
ピエール・ガニェール氏と☆
美味しいシーフードが食べたい!
そんな時は我が家からは行きやすい場所ということあり、最近はパリ7区にあるレストラン“ Gaya”(ガヤ)へ出かけています。
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/7gaya.html)
アミューズのほんのり温かいひと口フィッシュケーキをつまみながらメニュー選び。
食べ終えて思わず「これ欲しい!」と思った、大好きなcouteau (クトー=マテ貝)型のお皿。
マテ貝山盛り食べたいな…な気持ちに。
いつもならこちらのレストランでは料理はアラカルトで楽しんでいるのですが、今回はコース料理に食べたいものが詰まってる!ということで、初めてコースをオーダー。
エクストラ料金追加で『黒トリュフコース』に変更できるというもの。
夫は黒トリュフづくしなコースに即決。
私はしばし迷ってトリュフ無しのスタンダードコースに。
というのもその昔、初めてパリでトリュフ専門レストランへ行った時、アミューズからデザート、カフェに添えたマドレーヌに至るまで全てに濃厚黒トリュフが使用され、パンにつけるバター&オイルもトリュフフレーバー、チーズに添えられた蜂蜜もトリュフフレーバー、レストランの隅々までがトリュフ香で満たされ、その香りが目に見えるようでした。。
最初は夢のような芳香♡と、うっとりしていたのですが途中から触手動かず。
それまで人生でそこまでの「トリュフづくし」を経験していなかったこと、また当時は今ほどトリュフの価格が高騰していなかったので、その使い方も贅沢を極めていたせいか(?)強い香りに嗅覚や味覚が麻痺して軽い目眩と気持ち悪さに襲われてしまいました。
その日以来、約1年半『黒トリュフ』(白トリュフは問題無し)が苦手になってしまい、ちょっと香りを嗅ぐだけで胸焼けのような症状を感じるようになってしまったのです(T_T)
(この日選んだお酒はシャンパンでAgrapart(アグラパール))
そんな話をグルマンな友人にしたところ、「それはトリュフ香にあたったね〜」と。
食中りとは違いますが、稀にトリュフの香りに悪酔いした感じで気持ちが悪くなる=中る人がいるそうです。
今はまたすっかり食べられるようにはなりましたが、前菜からデザートまで本物極上トリュフ使用となると不安になります。
そんな話をしていたら、、
「ボンソワ、ムッシュ。ボンソワ、マダム」
出た!!(お化けじゃないけど、その不意打ちな静かな登場にびっくり。確か1年前もこんな感じだった)
ピエール・ガニェール(Pierre Gagnaire)氏が目の前に現れたのです。
P「お二人には以前も何度か来ていただいてますよね?」
夫「はい!こちらに移転されてからは3回目です」
P 「ですよね。ありがとうございます」
夫「一緒に写真をお願いできますか?」
P「もちろん!」
穏やかに微笑むとガニェールさんと握手をすると、その手は大きく包み込むような優しさを感じてしまいました♡
フランス料理界の巨匠と呼ばれる偉大なシェフの中でも一番ファンだったのがガニェール氏だったので、大興奮(≧▽≦)
尊敬するのは、こうして普段からご自身のレストランをパトロールしていること。
(有名になりTV出演等ばかりでキッチンに立たない、顔を出さないシェフも少なくないと思うので…)
こうして感激記念撮影の後に前菜登場。
トピナンブールのヴルーテの上に牡蠣とニシンとトレビス。その間にビーフコンソメのジュレ。
黒トリュフバージョン。
その夫の料理をひとくち食べてビックリ!
私達が想像していたのは、黒トリュフコースと言ってもスタンダードバージョンに黒トリュフのスライスが後付け的に載るだけと思っていたのですが、単に黒トリュフを削って載せたのではなく、燻製のかかったニシンもトリュフオイルを絡めたトレビスもスタンダードバージョンとは別物料理。
夫「すげ〜!さすが、ガニェール氏のレストランだな。単に黒トリュフを載せただけで“づくしコース”なんて言わないんだなぁ。ガニェール料理になってるところがスゴイ」
K「私もづくしにすれば良かった気もするけど、この比較、違いが面白い!トリュフのアレンジが勉強になります。って、家でトリュフ料理なんて滅多にしないけど…」
続いてホタテとレンズ豆の一皿。
スタンダードバージョンはフレッシュなグレープフルーツがアクセントでしたが、黒トリュフバージョンはグレープフルーツはソース状で、レンズ豆もトリュフフレーバー。
メインの魚はcabillaud(カビョー=鱈)で緑色のブランダードと共に。
黒トリュフバージョンでは、ブランダードに黒トリュフが練りこまれ、食べたら止まらない?!なクリーミー美味なブランダードに仕上がっていました。
そしてデセールは、œufs à la neige(ウフ・ア・ラ・ネージュ)。
ネージュはフランス語で雪ですが、卵白を泡立てた状態のこともネージュと呼ぶそう。
卵白に砂糖を加えて泡立てたメレンゲに火を通し、クレーム・アングレーズに浮かべたデセール。
こちらの一皿は、黒胡麻のクレーム・アングレーズで思いきり私好み♡
夫「いやいや、こっち食ってみろって♡卵白とトリュフ、キャラメルソースがめちゃ合う!」
K「うまっ!」
最初から最後まで感動的に美味しく、久しぶりにゆっくり食事を楽しんだ夜でした。
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