アンリ・ルソーとジョルジュ・サンド
今年の秋、久しぶりに訪れたのがMusée de l'Orangerie(オランジュリー美術館)でした。
常設展としてはモネの「睡蓮」が有名ですが、私が初めて観た時に衝撃的で
忘れられなくなったのが Henri Rousseau(アンリ・ルソー)の絵でした。
例えば人形を持った女の子、L'enfant a la poupee。
可愛くない、首がない、オジサン顔。
持ってる人形もどうかと思うよ・・・が最初の感想でした。
また日本では夏の帰国中にプーシキン展で観た「詩人に霊感を与えるミューズ」。
モデルは、詩人ギヨーム・アポリネールとその恋人の画家マリー・ローランサンですが
この出来栄えにローランサンは、ご機嫌斜めだったとか(*_*;
確かにローランサンに全然似てない・・・。
私にとってアンリ・ルソーの絵は好き、嫌いは別にとにかくインパクトがある絵でした。
その生い立ちを確認すると職業画家ではなく日曜画家。
パリ市の税関を退職後に画業に専念したことを知り、若い頃から画を勉強した訳じゃないから
仕方ないのかな、なんてうがった見方をしてきました。
そんな気持ちを一気に払拭させ、夢中になったのがルソーの絵をテーマにした
原田マハさんの本、「楽園のカンヴァス」。
と言っても難しい退屈な美術書では全くなく、史実を交えながらのフィクションで
最後までドキドキのアートサスペンス★
数年前に発売された本ですが、今年読んだ本の中でとても印象に残る一冊です(≧▽≦)
ストーリーは、(Amazonより引用。ネタバレしません。)
ニューヨーク近代美術館の学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸宅でありえない
絵を目にしていた。
MoMAが所蔵する素朴派の巨匠アンリ・ルソーの大作『夢』。
その名作とほぼ同じ構図、同じタッチの作が目の前にある。
持ち主の大富豪は、真贋を正しく判定した者に作品を譲ると宣言、ヒントとして謎の
古書を手渡した。好敵手は日本人研究者の早川織絵。リミットは七日間。
ピカソとルソー。二人の天才画家が生涯抱えた秘密が、いま、明かされる!!
読み終わった後、なんだかアンリ・ルソーという画家がとても愛おしく感じられて、
今後は彼の絵の見方は絶対変わるな~と確信。
(自画像↓)
そして今回帰国後、真っ先に読んだのが同じ原田マハさんの「ユニコーン:ジョルジュ・サンドの遺言」。
これは、私の好きなパリの美術館・クリュニー中世美術館の「貴婦人と一角獣」のタピスリーを
テーマにジョルジュ・サンドを絡ませたお話。
6枚の連作タピスリーの一枚にだけに織られた言葉「それだけが私の唯一の望み」。
この言葉が色々な想像力をかき立てます。
ジョルジュ・サンドもきっとこのタピスリーに夢中になったのだろうと思います。
もっと読みたい、更に続きを、と思っているうちに読み終わってしまいました。
薄い本なのですぐに読める本です。
読むのが遅いので読書量は多い方ではないけれど、知らないことを知ったり、
自分が生きられない世界や時代の中に連れていってくれる本は、読むと世界が広がります。
来年はもっとたくさんの本を読もうと思います♪
おまけは、Belle et Bonne で(^_^)/~
(http://belleetbonne.blog.fc2.com/)
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