

0227

この教会のデザイン、設計、壁画、ステンドガラスなど全て藤田が手がけたのだそう。
中は撮影禁止ですが、こんな感じの絵で埋め尽くされた教会は、藤田ファンは一度はお参りしたい場所かも。

0227 (3)

ランスはシャンパーニュ地方の中心都市なので、チャペル見学の後は当然シャンパンテイスティング
な訳ですが、今日はそんなことじゃなく、ちょっとびっくりな出来事を。


パリでは定期的、不定期と色々な蚤の市があります。
昨年偶然通りかかった通りでやっていた蚤の市。
店番をしてるご主人としては、さほど興味がないという感じで隅っこに追いやられた一枚。
斜めのこんな角度で埃をかぶっていました

0227 (5)

そんな絵に一瞬で気がついたのは夫

「あれ、フジタじゃない?」
「え?まさか。こんなところに?贋作じゃないの。バッタもんでしょ。無視無視。」
という私の意見も全く聞かずに夫は、お店の人に絵を見せてくれるようお願いを・・・。

そして、お店の人いわく、「フジタのリトグラフ(版画)の E.A (= エプルーブダルティストepreuve d'artiste)です。
ほら署名もちゃんと入っているでしょ」と。

この絵が好きか嫌いか? 
埃をはらってジーッとみると、私達の意見は「好きだね!」と一致。
もし、贋作でも許せる値段なら買おうという緊急家族会議の後、値切り交渉へ。

「値切るのは君の仕事だ
「がってんだ!私のお色気を見てなさい
と、上目遣いで「実は、私はずっと前から藤田の絵が好きで~」
と、話そうとした矢先に、あっさり

「これに気がついてくれて嬉しいよ。おまけするよ。」
と、値切るつもりだった金額以上に安い額を提示してくれた・・・。

お色気作戦などは全く不要に終わった。というか通用したためしがない

という訳で、こちらを手に入れた訳です。

0227 (6)

贋作が多いというフジタ。
でも、どうやら本物らしい・・・

パリの面白いところであり、いい意味で怖いところは、時々信じられないところに信じがたいものが
あるといういうこと。
それは、時に血眼で探しても出会えるものでもなく、ちょっと脱力気味でいる時に出逢ったりする。
「幸運」と言われるようなものは、何でもそんな感じなのかも?
ただ、フラっと目の前に一瞬でも現われたものをガシっと掴む力、そんな力が試される街なのかなパリって?
と、思ったりです

おまけのパリ 去年の夏に訪れたアルザス地方では、沢山見かけるこの建物様式「コロンバージュ」。
よく散歩するパリ4区にもありますが、周囲と違うので結構目立ってます。

0227(8)

そしてちょっと傾いてる感じで、たぶん部屋の床にボールを置いたら転がりそう・・・。
暮らしづらそうだけど、趣きのある建物です。

KEICO

新潟県の旅館に生まれるも女将にならず、上京、進学、就職、まさかの出逢いと結婚。
約10年間のOL生活の後、2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆


そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

ARCHIVE

MONTHLY

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
キーワード別、2024年春夏ストリートスナップまとめ。
連載-パリジェンヌファイル

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories