
パリでツタンカーメン展☆ファラオの秘宝
古代エジプト文明好きとしては、この夏のパリで経験した「ツタンカーメン、ファラオの秘宝展」は忘れられない経験となりました。
場所は、パリ19区のla Grande Halle de la Villette(ヴィレット大ホール)。
度々クラシック音楽コンサートに訪れているPhilharmonie de Parisと同じ敷地内にあるかなり大きなホールです。
本展は今年9月15日まで開催予定の展覧会で、ツタンカーメン王の墓で発見された約150点の宝物を展示。
そのうち約50点は、エジプト国外では初公開!
会場に入るとまずはイントロダクションなビデオ説明。
その雰囲気はディズニーランドのアトラクションみたいでワクワク度アップ♬
そして向かえてくれるのは、アモン神像。
アモン神はファラオを守る神で、墓が発掘された当時もピラミッドの入り口に同じ姿で立ってたそう。
この像はルーヴル美術館の所蔵ですが、本展のために特別展示されています。
1922年11月、イギリスの考古学者・Howard Carter(ハワード・カーター)によって、エジプト・ルクソールの向かいにあるナイル河岸の「王家の谷」でツタンカーメン王の墓が発掘されたことは世紀の大発見。
古代エジプト11代目ファラオ・ツタンカーメン王の在位はわずかに9年間で18~19歳の若さで逝去。
その死因は病気説、暗殺説があり現在も確定はされずミステリアスな王。
もしこの発見がなければ、ツタンカーメン王は誰も知られず今も王家の谷で眠っていたのでしょう…。
泥棒などに全く見つかることなく、とても良い状態で保存されていたそうで、その秘宝の数々を時空を超えて直に目にすることができることに大興奮!
それらは家具、装飾品、オモチャ、武器、オブジェ等多岐に渡り美しく興味深いものばかり。

こうしてお墓にいっさいがっさいを一緒に埋葬するのは、古代エジプト人が死後の世界を重んじていたから。
古代エジプトを語る上で大切な死後の再生と復活。
知られるように遺体は神秘的な典礼によってミイラで保管され、副葬品を伴って死後の世界行き、そして復活を待つ。
以前六本木ヒルズで鑑賞した「大英博物館 古代エジプト展」を思い出しました。
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/51969242.html)
簡易な椅子かと思いきや、これは枕でした。
寝ることは死に近い行為で、その夢の中で神から語られる言葉を大切にしなくてはならないと考えられていたそう。
ミイラを囲っていた金のベルトには、ツタンカーメンの名前と保護魔法の言葉が刻まれていました。
本展は連日盛況だと聞いていましたが確かにバラエティに富んだ展示、ピラミッド前での合成写真を撮影(有料)など子供からシニアまで楽しめる内容で本当に面白かったです!
ガラスケースに入っているとは言え制止線もなく、おもいきり近づき様々な角度から見れるので皆さんカメラ片手に熱心に観察、鑑賞。
でも、、もしこれらのお宝に実際に触れることができたら何か祟られるかも?!
と怖くなったのは展示終盤の発掘の様子の説明コーナーに来た時。
これまたよく知られることですが、ツタンカーメンのお墓発掘に関わった人のほとんどが原因不明の病気、突然の事故で死亡してしまったという「ツタンカーメンの呪い」伝説。
消えた歴史を知ることができたことは学術的には素晴らしい大発見なのでしょうが、何より死後の世界を大切にし、復活を願って眠っていたのに、その大事なお墓を暴かれ、お宝を外国に運ばれてしまっては王の怒りはおさまらない?!
最近あれこれ考える機会もある人の死。
生きること、死ぬこと、逝ってしまう人の気持ち、残された人の気持ち、死んだらどうなるのか?など死を巡って思うことは色々で、生まれた以上必ずやってくる終わりを思うと本展を鑑賞しながら感慨深いものがありました。
そうやって死を考えることで今どうやって生きたいかを真摯に思う今日この頃。
会場の最後に立っていたツタンカーメンはとても神秘的な美しさをたたえて立っていました。
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