
傳☆世界ベストレストラン
その評判は以前から聞いていたものの、人気のため予約困難なお店ということでトライしたことがなかった料理人・長谷川在佑さんのフュージョンな日本料理店「傳」(でん)。
食いしん坊なご縁でパリに暮らすHさんの紹介でお邪魔することができました。
その場所は渋谷区外苑前で、ここ見覚えあるなぁと思ったら、かつてフレンチレストラン「ル・ゴロワ」だった場所。
「ル・ゴロワ」が大好きだっという長谷川さんが椅子やテーブル、扉や床などインテリアをそのままに2016年に神田から移転し、ここで「傳」の再スタートとなったそう。
初めてのレストラン、ワクワク度が高まる中、最初に登場したのはお菓子みたいなパッケージ。
その中は、最中。
うわっ、美味しい♡
フォアグラモナカで、季節でアレンジが変わるそうですが今回はさつま芋とぬか漬けキュウリがアクセント。
今回お邪魔するまで長谷川さんについてほとんど存じあげずだったのですが、1978年東京都生まれ。18歳で「神楽坂 うを徳」で修業を始め、その後は都内日本料理店で腕を磨き、2007年独立。
29歳(若い!)で東京・神保町に「神保町 傳」をオープンし、開店わずか3年目でミシュラン東京で星を獲得、またここ何年も「世界50ベストレストラン」では常にランクイン。
「世界50ベストレストラン」2019年版では日本のお店が2軒ランクインする中で11位に。
なんだかすごいお店みたいだ…と、行く前はちょっと緊張していたのですが、お店に入るなりびっくり!
照明がとても明るく、それ以上にスタッフさん全員が明るい笑顔で、想像していた間接照明のムーディなしっぽり暗がりレストランとは真逆な雰囲気。
そして長谷川さんがとても気さく♬
↓これは食後のシーンですが、各テーブルに愛犬クリちゃんと一緒にご挨拶。
とろ〜り香る松茸餡の下にはフワフワの卵豆腐☆
可愛いお皿がセッティング。
使われている食器はほぼ全て長谷川さんのお友達の作家さんの作品なのだそう。
箸置きのプチたい焼きもかわいい。
このサイズがいい。
そんなセッティングのお皿にはどんな料理が載るのか?!と思ったら、噂の「傳タッキー」☆
遊んでる!
そのパッケージは表、裏、横を読むほどにユーモア満載。
そしてボックスを開けると食欲をそそるいい香り。
ソフトでジューシーな傳タッキーフライドチキンはスパイスやナッツを混ぜて炊いたもち米が詰められ、季節の銀杏がアクセントになった手羽先唐揚げ。
お酒は料理に合わせるペアリングで。
しばらく寝かせたという金目鯛はねっとり食感で舌の上でとろける♡
ふと店内を見渡すと満席でどのテーブルも楽しそうな笑い声、笑顔がいっぱい。
日本で日本料理となると静かに食べるイメージですが、長谷川さんはじめスタッフの方々がそれぞれのテーブルに気配り目配りをされて声をかけてくださることもあり、お客さんとお店の距離感がとても近い感じ。
この日日本人は私達ともう1つ3人組みの女性テーブルがあっただけで他は外国人の皆さん。
更に驚いたのは、その外国人のうち3組がリピーターさんだったこと。
お店に入るなり「久しぶり〜、元気だった?」「なかなかナパに来てくれないわね〜」そんな会話が聞こえてきました。
そんな店内の様子を驚き観察していたら次の「うなぎとナスとパプリカ」のお料理は撮り忘れてしまった…。
でた!
こちらもスペシャリテな「畑の様子」とネーミングされた傳サラダ。
色々な野菜にそれぞれ異なる味付けや温感を一皿にまとめた、単に「サラダ」とはくくれないメイン料理ぐらいのインパクト大の一皿でした。
人参の顔もそれぞれ違っていて面白い。
ちょっとお話をさせていただいたアメリカから来た老夫婦のお客さんはもうずっとこちらのレストランのファンだそう。
そして奥様が83歳を迎えたこの日、お祝いに訪れたそう。
奥様が83歳には見えない若々しいお元気な様子だったこともさることながら、こうしてはるばる遠い外国からやってくる、惹きつけるお店の魅力の一つは、初めてのお客さんも常連さんも分け隔てなく、それぞれにおもてなししてくださるところかも。
鴨ときのこのお椀☆
シメは秋刀魚の炊き込み土鍋ご飯。
こうして秋刀魚を炊き込んだカタチでいただくのは初めてでした。
とても美味しくて感激!
デザートは、シャインマスカットと梨に黒イチヂクの赤ワイン煮ソルベ(濃厚!)。
あちこち海外を飛び回ってる長谷川さん。
オープンキッチンの厨房内にも色々な国籍の方が働いていてどこまでもインターナショナル。
和食はこうでなければ的な堅苦しさはなく、私にはとても新鮮な体験でした。
そしてしっかりチームの一員の看板犬クリちゃんは芸達者。
手を合わせてアリガトーポーズを連発。
本当に人懐っこい!
が、犬より猫派の私には軽い社交で済ませ、犬好きの夫の腕に絡む&舐める。
犬はやはり空気読める?!
噂に聞く楽しさとホスピタリティに溢れた「傳」、またお邪魔したいと思います。
***おまけのパリ***
以前のお店をそのままに、その場所に全くジャンルの異なるお店をオープンするのはパリではよくあること。
こちらも今はビストロですが以前はショコラトリーだったことが伺える窓の装飾を残したままに。
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