
夏の名残と秋の走り☆
最近は美容院やレストランで席に着くなり「こちらのマスクケースをお使いください」といただくことも増えてきました。
確かに外したマスクをバッグにしまう際にケースがあったが方が便利なので、そのうち私もちゃんとしたマスクケースを買おうかなぁと思います。
と、こうして今回もマスクケースをいただき、入店前に検温、手の消毒をしてテーブルに着いたのは、代官山のフレンチレストラン“COTEAU.”(コトー)。
(関連記事→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/6coteau.html )
いつものようにチーズ風味のシュー、gougère(グジェール)を摘んでディナーのスタート。
こちらのレストランは月替わりのコースメニュー1本なので毎月考え抜かれた季節感溢れるお料理がいただけます。
今月は、「夏の終わりと秋の走りの食材で構成されています。夏の疲れを癒し、来たる秋に備える、そんなお料理です」な説明に期待大。
アミューズ・ブーシュは、「長崎の白イカと静岡のアメーラトマト」。
弾力のあるイカの上にトマトのジュレ、それだけでもイカとトマトの甘味にジュレの酸味で十分美味しいのですが、その下にある味噌味のセロリも乗せていただくと途中で味変!
そしてこちらもいつも通り、お料理がサーヴされる前に丁寧に食材の説明を伺います。
個人的には、このレクチャータイムがとても興味深く、面白いのがこのレストランが好きな理由の1つ。
これはヒヨコ豆?この藁は香りづけ?等々、お話をしながらそれらがどう調理されるのか!?と。
1皿目の前菜は、意表を突いてレバノン料理チック☆
というのもベースの味は、代表的なメッゼの「ババ・ガヌーシュ」。
ババ・ガヌーシュとは、焼いて皮をむいたナスをすり潰してオリーブオイル、タヒーニ(練りゴマのような調味料)、香辛料を混ぜたペーストです。
それが戻り鰹によく合い、またカツオの下に置かれた山形・寒河江のくろべえ茄子が瑞々しい美味しさ。
2皿目の前菜は、キノコがいっぱいでいかにも秋。
そして夏が旬の冬瓜。
仕上げに目の前で熱々の餡をかけて完成した茶碗蒸し風な一品。
岩手産のムール貝の味も濃く、新銀杏のグリーンも綺麗。
味わい的には、かなり和食。
この和な味に合わせられたお酒は、奈良県の日本酒。
一瞬日本酒か…と躊躇してしまったのは、私の場合ワインペアリングコースの中に日本酒が入ってしまうと悪酔いしてしまうことが多いので普段はスキップ。
ただ、夫のグラスに注がれた香りがなんともまろやかリッチで料理と合わせる以前に、この日本酒飲んでみたい!と珍しく私も飲みました。
うまっ♡
お酒そのものも美味しいのですが、この茶碗蒸しと一緒にいただくと相乗的にどちらも美味しく感じるという妙、まさにボン・マリアージュ。
メインディッシュに夫は肉料理「鴨」をチョイス。
そこにネギやカブ、そして蕎麦の実を使ってどんなカタチになるのか?
ちなみに左奥に隠れてよく見えないてないけど新潟出身としては推します、美味しい「砂里芋」。
砂里芋(さりいも)は、新潟県新発田市・聖籠町の砂地で採れるサトイモです!
K「ではこのお肉料理を一言で表現してください」
夫「鴨なん蕎麦の再構築!」
私は魚料理「鮭」。
鮭が食べたくて選んだ訳でなく、「たっぷりバターを染み込ませて焼き上げたカボチャがものすごく美味しいんです!」という説明が隣りのテーブルから聞こえた瞬間、カボチャ好きとしては今日のメインはそれ!と決めておりました。
火が消えたばかりの板が乗り、そのプレゼンテーションもユニーク。
その板を外すと燻製の香りをまとった秋鮭がお目見え。
秋鮭はもちろん美味しかったけれど、カボチャが主役を食っちゃてます!に感じた美味しいカボチャでした。
何か有名なブランドカボチャなのかな?と思い尋ねてみると、ブランド名などはなく「長野の普通のカボチャです」と…。
デセールは2種類からのチョイス。
さっぱりグラスデザートは、巨峰と赤紫蘇。
ちょっぴり小豆がアクセント。
もう一方の今月のミルフイユは、岐阜県・新田農園の「えた」という栗のミルフイユにコーヒー豆のアイス添え。
栗好きにはたまらぬデザートでした♡
最後は一瞬フォアグラかと思ったけれど、イタリアンプリンのような小菓子。
フレッシュハーブティーとともに。
今月は一段とワインペアリングに感激で、夏の名残と秋の走りのお料理とともにエンジョイしました。
コロナ禍で外食、会食の頻度が減った中では1回1回のレストランがより貴重なので丁寧に食べたいと思っています。
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パリの1枚。
メリーゴーランドが似合う街。
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