Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

オディロン・ルドン ~夢の起源~

以前パリのGrand Palais(グラン・パレ)で鑑賞した

"Odilon Redon Prince du Reve"(夢のプリンス オディロン・ルドン展)以来

わりと好きになった画家がOdilon Redon(オディロン・ルドン)

そのルドン展を帰省中の新潟市美術館でやっている!ということで行ってきました♪

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ルドンは、19 世紀末のフランス象徴主義を代表する画家。

同世代のモネやルノワールたちが、野外の明るい光に照らされた絵を描いていた頃に

人の心の奥底に潜む幻想 の世界を「黒」を主体に描き続けたルドン。

彼の画業は前半は版画や木炭画による「黒」の芸術、後半は結婚や子供の誕生がきっかけと

言われてますが、一変して油彩 やパステルによる「色彩の世界」へと画風が変わりました。

彼の生い立ち、影響を受けた人や本、作品の移り変わりがよくわかる展覧会でした☆

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ルドンは1940年、ワインの名産地・ボルドー生まれ。

病弱で生まれてすぐに両親のもとを離れてボルドー近くの葡萄園ペイルルバードに送られ、

そこで幼少期を過ごします。

11 歳でボルドーに戻ってからは、植物学者アルマン・クラヴォーや版画家ロドルフ・ブレスダン

に出逢って自然科学や版画の手ほどきを受けます。

「ペイルルバードのポプラ」

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1874年最初の石版画集「夢のなかで」を刊行。

ルドンがとりわけ興味を持ったと言われる器官が「目」。

「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクター「目玉おやじ」のモデルにもなっているそう。

「エドガー・ポーに。眼は奇妙な気球のように無限に向かう」

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子供時代に病弱だったルドンは、自然と触れ合ったり、たくさんの本を読んで過ごしたようで

その中でどんどん想像力が豊かになっていったんだろうなぁと思いました。

若い頃の黒い絵は目玉や怪物を描いたものが多く、そこに添えられたタイトルやサブタイトルを

読んでもよくわからないな・・・という感じで難解。

それが50 歳を過ぎて一転★

待望の次男アリの誕生や、幼少期を過ごした思い出の葡萄園ペイルルバードの売却など、

ルドンにとって重要な出来事が起こったことがその理由らしいです。

「アポロンの戦車」

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「神秘的な騎士 あるいはオイディプスとスフィンクス」

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黒から色彩の画家に変わったルドンを見ていると、人生のある時点でガラっと生き方変える、

簡単にできることではないので、そんな生き方にはちょっと憧れるなぁと思いました。

 

今回の展覧会で私の好きだった作品は、花の画♥

黒の世界から色彩の世界にきたルドンの描く花は、ポッと気持ちが温まるような、

見ているとしみじみします。

「黒い花瓶のアネモネ」

また、印象的だったのがルドンの最期の作品で亡くなった時にイーゼルにあったもの。

この絵を描いてた当時は第一次世界大戦中で大切な息子は戦地にいたそう。

安否を知るために町の中心地へ情報を聞きに行った時に風邪をひいたことがきっかけで

亡くなってしまい、息子が無事だったことを知らぬまま逝ってしまったルドン。

息子を思う気持ちや祈る気持ちが伝わってくるようで展示室の最後に飾ってあった

この絵の前からはなかなか立ち去れませんでした。

最後はどんな風に仕上げたかったのだろう・・・。

聖母」

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岐阜県美術館、ボルドー美術館を中心に集められた作品の数々は想像以上に多く、

平日ということもあり、ほぼ貸し切り気分でゆっくり鑑賞できたこと、作品の流れと説明が

とてもわかりやすく、とても贅沢気分に浸ったルドン鑑賞でした。

 

そして最後はやっぱりお土産コーナー♪♪

が、ルドングッズではなく、カーキ色のスヌードを買ってしまった。

肩に落としても首で2重巻きでも暖かいっ♥ 

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館内では"LULULU DE FRANCE" ~フランス(っぽい)フェア~開催中。

フランスっぽい雑貨(マグカップ、メモ帳、クリアファイル等々)や新潟の若手作家さんと

コラボしたオリジナルグッズを販売していました。


おまけのパリはBelle et Bonneで☆彡

 

<INFO>

新潟市美術館

新潟県新潟市中央区西大畑町5191−9

025-223-1622

*オディロン・ルドン展 ~夢の起源~は、2013年12月23日迄。

http://www.ncam.jp/

 

KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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