
Panthéonで初心にかえる
先月のパリでのお話です。
パリに暮らし始めた頃、パンテオンの近くに住んでいました。
パンテオンを見上げて語学学校に通う毎日。
授業に全然ついていけないこと、なんとなく質問の意味がわかっても
それを日本語で言うこともできない自分の馬鹿さ加減に凹む日々。
「日本の政治のシステムを説明して」と「それについてどう思うか?」と聞かれても何も出てこない。
今まで何やってきた?何を考えて生きてきたのかな?何も考えてなかった?!と。
そんなどっぷり落ち込んでる時にパンテオンの中に入って、地下で偉人たちのお墓を見ていると
外国からパリ来た人も多く、祖国を離れて大変なことは多かったはず!
そんな彼らの頑張りに比べたら私は蟻ほどの努力もしてない&ファイト一発★
と元気をもらいました。
と、なんだかそんな思い出が懐かしくなって、先月とても久しぶりにパンテオンの中に入りました。
こんなに中は広かったっけ?!
そして有名な「フーコーの振り子」。高~い天井から吊るされてます。
その天井はこんな感じ。
1Fはこの振り子や絵画、彫刻がゆったりなスペースで展示されています。
私の隣りでは小さな女の子とパパの二人が鑑賞していたのですが、
「あれは誰?」「これは何?」「なんでここにいるの?何してるの?」とパパは質問攻めにされて
いましたが、丁寧に答える姿に優しいパパだな~、私にも教えて!?な感じでした。
では、偉人たちの眠る地下へ!
階段を降りるとまず目に入るのは、Jean-Jacques Rousseau(ジャン=ジャック・ルソー)の棺。
テストには必ず出たルソーの社会契約論。
懐かし~とか思いながら振り返ると、そこにはVoltaire(ヴォルテール)!
フランスの大学入学資格を得る統一テスト「バカロレア」の哲学の問題を見ると、とてもとても
難しくて、こんなの何をどうやって論じたら「哲学」になるの?!と思うけれど、フランス人の
哲学的思想、思考の原点はこのへんにあるのだろうか・・・。
フランスで教育を受けたらやっぱり少しは哲学的な考え方ができるのか?などと思いながら、
単純で幼稚な思考しかできない自分を反省しつつ、しばらく彼らのお墓鑑賞。
それにしても広い。似たような作りでアリの巣のようで、方向音痴な私にはどこをどう進んでいいのか
わからない?!
偉人たちのお墓はそれぞれこんな感じで同じ作りの小部屋に分かれてます。
この部屋には、ヴィクトル・ユーゴー、アレクサンドル・デュマ・ペール、エミール・ゾラが同居中!?
「デュマさん!遠い将来に猫&犬を飼う予定ですが、あなたの名前と三銃士から名前をもらう予定です!」
と、お参り?!(みんなに撫でられたのか、左側下のデュマの名前だけ字が薄くなっている。)
小部屋の中は、石棺が並んでます。
パンテオンで初めて祀られた女性でもある、あのキュリー夫人。ご主人と一緒に眠ってます。
パンテオンは面白ろ楽しい観光スポットではないので、いつ行ってもわりと空いてます。
私にとってはパリ暮らしが始まったスタート地点のような場所なので思い入れも強く、大事な場所。
これからもたまにはココに来たいと思います。
いろんな意味で時々初心にかえるのは大切だな~と思った久しぶりのパンテオンでした。
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