
今シーズンはナビ☆
ここ最近は毎年トレンドになってる気もするフラワープリント・花柄ですが、特にこの夏のパリでは多く目にしている気がします。
パキッと夏らしい色合いもあれば、ちょっとモーヴがかった感じのベースに小花柄のプリントという装飾的なものも。
その後者な感じは何かに通じる…と思っていたのですが、それが何か先日判明!?
その装飾性は、ナビ派だ!(と勝手に思った)
只今Musée du Luxembourg(リュクサンブール美術館)で開催中の“Les Nabis et le décor Bonnard, Vuillard, Maurice Denis…”(ナビ派と装飾芸術 ボナール、ヴュイヤール、モーリス・ドニ…展)を鑑賞してきました。
ナビ派の展覧会は、先日オルセー美術館で鑑賞したのは記憶に新しいところ。
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/le-talisman-de-serusier.html )
(本展で特に好きだった1枚、Maurice Denis(モーリス・ドニ)の「Arabesque poétiqueまたはL’Échelle dans le feuillage」)
本展は19世紀末のナビ派が「装飾芸術」において果たした役割とその業績について。
「日常生活における美」に着目にして「美術」と「応用芸術」の間で新しい表現を探求した彼らの歩みを、100点近くの絵画やデッサン、版画、調度品と共に見直すというもので、芸術的所産と美術史的見地を再考する試み。
(Pierre Bonnard 「Femmes au Jardin 」)
これまで何度か鑑賞を繰り返しているナビ派作品ですが、本展は畳サイズぐらいの大きな作品も多数。
中には10枚近いセット作品もあり、依頼主(友人やメセナ)の自宅のリビングや書斎、ダイニングに飾るものとして製作されたのだそう。
(Edouard Vuillard「Jandins Publics 」
これ1枚だけ欲しいな…な感覚では本来完結しないというか、全部飾られて完成する世界だと思うと鑑賞の視点もちょっと変わる気がしました。
少女のワンピースのデザインも柄も好き!
複数で大きな作品となると小さく低い天井の部屋では窮屈であまり映えないと思うので、天井が高いフランスのような家ならではの装飾絵画。
(Edouard Vuillard「Parsonnages dans un interieur」)
この部分に惹かれた♡
Paul Ranson 「Femme au chien qui porte un collier」
ナビ派が装飾的だと言われる理由は作品そのものもあるけれど、実際にインテリア的装飾の側面も大きいことを本展で改めて実感しました。
よく知られることですが、日本美術の影響も強く受けたナビ派。
そのへんが日本人としてもちょっと嬉しく、誇らしくも感じる日本美術と西洋美術の関わりだったり。
改めて自分がナビ派が好きな理由の一つは、テキスタイル、ファブリックを見る感覚で楽しめるからかな、と。
描かれた女性のこんなレースの透け感がいい! ドレープがエレガント!などと思う箇所も色々。
本展鑑賞後パリの街を歩いては「あの人、ナビ派なワンピース!」と心の中で思う今日この頃です。
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