BUTTER☆
多忙だった年末年始は全く読書が進みませんでした。
読みかけではあったものの、パリまでのロングフライトで一気に読み終えたのは、柚木麻子さんの小説『BUTTER』(新潮社)。
そのストーリーは、(ネタバレしません。新潮社公式サイトより引用)
男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。
若くも美しくもない彼女がなぜ――。
週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。
フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳にあることを命じる。
その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。
各紙誌絶賛の社会派長編。
2025パリ生活のスタートに際し、スーパーのバター&乳製品コーナーへ行くと、その本の余韻、感想が改めてじわじわとバターが溶けるように広がりました。
ざっくりな感想としては、実際の事件を下敷きにしているのでリアルで、女性同士の複雑な関係性や現代社会が抱える偏見、欲望について深く掘り下げた読み応えを感じる作品で面白かったです。
まず最初に心というか胃袋?を掴まれたのが、あまりにも美味しそうな「バターのせご飯」の描写。
更にいつか絶対食べてみたいと思ったのが、「銀座ウエスト」のバタークリームのクリスマスケーキ。
バターケーキの概念、変わってしまうかも!?
(↓銀座ウエスト公式サイトより)
作品を通じて描かれる色々な料理、食事の描写は圧倒的リアリティで、食欲をそそり、食べる行為が人間の欲望や感情とどれほど密接に結びついているかを痛感。
バターという素材が象徴する「濃厚で罪深いもの」が、登場人物の心情や事件の本質を暗示しているタイトルは秀逸。
読後には、食べることや生きること、そして人間関係のあり方、女友達との距離感など改めて考えさせられました。
バターはじめ乳製品天国のフランスにいると、罪深く贅沢な味に慣れてしまいそうで怖い?!なんて思いながら、料理用のバター選びは、やっぱり今日もこれ「ÉCHIRÉ」(エシレ)でした。
惜しげもなく料理にエシレを使えるのが、パリ生活中のプチ贅沢。
(他のバターと比べて特別高価ではないのです〜)
*****プチッとパリ*****
あれ?先日見た時とちょっと変わっていたボンマルシェのインスタレーション。
ヘビ?
巳年だからかな〜。
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