フェリックス・フェネオンへのオマージュ☆
あっ!と、朝ランではなく夕ラン(夕方ランニング)で足止まる。
これは、2年前にFondation Louis Vuitton(フォンダシオン ルイ・ヴィトン)のMoMA(モマ)展で初めて観て印象的だったポール・シニャックの『フェリックス・フェネオンの肖像』。
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/moma.html )
パリでまた観れるとは♡
と、その1枚がまた観たくて出かけたオランジュリー美術館(Musée de l' Orangerie)。
あら?行列なし。
これまたストライキの影響なのか、時期的なものなのかわかりませんが、モネの『睡蓮』が常設されているこの美術館は私の中ではいつも一定程度は混雑している印象なのですが、この日、この時間(午前中)は館内は空いていました。
久しぶりに椅子に座って心ゆくまで鑑賞ができ、思わず動画を撮って日本の友達たちに送信。
その後向かった特別展“Félix Fénéon. Les temps nouveaux, de Seurat à Matisse ”(フェリックス・フェネオン(1861-1944年)新時代、スーラからマティスまで)。
19世紀後半から20世紀前半にかけて芸術愛好家で批評家として活躍したFélix Fénéon(フェリックス・フェネオン)の人生を振り返り、彼が支援したマティス、モディリアーニ、スーラ、ブラック、ロートレックなどの作品を紹介する展覧会。
元々は公務員、官僚だったフェリックス・フェネオンは、無政府主義活動に近くテロ疑惑をかけられて失職。
その後、前衛的美術雑誌『ルヴュ・ブランシュ』の編集者、新聞記者、画廊オーナー、作家、美術評論家、アフリカ・オセアニア美術のコレクター等々、多方面で活躍。
とは言え一般的にはそれほど知名度は高くないようで、そんな人だったとは…と私も本展で知りました。
会場は彼が発掘したと言われるジョルジュ・スーラの作品からスタート。
スーラと言えば点描画。
スーラを発掘し、彼に代表される新しい芸術様式を「新印象派」と名付けたのもフェリックス・フェネオン。
フェリックス・フェネオンもまた誰に影響されるでもなく、自分の感性でこの作品はいい!と、その才能を見出す審美眼、先見性を持った人だったんだなと。
夫「ほら、俺だって、最近ドラマによく出てる○○は絶対ブレイクする、と最初から思ってたね!」
K「そういう話じゃないにしても、、いつの時代も才能を発掘して時代性も見据えてプロデュースできる人ってすごいね」
K「誰か私を素敵にプロデュースしてよ〜♡」
夫「それは無理。君には可能性が見えない」
K「・・・」(極めて失礼だが、否定できずだな。。)
フェリックス・フェネオンの写真を見てから改めて作品を見ると、確かに本人の特徴をしっかり掴んでることがわかり思わずちょっと笑ってしまったポール・シニャックによる肖像画。
その習作作品からの、
完成形☆
今見てもモダン、新しく見え、ミラクルな夢のある世界を感じます。
上部のボーダー柄部分は、日本の浮世絵か布地を引用しているのでは?といわれる背景表現。
他にも本展ではたくさんの点描画を鑑賞することができました。
セカンドハウスが海辺にあるので私にとって海はとても身近な自然。
なので海を描いた作品がとりわけ気になるのですが、本展に展示された点描で描く水面がキラキラな様子は、実際が目に浮かぶようでとても綺麗でした。
Henri - Edmond Cross 「Les Iles d'or 」
海の色、波の形も季節や時間で刻々と変わり、全く同じ色、同じ光と輝きは二度と無い、この一瞬だけかも!と思うこと度々。
クルーズを楽しむヨットや何を釣っているのだろう?と漁船を眺めていても飽きない海。
Paul Signac「Concarneau.Peche a la sardine」
それにても館内が空いていて一段と贅沢に感じた美術鑑賞でした。
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