
Brioche☆避暑地からお届け
パリ発スイスに向かう日は、いつも朝が早い。
朝が苦手(夜も苦手。どっちも苦手じゃないか...)な私は毎度バタバタな支度に追われ家でコーヒー一杯飲む余裕もない。
夫「明日の朝は時間ないからね。準備は大丈夫だよね?」
K「完璧。ヨユ〜♬」
と、毎度前の夜に応えるのだけれど、摩訶不思議...なぜか時間が圧倒的に足りなくなる。
頭にカーラーを巻いたままタクシーに乗り込む慌てぶり。
ホッとできるのは、空港のラウンジでこうして朝食を目の前にした瞬間。
夫「なんでそんなにいつも同じことを繰り返すんだ...。余裕無さすぎだ」
K「10分でできると思ったことが20分以上かかってるっぽい?!」
そんなアワアワの朝なので、何かエクササイズをこなした後のように空港に着くと腹ペコピーク。
パリ暮らし中は、普通に近所で買えるパン屋さんのパンがとても美味しいので、ここに並ぶヴィエノワズリは、それほど美味しいとは思わないけど腹ペコにつき食べます。
トレーいっぱいだったパンケーキは、わりとすぐ無くなる。
そんなラウンジでここ数年、ここでしか食べてないものがあるんです。
それは、なんてことはない普通の「Brioche à tête」(ブリオッシュ・ア・テッド)。
ブリオッシュ生地で作られたダルマのような、雪だるまのような形が特徴的なフランスの伝統パン☆
「à tête」は「頭がある」という意味ですが、中世フランスの「僧侶の頭」の形を表しているとされています。
昔は、ブリオッシュといえばコレ!という感じで、よく見かけて食べていたのですが、いつからかあまり見かけなくなったような?!
Brioche à têteの発祥は、フランス北部のノルマンディー地方とされています。
ノルマンディー地方は、豊かな乳製品の産地なので、バターを多く使用するブリオッシュが発展したのも納得。
その歴史は古く、中世まで遡るようですが、Brioche à têteの特有の形状がいつ頃生まれたのかは明確ではないようです。
ブリオッシュに関連してよく取り上げられる話題といえば、マリー・アントワネットの失言。
フランス革命時のパンの不足の際、「パンがないならお菓子を食べればいいじゃない」という言葉の「お菓子」とは「ブリオッシュ」であったと。
この発言が実際にあったかどうかは定かではないものの、ブリオッシュが当時のフランス社会で広く知られていたことを感じるエピソードです。
ブリオッシュ繋がりで、日頃@パリでいただくブリオッシュと言えば、長方形の型で焼かれたBrioche Nanterre(ブリオッシュナンテール)。
他には編み込みの形状が特徴的、オレンジの花水やラム酒で風味付けされることがある Brioche Vendéenne、スタイリッシュな形だからか最近レストランでいただく機会が増えている筒状のBrioche Mousseline、単に「パンスイスと」呼ばれることも多いカスタードクリームとチョコレートを挟み込んだ平らで長方形の甘くてお菓子のようなBrioche Suisse等々。
(関連記事→https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/liberte-parissaint-dominique.html )
さて先日@ジャポン。
海辺のセカンドハウスでお盆休暇を過ごしていたのですが、パンをを切らしてしまい、美味しいパンが食べたい!!と渇望していたまさにその時、ピンポーンなお届け物が。
思わず、ワオッ♡
箱を開けた途端、喜びの舞い\(^^)/
毎年フランス人のように、ひと夏まるっと避暑地の別荘で過ごすAちゃんが現地から送ってくれた『ブランジェ浅野屋』のパンが届いたのです。
浅野屋さんのパンは都内でも入手可能ですが、個人的には過去に軽井沢本店で食べたものは、その澄んだ爽やかな空気・環境とも重なって格別な美味しさでした。
牛乳、北海道産フレッシュクリームを使用したリッチな小型角食「スペシャルブレッド」、チーズをたっぷり乗せていただきたい「フルーツライ」そしてブリオッシュ好きとしては、大喜びした軽井沢店限定の『ブリオッシュオランジュ』。
フレッシュな卵、国産牛乳、バターをふんだんに使用し焼き上げ、ちょっぴり苦味のオレンジピールがアクセントの贅沢パン。
ふんわりとくちどけの良いリッチな味わいに、まさにこれはアントワネットが「パンがなければ〜」な発言も納得なお菓子なパンでした。
*****プチッとスイス*****
秋が来るのも早そうなスイスのビュルゲンシュトック。
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