
暴君カリギュラ☆
この秋、特に楽しみにしていた演劇が菅田将暉さん主演の「カリギュラ」!
ようやくその日がやってきて新国立劇場へ行ってきました。
まず「カリギュラ」と言ったら私の中に真っ先に思い浮かぶのは、パリ・オペラ座バレエ団のエトワールのMathieu Ganio(マチュー・ガニオ)。
(以下の2枚の画像はこの夏購入したマチュー写真集より)
初めてマチューを見た、知ったのが“Caligula”(カリギュラ)という演目でした。
(しかも振付が当時これまた好きなダンサーだった ニコラ・ル・リッシュ)
マチューの演じたカリギュラ帝はどこまでも妖艶で若さがほとばしり(当時マチューはエトワールに昇格したばかりの21歳)狂気の中に見る美しさにうっとり、ハートにズキュン♡
この公演ですっかりマチューファンになってしまったわけです。
と、私の中ではマチューのカリギュライメージが色濃い中で、日本人で今や大人気の若手俳優・菅田将暉さんは舞台ではどんな風に演じるのだろ〜と期待。
カリギュラ(カリグラ)は、暴君、狂気の皇帝として知られる帝政ローマ三代目の皇帝。
本名はガイウス・ユリウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス(長い…)で、「カリギュラ」とは「小さな靴を履いた可愛い少年」という意味の通称。
子供の頃、父のゲルマニクスに付き従ってゲルマニア(現在のドイツ)に同行した際、兵士たちに可愛いがられ、彼用に作られた小さい軍靴にちなみ「カリギュラ」の愛称で呼ばれるようになったそう。
(↓ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館所蔵のカリギュラ胸像)
本作のざっくりなストーリーは、(以下オフィシャルサイトから引用)
ローマ帝国の若き皇帝カリギュラ(菅田将暉)は、愛し合った妹が急死した日に宮殿から姿を消し、その3日後に戻ってきた。
そして、その日を境にそれまで非の打ち所のなかった皇帝は豹変し、貴族平民問わず、何らかの財産を持つものを区別なく殺し、その財産を没収するという驚くべき宣言を出す。
しかし、それはほんの序章でしかなかった。
それから3年後、カリギュラは、彼を深く愛している年上の女性セゾニア(秋山菜津子)、忠臣のエリコン(谷田 歩)を従い、残虐非道な行為の数々を繰り広げる。
やがて貴族たちの怒りと怖れはカリギュラを殺害することへと向かっていく。
そして、カリギュラに父を殺された若き詩人、シピオン(高杉真宙)も彼を殺したいほど憎んでいた。
だが、カリギュラの思想の危険さをいち早く感じていたケレア(橋本 淳)だけは、今は時期尚早だと“その時”が来るのを待つように全員を諌めるのだった。
カリギュラはなおも食料庫を閉鎖して飢饉を起こし、公営売春宿の売り上げ回復のため新たに勲章を設け、グロテスクな扮装で神々を冒涜する。
自らの命の危険を知っても、止まることなく、さらに暴走を続ける。
彼は革命をもたらす王か、それともただの殺人者か。彼が探し求めた「不可能なもの」とは・・・?
演出は、栗山民也さん。
「不条理」をテーマに小説「異邦人」でも知られるアルベール・カミュの劇作品だけあって、久しぶりに哲学的なセリフ(しかも長台詞)の多い、ちょっと難しいお芝居だったな…と。
菅田さん演じるカリギュラは、とてもエネルギッシュで、自分の中から湧いてくる底知れぬ自分でもコントロールできない何かを持て余しているようで、それが狂気となって暴走し、誰も止められない鬼気迫る空気を醸していました。
自分の周りの人はじめ皇帝として民衆も全く大事にしない、そもそも自分のことも大事にできない男。
破滅願望が漂い、死も含めて怖いもの無しな振る舞い。
どうしてそんな人になってしまったのか…?
最愛の妻であり妹の死や病気、自分を取り巻く環境と理由は色々あるだろうけど、凡人には想像が及ばない。
カリギュラは、想像以上の暴君でとんでもなくひどい皇帝だと感じたものの、何ひとつ大事に思えない、守りたい人やものがない人生、私にはとても孤独で可哀想な人に映りました。
個人的には舞台はもう少し小さな劇場でタイトな空間と雰囲気で観劇できたら、もっと張り詰めた臨場感が感じられたかも?と思う。
幕間20分休憩でコーヒーを飲みながらピープルウォッチング。
するとオシャレでも知られる菅田将暉さんの舞台ということもあってか?個性的なファッションのオシャレ女子が多く、ビッグフォルムはじめプリーツとレースがドッキングしたスカートや右半分だけプリーツなスカート、柄×柄、帽子ファッションなどなど見ていて面白かった。
それから今回驚いたのがグッズ販売の大盛況ぶり。
何度も来ている劇場ですが、これまで目にしたグッズ販売行列の中で間違いなく最長。
でもさすが日本!?とても手際良く流れるようにパパッと販売。
そんな中、我が家のジャイアンにお土産に買うしかないな!と購入したトレーナー。
バックプリントで「暴君」。
(「月が欲しい」と不可能なものを欲するカリギュラ)
K「ぷぷぷ、もうハマり過ぎでしょ。あなたにぴったり!」
夫「・・・。でも俺が着たらそのまんまでつまらないだろ〜。これは君が着たら面白いよ。はやりのビックフォルムっぽく」
K「・・・。」
そんな暴君トレーナー。。
***おまけのパリ***
坂道、階段の多いモンマルトル。
毎日上り下りしたらいいトレーニングになりそうだ。
って、、最近はスキーシーズンが迫ってきたせいで階段を見るとトレーニングとしてはここは使えるか?両手にペットボトルを持って上がる?とか考えてしまう。
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